青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

日本電産で発揮されたリーダーシップと組織能力醸成

組織能力という点で、これら京都企業の多くは起業当時の「強烈な起業の志」を維持したミッション経営を貫き通しながら大企業に成長してきておられます。

日本電産の永守創業者の「働く場所を作ることが最大の社会貢献」は正に日本の文化に基づいたミッションでしょうし、故本田宗一郎が時々口にしておられた人類普遍の価値観である真善美でもあると思います。

行動指針としての「すぐやる・絶対にやる・できるまでやる」も心技体のスケールの大きさというか、特に体(エネルギー)の凄さがひしひしと伝わってきます。

経営者として素晴らしいと感動するのは、人材については徹底した現実主義・プラス思考・加点主義を貫いてきて実践躬行してこられたことです。
「歩をと金に変える」「敗者を勝者にするやり方を!」「二流から一流にのし上がる」
「短所にこだわるな」、一方では「組織を乱す考え、行いには毅然たる態度で臨め」など・・全身全霊を打ち込んできておられます。

同時に多くの大企業出身者を中途採用しながらも「大企業出身者は個人的には優秀で能力も高いが、組織をコントロールしていくための訓練は殆ど受けていない、と実感することが多い」と大企業出身者への過度な期待感を持つこともなく、中途人材の適材適所で急速な陣容拡大を実現してこられてます。


以上、近年は何かと注目を集める機会が増えた京都企業に関しても、東京発の金融証券界のアナリストの見方に偏った情報が溢れていますが、生産財営業と組織能力の切り口からの実例モデルとしての価値も高いであろうことを述べさせて頂きました。