青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

87-3/3 環境規制の強化。日本企業にとっては追い風

環境保全活動で先行投資してきた日本企業、とりわけエレクトロニクス業界や自動車業界の各社にとっては、環境規制の強化は追い風といえます。

ISO14001認証登録状況に関し、アイソ・ワールドの統計http://www.ecology.or.jp/isoworld/によると2007年1月現在で日本19,477件世界最大規模です。国連は日本の提案を受け入れて6月5日を「世界環境デー」と定めています。日本のエレクトロニクス業界各社化学物質規制で世界のトップランナー集団であり、日本の鉄鋼業界各社自動車業界各社温暖化ガス排出削減で世界のトップランナー集団です。ビジネスの現場感覚を濃淡で表現すると、一般社員レベルまでも含めた企業風土でみると日本企業の取り組みは米国企業やアジア企業と比べてもとても濃いものであるといえます。私企業の世界では日本企業の多くが真面目に熱心に取り組んでいると感じます。
例えば大気汚染防止では、米国で1970年12月に改訂されたマスキー法が、自動車から排出されるCO(一酸化炭素)・HC(炭化水素)・NOX(窒素酸化物)の規制で先鞭をつけました。これらの技術的難関を最初に突破したのは米国企業ではなくて日本の本田技研であり日本の自動車各社でした。
同様に、化学物質規制で先導したのは欧州議会RoHS指令ですが、電子機器の製造技術上は最も過酷な規制でもある鉛フリー化では、日本企業鉛フリー化は欧米に比べ格段に進み、世界を先導する状態になっています。鉛フリー化については、後日に取り上げます。
これらの事実は、多くの日本企業が一般社員レベルの団体戦で力を発揮するという深層の競争力の表れでもあります。本稿では、生産財企業E(環境)への対応を通して、裏の競争力産業集積による競争力を記述していくことで、営業すなわち事業の営みを観察していきます。