日本国の産業別の世界シェアは、耐久消費財<中間財<マテリアル系生産財と川上に近づくほど高くなっていきます。営業プロセスの主要部分である顧客関連のプロセスを理解する上でも、また海外展開を考える上でも、このことは大きな意味を持ちます。
携帯電話機に代表される情報通信機器の事例で、日系企業の世界シェアは3割弱ですが、中間生産財(中間財)の部品やデバイスとなると6−7割、マテリアル系生産財の素材ではもっと高くなると推察できます。
2006-05-06で触れた四日市のプレス金型の製造企業である伊藤製作所の伊藤澄夫氏の著書「モノづくりこそニッポンの砦」*1の中に次のような一節がありました。
東京の大田区の金型企業に発注しているある台湾のメーカーは、「優れた材料が簡単にすぐに入手でき、しかも優秀な人材が多い日本の企業がどうして海外に進出するのか」と不思議がっていました。17頁。
もの造りの上で「優秀な素材が簡単にすぐに入手できる」ということがどれほど有利なことか、海外生産に参加された多くの方々の中には、骨身に滲みる経験をされた方々も少なからずおられるものと推察します。
*1:「モノづくりこそニッポンの砦」伊藤澄夫著 isbn:4769361564: