青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

88-3/3 欧州主導の排出権取引

欧州(EU)が主導する排出権取引は本来の目的であるCO2の削減には寄与しないことも多いのですが、少なからぬ日本企業が知恵を絞って実利を伴う排出権を獲得しています。

せっかくの京都議定書を歪める要素になり易いのが排出権取引のメカニズムです。省エネ先進国のニッポン企業が、計画未達のペナルティで中国などの企業にお金を払って排出権を買う・・というのはどう考えても理不尽です。自然の摂理に適っているとは思えません。頭でっかちの机上プランのような気がします。高い目標にチャレンジして80%の成果を出した人が、低い目標で100%の成果を出した人に目標未達のペナルティを払うというのがいかに不公正で不公平なことか・・、成果主義人事で随分と議論されたことです。
JFEスチールが100%子会社のフィリピン・シンター・コーポレーション(PSC)で進めている京都議定書CDM(クリーン開発メカニズム)事業に関し、国連が正式承認したそうです。
日刊産業新聞2007年5月17日付は「日本・フィリピン両国政府の承認を得て本年3月に国連に承認申請を行っていたもので7日付で正式承認された。PSCミンダナオ島で高炉原料となる焼結鉱を年産5.5百万トンでフル生産の状況にある。この焼結プロセスにおける排熱回収と、排熱の有効活用で削減可能となる二酸化炭素は年間約6万2千トンに上る。CDM(クリーン開発メカニズム)は、京都議定書において市場メカニズムを活用した補完的方法として導入されたもの。先進国の事業体が発展途上国の事業体へ資金や技術の提供を行い、その結果生じた二酸化炭素の削減量を、先進国事業体の削減量としてカウントできる仕組み。」と報道していました。
排出権取引で中国などの企業に金銭を支払って排出権を買うのではなくて、自社の海外事業で排出権を獲得するという点で秀逸なる事例といえます。