青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

103-2/3 太陽電池向け部材 オーナンバ他

太陽電池向け部材では、電線業界、化学業界、鉄鋼業界・・等々、旧来の産業分類で様々な業界からの参入が続きます。

業種分類で非鉄からは、東証大証に上場のオーナンバ太陽光発電配線ユニット(PVU)に関し日刊産業新聞2007年10月22日付は「19日、2008年度起点の新3ヶ年経営計画を発表した。太陽光配線ユニット(PVU)については、年商で07年度見込44億円から10年度100億円に伸長させる考え。連結売上高構成比率を07年度見込みの13.8%から10年度25%に高める。」と、また同紙2007年9月13日付では「オーナンバは、約8年前に太陽光発電配線ユニットの製造販売を始め、現在は世界シェア3割で、同社売上の1割を占めるまでに成長している。また今期からは提携している三井物産の販売ルートを活用し、外資太陽光発電メーカーへのPVUの拡販を図っていく。尚、ベトナムでは薄型テレビ(FPD)内部配線の製造ラインも、PVUと同時に立ち上げる。」と報道していました。また国内外の生産に関し鉄鋼新聞2007年9月13日付は「オーナンバは、爆発的な伸びが期待される太陽光発電配線ユニット(PVU)を現在、日本、中国、墨国(メキシコ)、チェコで月産0.4百万個の能力を持つが、越南(ベトナム)の稼動により3年後の2010年には現在の3倍増月産1.2百万個体制となる。新工場は電線製造からの一貫製造体制をとることによりコスト競争力をさらに強化する。」と報道していました。
業種分類で化学からは、三井化学の関係会社である三井化学ファブロで取り扱うソーラーエバがバックシートと強化ガラスのカバーガラスで挟むさいの封止材で用いるEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)シートで世界トップシェアとのことで、半導体産業新聞2007年1月10日付で「EVAの原料ペレットを製造するのは、三井化学とデュポンの合弁の三井・デュポンポリケミカルが国内2ヶ所、デュポンが海外で7ヶ所で製造、住友化学の千葉工場、また住友化学が70%出資するシンガポールTPC(The Polyolefin Company)も製造能力があるものの今はまだ製造していない。」と、また三井化学ファブロの宇佐美俊夫部長(当時)が半導体産業新聞2006年8月11日付で「太陽電池は、セルはもちろんのこと、ガラス封止材バックシートアルミ枠など、様々な部材でモジュールを構成している。三井化学ファブロでは、グループ企業の三井・デュポンポリケミカルからEVAシート/ソーラーエバの原料となるペレットを安定的に調達するなど、EVAシートを安定的に生産し供給する体制を構築している。世界的な太陽電池の生産増加に伴い、EVAシートの需要も急増している。茨城県ひたちなか市の勝田工場の生産能力は年間52百トンだが、名古屋工場内に年間4千トンの新たな生産拠点を整備した。合計の年間92百トン発電量換算1.3GW太陽電池に相当する。」と述べておられました。
業種分類で鉄鋼からは、シリコンインゴットで世界2位のJFEスチールが供給不足のポリシリコンに代替できるSOGシリコン(ソーラーグレードシリコン原料)の製造技術を確立し、倉敷の西日本製作所で年産100トンの実機プラントを07年1月に実創業稼動させ、更に年間4百トンへと能力増強を発表しています。日刊産業新聞2007年9月14日付は「半導体基板向けはイレブンナイン(99.999999999)だが、太陽電池向けSOGシリコンシックスナイン(99.9999)で十分。JFEスチールは2001年から、一方向凝固技多結晶ウエハー用インゴットを製造してきている。このプロセスは、不純物を除去する脱リン工程、脱ボロン工程、金属不純物除去工程で構成される。現在稼働中の1百トンプラントに加えて、約50億円を投じて年産3百トンプラントを着工、2008年3月までに順次稼働させる。」と報道していました。
また新日鉄の事業分社である新日鉄マテリアルズ太陽電池用多結晶シリコンの製造を2007年度下期から月40トンの規模でNSソーラーマテリアルズ(北九州市戸畑区)にて行う計画です。
尚、その他シリコンに関しては34[生産財の調製加工で太陽電池向け]と19[シリコンウエハーの生産財流通]で記載の通りです。