購買センター概念&生産財マーケティング
ビジネスマンと観光客の来日に関し「2004年に九州から入国した外国人は560千人で、韓国・台湾・中国で8割」と西日本新聞2005年12月2日付が報道していました。 電波新聞2006年7月6日付で、超音波・高周波・マイクロ波・ミリ波などの応用製品を事業展開する東…
九州地区の自動車組立能力に関し、年間能力は日産九州工場が520千台、トヨタ自動車九州が430千台、ダイハツ車体が250千台で、合計1200千台です。この数字の枠外で山口県には復活著しいマツダの防府工場があります。 九州で最初に自動車生産を立ち上げた日産…
中国での6Gや7Gのファブ立ち上げに関し、半導体産業新聞8月23日付が判りやすく報道してくれています。 1.中国企業の動き SVA(上海広電)のSVA-NECは、6G/7Gのファブ立ち上げについてはNECではなくてシャープと交渉を行いながら独自の立ち上げも検討中。SVA-NE…
グローバル競争の上では、日本は公的セクターの法人税やインフラ使用コストが高くて不利ですが、民間セクターで、各企業組織による独自能力を発揮した強い製品の開発や、日本文明が育んできてくれた質が高い労働力と産業集積など、先人の営みの積み重ねの御…
永守創業者は著書*1で「取引をしてもらうには、会社の歴史とか経営者の年齢とかが、大きく影響してくる。・・どこへいっても門前払いを食わされるばかりだった。・・どこのモーターメーカーもやらない、手間ばかりかかって効率のあがらない、コンピュータな…
右肩上がりの業界では配膳された食事を口に運ぶようなオーダーテイキングだけでも業績拡大が続きます。しかし大きな環境変化で新たなセグメントや顧客の開拓や商材開発が必要な場合には、上位力量のオーダーゲッティングの能力が必要です。 島田隆氏は著書*1…
上位力量が必要なオーダーゲッティングの事例は、多くの企業で起業当時の創業者や歴代のカリスマ営業の方々の歴代の活躍として伝承されています。生産財営業の受注パターンについては、7.35.51.で紹介させて頂いた西村務氏の「生産財マーケティング」で触れ…
経営者や高度で複雑な生産財を扱う営業パーソンが概念思考を行う際にとても便利なツールの一つに、マッキンゼー社が開発したとされる全体把握と分類のためのMECE(ミーシー、全体でもれなくだぶりなくの略語)があります。MECEには、世界観で陰と陽、野球能力…
消費財営業と生産財営業の違いに関し、生産財営業の標的は派生需要ですから展開地域が偏りますし、営業プロセスもQCDSとE(環境)に加えて販売引渡後の関係性のメンテナンスが重要になります。 消費財である薄型テレビの販売は、製造企業はマーケティング活動…
電子材料全体の産業規模は、今現在の8-10兆円から2010年頃に少なくとも2倍の20兆円であれば、2015年頃には多分で3倍の30兆円へと拡大します。産業の規模で30兆円というのは「今現在の半導体産業と同等の規模になる」ということです。 電子材料全体の需要規…
薄型テレビの需要予測と電子材料への産業連関に関し、2006年7月26日に松下電器第1四半期の発表会席上の川上副社長の説明が判り易くて参考になります。 1.世界需要の見通し 松下では2006年度のテレビの世界需要を1億6千万台程度(うちプラズマは1千万台、液…
薄型テレビは中間財の薄型パネルの需要を生み、薄型パネルからは様々な中間財の部品需要が生み出され、中間財の部品需要からは様々なマテリアル系生産財である電子材料の需要が生み出されます。 在来のCRTテレビとは異なる新しいアーキテクチュアと技術に基…
生産財マーケティングの特徴の一つが派生需要の連鎖ですが、パネルメーカーからの派生需要でドライバICメーカーが受注し、今度はドライバICメーカーからの派生需要でテープ積層板メーカーが受注します。テープ積層板メーカーはドライバICメーカー向けのサプ…
前述の41[GDPの日米比較]からも今の日本の国力の半分近くが製造業とその関連産業で支えられている現実を認識できますし、この構造を維持強化していくことが米国との相互補完的な棲み分けでもベターですから、国策としても国際競争力が高い国内製造拠点を振興…
製造業の生産性向上がものづくり支援プロセスへのニーズを高め、結果として「企業向けのサービス業」が伸びて、個人消費も伸びる、という関係です。企業間取引や産学官連携が活性化すれば個人消費も活性化していきます。 製造業の生産性訴求は様々なものづく…
以下、日刊産業新聞06・4・4付。 ○記者質問:トーメンとの統合に関して 清水社長:基本的に総合商社とは一線を画した、規模の拡大は追わず、お客様に機能を提供できる会社・・(中略)・・我々は当社の持つ強みが発揮できることしかやらない。トヨタ生産…
生産財マーケティングでは、顧客の組織的購買に対応しての複雑な営業プロセスと顧客関連のプロセスが形成されます。 現場の営業マネジメントでは、生産財マーケティングの購買センター概念が役に立ちます。生産財営業ではセールスのチャネルで主たるマーケテ…
工業系のセールスレップは妥当な価値(価格)が判りやすい反面で、技術と品質のフォローがついて回るのでメンテナンスが重要、ここが商業系との違い。 商業系のセールスレップの顧客関連プロセスは、受注活動の繰り返しで済むが、妥当な価値(価格)が判りにく…
経産省の藤和彦氏が著書「中小企業よ、攻めの経営に徹しなさい」*1で、中小企業が積極的に「独立自営のセールスレップが持つ具体的でピンポイントの知見や人脈」を活用することを提唱しておられます。 *1: 「中小企業よ攻めの経営に徹しなさい」藤和彦著 2…
輸出に係わっておられる方々の中には輸出先の現地でセールスレップ(生産財の場合にはマニュファチャラーズレップとも)とお付き合いする機会をお持ちの方が少なからずおられるものと推察します。日本の中堅中小の生産財企業では、輸出で現地のセールスレッ…
市場創造戦略では、商品属性の新コンセプトの認知と顧客の両方を獲得していく活動が柱となります。営業化(事業化)まではマーケティングが主であり、営業化(事業化)以降は、顧客獲得のための販売が主で顧客関連プロセスの構築が主となります。営業化(事…
ミスミのモデルを稼ぎネタの万能薬にしておられるような方々のことはともかくとして、ミスミのビジネスモデルが果たした貢献は大きなものがあると考えます。金型製造業の支援プロセスとしての生産財流通を考える際に、ミスミモデルは避けて通れません。ミス…
米国から翻訳なしで持ち込まれたマーケティングで、日本語が混乱したり、経営用語が混乱したりしています。マーケティング学者やカタカナコンサルタントの責任は軽くはないと思います。マーケティングは、米国式の販売慣習や手法をベースにマネジメントの概…
経営資源に恵まれているはずの大企業は「何もしなくて衰退する」が、逆に経営資源に乏しい中堅中小企業は「あれこれやりすぎて破綻する」・・・は数々の事例で証明されています。この「関係性コンピタンス戦略」がない企業は、限りがある自社組織の経営資源…
購買センター概念。 生産財営業の主要キーワードである組織性を調達プロセスとしてみた組織的購買については「購買センター」概念が非常に役立ちます。現場の営業組織に照らしても妥当性と有効性がとびきり高い優れものの分析ツールです。「購買センター概念…
生産財営業の特徴を際立たせるキーワードは、組織的購買と組織営業が織り成すことで複雑なプロセスが形成される「組織性」と、自社の強みを更に強くするコンピタンス戦略に基づく「関係性」であり、ここから派生する特定顧客への依存・地理的分布の偏り・個…
消費財分野でよく使われるProduct・Price・Promotion・Placeの4Pは供給者の視点なので、顧客側の視点に置き換えた様々な代用指標が使われます。例えばテレビ局であれば視聴率のような代用指標です。消費財分野では、マスの消費者が相手ですから、どうして…
松下電器の05年度調達見込額4兆円を03年度GDP統計で対比すると、山形県(4兆円)・奈良県(3.7兆円)・ベトナム(4.5兆円)に相当する規模です。大企業の調達市場は生産財営業(セールス&マーケティング)の下位概念である生産財マーケティ…
生産財営業の組織的購買の概念である購買センター概念と顧客関連プロセスで示唆に富むのは、和食の匠が素材を活かす達人であるのと同様に、精密無機というマテリアルを深堀したノウハウに裏付けられた独自能力を武器にして、「購買センターのキーマンの賛同…