90-3/3 耐久生産財とはんだ接続の鉛フリー化
はんだ接続の鉛フリー化の派生需要で耐久生産財のビジネスも進化が続きます。
鉛フリー化が追い風となり、レーザーはんだ付け装置の需要が増えているそうです。Electronic Journal 2007年6月号で「ジャパンユニックスのレーザーはんだ付け装置への引き合いが急激に高まっている。電子部品実装のはんだ付けでは、一括接合を行うフロー/リフロー工法とは別に、はんだコテを使う方法がある。レーザーはんだ付けはコテによるはんだ付けを代替するもの。高密度実装の進展でコテでの対応が難しくなり、しかも鉛フリー化によってはんだコテ先のエロージョンが問題となっていること、さらには手作業を行う人材の確保も困難になっていることが、レーザーはんだ付け技術の普及を後押ししている。」とレポートしていました。
電子基板に電子部品をハンダ付けするための加熱装置であるリフロー炉の派生需要も生まれています。鉛フリーハンダでは、リフロー温度が240度まで高まると、電子基板に実装される部品類の耐熱温度250-260度との温度差圧縮で精密な温度管理が必要となったからです。電子材料2007年7月号で米Heller Industries社のリフロー炉に関し「基板上の最高温度と最低温度の差(?t)の余裕は10度以内が必須で?tをいかに最小化するかが、実装品質を大きく左右する。実際の製造現場では、基板は連続して投入され、間隔も一定でないことから熱風の乱れが生じ、温度のばらつきが生じる。同社のリフロー炉は温度が下がったときにすぐに設定値へと回復させることができる。新製品は加熱モジュールによってほぼ継ぎ目のない温度プロファイルを実現でき、製造条件によっては水冷チラーレスの運転も可能。」と紹介していました。
尚、上述のリフロー炉に関し、タムラ製作所と古河電工が事業統合を行しましたが、電子材料2006年11月号は「タムラFAシステムと古河電工が合弁企業のタムラ古河マシナリー(TFM)を06年10月に設立。新会社では世界シェア35%を取りたいとしている。新会社では古河電工のサラマンダーを中心に販売を行いながら両者の強みを活かした新製品を投入していく。古河電工は加熱能力に優れた多ゾーンの炉を持っており、EMSを中心に大量生産向け大型に注力し、タムラは7-8ゾーン製品で国内市場の重点開拓を進めてきた。タムラ製作所は国内25%で世界20%のシェアを持つトップメーカー。古川電工は国内13%で世界10%のシェアを持つ。」と、また日刊産業新聞2006年9月28日付は「ここ数年は年率10%以上の伸びを示してきたリフロー装置事業も05年度をピークに一段落したので、欧米系や中国系のメーカーの提携の動きに対応して合弁会社設立を決めた」と報道していました。