生産財流通のメーカー商社に関し、商材の高級化が進む鉄鋼製品の業界では再編統合が進みましたが、同様にハイテク化が進む非鉄・電線系の業界でもメーカー商社の再編統合が進んでいるようです。
日立電線は直系販社を日立電線商事と日立電線販売の2社に集約しました。日立電線との重複業務を減らし、日立電線が重点製品を拡充していくために必要な機能を強化するための再編といえそうです。
1.日立電線商事の山村社長は、日刊産業新聞で以下のように述べておられます。
- 製品戦略とめざす会社像(7月21日付)
2006年3月期見込みは年商550億円で経常利益11億円。親会社である日立電線の重点製品を強化する。TABテープ、伸銅品の銅合金条と圧延銅箔、窒化ガリウム基板、イーサネットスイッチ、自動車用センサー製品などだ。・・中略・・他社製品や海外メーカーの製品の扱い量をもっと増やしたい。海外では需要家の購買の代行業務をして幅広い製品を取り扱っていきたい。
- 日立電線との役割分担(7月21日付)
当社(日立電線商事)はすでに軌道に乗っている仕事を引き受けて日立電線が新規開拓に専念できるようにしたい。基本的には日立電線は潜在需要を持つ新規の大口需要家の開拓に力を入れる。できるだけ本体との重複を減らし、需要家の声が日立電線グループの核心に直接届くような態勢を作っていきたい。それが結果的に需要家へのサービス向上にもつながる。
2. 日立電線販売は大阪のHMCと福岡の多々良電気工業が合併して7月1日に発足しましたが、松本社長は、日刊産業新聞で以下のように述べておられます。
- 合併の目的と業界の背景(7月3日付)
年商230億円、110人。西日本地区の中核メーカー販社としての位置づけをはっきりさせ、より強い経営基盤を構築する。新会社は日立電線の資本比率が81%となり、連結対象子会社という位置づけ。近年の電線業界は、メーカーを中心とした縦横のアライアンスが進んでいる。この背景があって、日立電線グループも集約統合を進めてきた。
- 合併による効果はスケールメリットによる経営合理化(7月3日付)
管理部門や事務システムを中心に、合理化・効率化の統合効果・スケールメリットも出てくる。
関西地区において3年前に、松本電業、関西ハイメタル、関西ハイエレックの販売3社を統合してHMCとなり、経営の合理化を進めた。今回は更にHMCと九州・中国地区を販売エリアとする多々良電気工業が合併することで、スケールメリットを発揮する。