青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

84-2/5 世界のステンレス生産と中国の伸び

世界のステンレス生産は、2001年の19百万トンから06年に28百万トンへと5年間で47%も増加し、年率に換算すると8%成長となります。

国際ステンレスフォーラム(ISSF)が発表した統計によると、世界のステンレ生産粗鋼ベースで、05年実績/24.28百万トン、06年実績/28.35百万トン、07年見通し/29.8百万トンです。内訳でアジアが05年/12.4百万トン(世界の51.4%) 06年/15.0百万トン(同64.8%) 07年/16.8百万トン(同56.5%)とウエイトを高めてきています。中・印を中心とするアジアの伸びが大きいことが判ります。
グローバルな需要拡大に対応した一般材供給寡占化に関し、ステンレス製品も鉄鋼製品と同様にミル世界的再編が進み、ボリュームの点では、技術でリードを続ける日本企業も資本の論理では随分と小粒になってしまいました。
国際ステンレスフォーラム(ISSF)の京都会議(ISSF-11)が今月2007年5月19日から21日まで開催されましたが、素材間競争に関し、ISSF小野俊彦前会長(日新製鋼会長)は日刊産業新聞2007年6月1日付で「今回の京都大会は環境のほかにクロム系ステンレスの需要拡大がテーマだった。ステンレスの中で鋼種が替わるのはいいが、例えばアルミに替わることは業界にとって問題だ。今後いかにステンレス需要を開発していくかだと思う。」と述べておられます。