青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

京都の日本電産は、リーダーシップと組織能力の研究対象として豊潤な事例を提供してくれています。永守重信創業者が1973年に4名の仲間を集めて、永守創業者の自宅の牛小屋を改造した本社からスタートし、何度か訪れたピンチを乗り切り、米国スリーエム社が創業間もない同社製品の実力を認定して採用してくれたことでその後の急成長が始まっています。

2006-04-16で産業アナリストの林隆一氏の戦略分類「日本電産京セライビデンが、誰よりも早く当たり前のことを当たり前に行う[シンプルルール戦略]」を引用しましたが、日本電産は、成長エンジンであったHDD(ハードディスクドライブ)用のモーターで世界シェアトップを維持しながら、「回るもの動くもの」をDI(Domain Identity)にして商材の多様化を進め持続的な成長がつづいています。今や同社は、電子部品の領域から産業・車載の領域までをカバーする総合モーターメーカーです。「雇用を増やすことが最大の社会貢献」を信条とする永守創業者のリーダーシップの下で、2010年に「1兆円企業で従業員100千人」を目指しているそうです。
以下、日本電産の中間事業報告書からです。

マイクロモーターから・・中略・・自動車家電向けの中型モータ、更には電子部品や半導体製造装置、基板検査装置、計測機器など「回るもの動くもの」に関する製品へ拡大しています。・・中略・・
HDDモータは引き続き成長が期待される最重要製品のひとつですが、それに対する依存度は下がっていきます。・・中略・・HDDモータにはFDB(流体動圧軸受)の搭載が主流になると言われています。
・・中略・・FDBは全てを自社生産できることから、日本電産の競争力は格段に向上します。・・中略・・
ブラシレスDCモータ分野に特化し、競争力を強化してきた日本電産は、この巨大市場を自社のマーケットに取り込む戦略を進めています。

詳しくは、http://www.nidec.co.jp/ir/lib/indexdata3/2000-h.pdf