青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

非鉄金属業界を構成するサブ業界に関し、非鉄5金属(銅・鉛・亜鉛・ニッケル・アルミ)の1次製品(地金)の流通では地金問屋が活躍した時代もありました。

15で前述の通り、ベースメタルとは生産量が多いアルミ亜鉛の5金属です。鉄を除きニッケルを加えた非鉄5金属は、非鉄製錬メーカーが原料から金属元素を抽出する製錬と精錬を経て製造する1次製品地金(金属塊) が流通しています。
日本の産業構造の変化と時代の趨勢で1次製品の地金業界は地盤沈下が進み、特に統計上はサービス産業に属する総合商社を含む地金問屋は著しく寂れたようです。日刊産業新聞2007年1月15日付は、日本地金問屋組合の佐藤理事長が9日の賀詞交換会製錬電線伸銅品商社流通などのメンバーを見渡しながらここ半世紀を振り返り「地金問屋業態を継承しているところが数えるほどしかなくなった。大手商社が地金取引を本体から切り出して、かって隆盛を誇った多くの地金問屋が市場から退場した・・」と述べられたそうです。
佐藤理事長が社長を勤める独立系の非鉄金属専門商社である佐藤金属も元々は地金商でしたが「2005年11月期の売上高580億円の内訳は、非鉄地金31.3%加工品・製品68.7%。付加価値額に相当する売上総利益は5724百万円」と日刊産業新聞2006年2月24日付で報道されていました。この半世紀で1次製品の地金よりも川下に位置する2次製品3次製品扱いを拡大することで時代の荒波を乗り越えてこられたようです。