92-3/4 植物由来のバイオ素材で薄型テレビ
再生可能な植物由来の素材と実用化では、新製品開発が活発な薄型テレビが先導しています。
97で前述した松下電器の竹繊維スピーカー(バンブーコーンスピーカー)はプラズマテレビに採用されていますが、電波新聞2007年7月9日付はパナソニックエレクトロニックデバイス(PED)の近藤スピーカビジネスユニット長への取材で「薄型テレビ用スピーカーの世界シェアは20%弱だが、竹繊維スピーカーを拡販することで30%を目指していく。竹繊維スピーカーの次のターゲットは携帯電話用で国内シェア60%弱、グローバルシェア12-13%のシェアアップ、自動車用でも近く竹繊維スピーカーの導入を図る。」と、また同紙6月1日付は「ダイナミック型スピーカーの基本原理は変わっていないが温室を左右するコーンやダイヤフラムの振動系では、最近にわかに竹繊維が注目されている。竹は3-4年で生育する。持続的再生生産が可能な環境に優しい天然素材である。」また5月22日付は「パナソニックエレクトロニックデバイス(PED)は、竹繊維スピーカの生産能力を07年度末までに月産2百万本に倍増する。07年度は松下電器対内需要に対応。08年度から松下電器以外の外販を開始する。外販は薄型テレビ用からになる。」と報道していました。
薄型テレビ向けフィルムに関し、86で富士フィルムのフジタックは植物由来の天然セルロースで作られており農林水産省のバイオマスマークを取得したと前述しましたが、電波新聞2007年1月19日付で住友スリーエムの液晶用輝度上昇フィルムに関し「住友スリーエムのビキュイティフィルムが、平成18年度省エネ大賞で資源エネルギー長官賞を受賞した。これまでの受賞は最終製品が多く、汎用性のある(マテリアル系の)部材が受賞するのは珍しい。同フィルムは電力を消費することなく光を有効活用できる特徴を持つ。」と報道されていました。