青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

100-3/3 独連邦や中国の太陽光発電システムメーカー

太陽電池では上述の独Q-Cellや中国のサンテックなど、成長分野では、グローバルな資金調達と一気呵成の急峻な生産拡大で世界企業になる若い企業がよく出てきます。

太陽電池の供給では、シャープ以下の日本勢が上位を独占してきましたが、海外の新興企業の伸びに勢いがあり、例えば2001年に商業生産を開始した上述の独国Q-Cellsはわずか五年世界二位へ、同じく56で前述した中国サンテック社は2001年の起業ですが五年世界四位(06年)に食い込み「06年のセル生産量は250MWで世界シェア10%だ。08年には1GWまで生産能力を拡大する。09-10年には出荷量が1GWに達すると期待している。」とのことです。
台湾では、太陽電池メーカーによる多結晶シリコン材料工場の建設計画が相次いでいるようで、半導体産業新聞2007年91月12日付は「TSMCからスピンアウトした技術者を中核に2006年5月に設立されたビッグサン・エナジー・テクノロジー(太陽光電能源科技股份有限公司)は台湾で初めて多結晶シリコン材料工場の投資を計画している。ロシアからの技術導入で熱還元法を採用する。シーメンス法に比べてシリコンの純度は低くなるが、生産コストを下げることができる。他にモーテック(茂迪股份有限公司)はすでに米国に多結晶シリコン材料工場を建設している。李長栄化学工業昇陽科技が多結晶シリコン材料工場の投資を計画している。」と報道していました。また台南市イートングループ台湾初材料セルモジュールシステムまでの一貫メーカーになるそうです。半導体産業新聞2007年8月22日付は「イートンは、06年8月に太陽電池モジュール製造する生耀光電を裕隆グループ及びエイサー(碁電脳)と合弁で設立、07年6月には米シリコンウエハー製造のアデマテクノロジーの買収を決定、これによりイートンはシリコン材料をアデマテクノロジーで生産し、イートンソーラーテックで太陽電池セルを製造、更に子会社の生耀光電でモジュール化、新会社のグローリア・スパイアーBIPV(建築物一体型太陽電池)を製造するという垂直統合モデルを確立する。」と報道していました。
中国では、56[中国製造業で太陽電池]で前述の通り、産業としての勃興と急成長が特筆されます。中国企業の急成長が日本ではあまり知られていない理由について半導体産業新聞2007年8月15日付は「技術ルーツは(日本以外で)オーストラリア帰りの中国人。製造装置は(日本以外で)欧米製。材料は(日本以外で)欧米か中国製。販売先は(日本以外で)ドイツやスペイン。産業として日本とのつながりが殆どない。・・・・中国の太陽電池半導体や液晶とは別な道を歩みそうだ。」と記述しています。同紙2007年8月8日付は中国の太陽電池企業の資金調達に関し「サンテックが2005年12月にニューヨーク証券取引所への株式上場で455百万米ドルの資金調達を行って以降、約1年半の間に9社が海外で上場し20億ドル調達した。」と報道していました。資金調達の使途では上述の台湾イートンと同様の垂直統合モデルを推進するための投資が多いようで、半導体産業新聞2007年6月27日付はサンテックパワー(無錫尚徳太陽能電有限公司)など中国大手4社に関し「サンテックパワーは2005年末にニューヨーク株式市場に上場して4億ドルを調達。生産能力は07年に280MW、2010年には1000MWに引き上げる。06年に日本で大手モジュールメーカーのMSKを買収、中国の青海省で多結晶シリコンの材料工場に投資を計画するなど、材料からセル・モジュールと垂直統合モデルの構築に余念がない。河北省保定市のニユーエナジーリソース(保定天威英利新能源有限公司)はセルの年産能力が95MW、河北省寧晋県のJAソーラー(晶凛太陽能有限公司)は07年末に年産能力175MW、江蘇省常州市のトリナソーラー(常州天合光能有限公司)は07年末のセル生産能力が150MWを目標」と各社ともに垂直統合モデル積極拡大の途上であることを報道していました。