中間生産財(中間財)の電子基板の国別生産高に関し、生産地としては、年々中国のウエイトが高まっていますが、国籍としては、台湾企業が伸びています。この点に関し、JPCA(社団法人日本電子回路工業会)の企画催事で、電子回路分野で第一人者の中原捷雄(なかはらやすお)氏*6の訪問実体験に基づく話しをお聞きする機会がありました。
NTインフォメーションズ代表の中原捷雄氏は、電子基板の分野で第一人者。基調講演の内容でも中国で訪問した数十社の電子基板企業の紹介があったが、実によく歩いておられる御仁。歩いて確かめたリアルな五感情報を聞かせて頂いた。
電子基板の生産規模で、2006年で日中逆転となり、以降は中国が世界最大の生産国になる。中国の生産を国籍別にみると、台湾35%、香港30%、日本12%、米国11%で、外国企業が91%。中国のローカル企業は9%。香港企業も多くは台湾系。電子基板に関しては、中国のトップ20の内、台湾企業が10社を占める。中国の高度成長は台湾企業がもたらしている。台湾企業は、俊敏経営と規格大量生産に関しては、日本企業よりも数段は勝っている。日本企業で台湾並みの動きを見せているのは明幸電子(メイコー)。
NanyaのKunshan PCB Material Campusでは日立のドリルマシンが2800台も動いていた。Nanyaは、台湾ではフリップチップ基板に集中し、普通のBGA基板は中国にシフトしている。Hann StarはノートPCの基板の世界シェア3割。MULTEXの主要顧客は携帯電話機のモトローラとソニーエリクソン。Foxconは煙台でFPCを生産している。
世界の米ドル生産規模を国籍別(地域別)でみると、日本が国籍別13,900(地域別10,450)百万ドル、台湾9,030(5,980)百万ドル、米国6,210(4,360)百万ドル、韓国4,650(4,533)百万ドル、ドイツ1,220(1,220)百万ドル・・です。台湾の国籍別と地域別の差の殆どは中国の生産を示します。中国で大量生産を行う成長著しい台湾企業のパワーが浮かび上がってきます。