青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

組織の営業能力に関し、藤本篤志氏が著書「御社の営業がダメな理由」*4で「7名以下のチームを編成し、報告書の代わりにマネージャーが毎日のヒアリングと同行営業を行う」ことでチームとしての営業力が強くなる、と提言しておられます。

藤本篤志氏の提言は的を得た内容が多く、特に中堅中小の30-40人規模の営業組織では極めて適合性が高いような気がします。この30-40人規模の営業組織であれば、ハウツーとしてそのままのコピーでも高い効果が期待できるかもしれません。
中堅中小企業で30-40人規模の営業組織は、軍隊では小隊(platoon)に相当します。この営業組織を業界別とか地域別のセグメント別に小割りした藤本氏が推薦する7人以下のチームは分隊(squad)に相当します。7人以下というのは歴史的にも生態学的にも適っているようです。
サル学の正高信男氏*1によると「チンパンジー数十頭の群れ5頭ぐらいのパーティーに分かれて行動する。各パーティーのメンバーは固定していない。ある期間、一定のメンバーで遊動すると、再編成がなされる。離合集散し遊動・採食をくり返して生活している」そうです。また人類の伝統社会における集団規模に関し英国の人類学者ロビンダンバーの調査結果で「30-50人生態学的集団は、生きるための一時的な必要性に迫られた集まりから小集団を編成して狩猟を行う、グループ内の社交は二の次」を紹介してくれています。
尚、上述のロビンダンバーは「150人前後中隊(company)の集団規模は生態学的集団とは区別される認知的集団で、何らかの儀礼的な重要性を持つ集団を包括しており、機能集団としてのまとまりが維持されるか否かの鍵は、集団内のメンバーが直接的な個人的なつながりを保てるかどうかにひとえにかかっている、その臨海値が150人」との研究発表もしてくれているそうで、企業組織を考えてみてもなるほどと頷かざるおえません。

*1:「考えないヒト」正高信男著 isbn:4121018052