青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

80-1/4 中国 経済特区の壮大な実験を経てGDP大国へ

中国は世界最大のテレビ生産国となりました。トウ小平が改革開放政策で立ち上げた経済特区の壮大な実験が大成功を収め、中国はアヘン戦争以前と同様のGDP大国に復帰しつつあります。

GDP30[電子基板で台湾企業による中国の高度成長]では中原捷雄氏の基調講演を紹介しました。筆者/青草新吾は、宿泊先のホテル(廣洲)の一室でアジアにおける日本と中国の係わりに想いをめぐらしているところです。
日本明治維新以降に急速な富国強兵を実現できたことはアジア主義独立運動を励ますことになったようです。中国からは孫文(日本名:中国では孫中山 Sun Zhong Shan)が来日し1905年東京中国革命同期会を設立しました。当時は少なからぬ日本の民間人が孫文を支援しています。中国の辛亥革命に貢献した日本人の存在については、韓国系の中国人で、今は福山大学呉大学で教鞭をとっておられる金文学氏の著書「中国人による中国人大批判」*1歴史的事実を整理してくださっています。例えば盟友で熊本出身の宮崎滔天、支援者で玄洋社頭山満・・・等々。また神戸市の舞子公園にある孫文記念館では孫文と神戸市の係わりを展示しているそうです。
戦後は、1978年トウ小平氏(Deng Xiao Ping)が来日し新日鉄松下電器などの工場見学を行い、帰国後は改革開放路線を法制化して華南の経済特区を立ち上げ、目覚しい成長を遂げました。しかしながら共産党保守派(=左派)の長老たちの反撃が高まり1989年天安門事件(欧米では天安門の大虐殺 Tien An Men Masacre)へと繋がり、反日教育が盛んに行われるようになりました。一方の日本バブル崩壊で民間企業が必死で事業再構築に取り組んでいる最中におきたアジア通貨危機をバネに韓国サムスンが飛躍し、また台湾など華人資本の中国への投資決行が続きました。日本企業もようやく成長戦略が再開されて今に至ります。
世界最大のテレビ生産国となった中国には6大ブランドがあります。世界の薄型テレビ半分中国で生産されていますが、薄型といっても今は液晶テレビのみです。業界紙報道によると中国政府が「液晶とプラズマでは、プラズマの方が目に優しい」と発表したということですから、欧米市場からみると極端に液晶テレビに偏りすぎた中国市場も、これからはプラズマテレビの需要と生産も増えていくことになるのかもしれません。

*1:「中国人による中国人大批判」金文学著 祥伝社 isbn:4396314191