グローバル大企業の調達規模そのものが生産財営業の一大市場を形成しています。松下電器の事例では04年度グローバル調達額が3兆4千億円、05年度のグローバル調達見込みは4兆円と報道されています。
松下電器の05年度調達見込額4兆円を03年度GDP統計で対比すると、山形県(4兆円)・奈良県(3.7兆円)・ベトナム(4.5兆円)に相当する規模です。大企業の調達市場は生産財営業(セールス&マーケティング)の下位概念である生産財マーケティングの一大統計分野で、多くの調査レポートが売買されています。生産財マーケティングと消費財マーケティングの違いについては別の機会に触れたいと思います。
松下電器は、中間生産財や耐久生産財の世界有数の製造企業でもあることからマテリアル系生産財も大規模な調達を行っています。05年度グローバル調達額4兆円の概ね半分、2+兆円が「マテリアル生産財」と推定されます。松下電器へのサプライチェーンでみると、
の両方がありますが、その両方で生産財の一大市場を形成しています。
[直接生産財]と[MRO間接生産財]で構成されるマテリアル生産財の営業プロセス(反対概念で調達プロセス)と、そこで形成される顧客関連プロセスでは、「生産財営業の特性」や「消費財営業ではみられない特徴」が凝縮されています。