青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

108-1/3 組織論や営業プロセス論と深層心理や心的エネルギー

組織論や営業プロセス論に人間社会のドロドロした深層心理や心的エネルギーの課題を現実課題として加味することは、知識の有効性を高める上でとても価値があるアプローチだと思います。

守屋前防衛省次官が逮捕されたとの報道に接しました。部下には綱紀粛正を促し、自身は世間常識からは度を越した利益供与を受けていたそうです。正常な大人脱線して悪事に踏み込んでいく初期の段階では後ろめたさを伴う心理があるはずです。守屋氏は「俺がやってることは組織のためだ、日本国のためだ」などと様々な理屈をつけて自分に言い聞かせて合理化して脱線していくうちに麻痺していったものと推察します。ついつい脱線して悪事を働く普通の大人はそうなのですが、自己愛障害の病的性格者の場合には、妄想の中の自分が現実世界の自分を支配していますから、「俺は特別なのだ。俺にはルールは適用されないのだ」と後ろめたさ殆どないようです。116で前述の精神科医師/岡田尊司氏が指摘されるように、40代になっても人格障害を克服できていない、あるいは加齢とともに捻じ曲がってきた人の場合で、且つ自己愛妄想人格障害者の場合には「自分は例外である、特別扱いされて当然」と深層で思い込んでいます。守屋次官がどちらに該当していたのかは判りませんが、官界はともかく、民間営利企業の中で自己愛障害者中間管理職になれば問題が顕在化する機会が多くなるので、そのまま組織のトップにまで登り詰めることはまずはなかろう、と思われます。
人格障害とは、現実検討の機能(現実検討能力)が正常に働かない心的病気のことですから、業界内競争や今日の急激な環境変化の厳しい現実の中で、持続的に成果を出し続けることは困難です。たまたまの一時的な成果が出ても偶然が持続するようなことは滅多にありません。自己愛上司温床は、113で前述の一橋大学大学院/沼上幹教授が指摘する優等生組織、116で前述の精神科医師/岡田尊司氏が指摘する減点主義組織年功序列の色彩が濃い組織、これらが複合した3点セットの組織です。これらの優等生組織・減点主義組織・年功序列の3点セット組織の中で自己愛上司は、多くの場合は出会いがしらの立派さで中間管理職までは昇格しますが、中間管理職に登用されてからは、口先でもっともらしい立派なことをおしゃべりするだけで一向に成果がでない、そのうちに組織劣化も目立ち始めるなどで、事なかれ主義の組織からは子会社の役員などへと体よく放出されることが多かったようです。尤も2000年以降は、連結決算が急速に浸透し、子会社の業績の重要度が高まってきていますから、組織に付加価値と具体的なアウトプットを持続的にもたらさないばかりか、組織目標から脱線して組織を衰退させる自己愛上司を体よく子会社に放出することも次第に難しくなってはきているものと推察します。
人格障害一般については「図解雑学/性格心理学」*1の「人格障害とは、人格著しい偏りのため、(社会生活の上での)適応的な判断や行動ができず、感情が抑制できないで、その結果、自分自身や周囲の人を苦しめる人。(114で前述の)米国精神医学会のDSN-4は、A群(風変わり)3タイプB群(対人操作性・自己顕示性・衝動性)4タイプC群(不安が強い)3タイプ、の3カテゴリー10タイプに分類されている。」が判りやすいと思います。大企業ホワイトカラー組織のように、入試や入社の競争を潜り抜けてきた人が集まる組織では、上述B群自己愛性人格障害C群強迫性人格障害が集まりやすいような気がします。

*1:「図解雑学/性格心理学」清水弘司著 ISBN:4816337709