青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

112-2/3 LED照明で日亜化学と韓国サムスン

LED分野の事業戦略と生産財マーケティングに関し、韓国サムスンとの競合が強まる日亜化学が参考になります。

日亜化学の記述に入る前に、日亜化学でLEDを開発しながらも日亜と袂を分かった中村修二氏の近況報道について記述します。中村修二氏は、今は米国加州のUCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ)の材料物性工学部教授とのことで、Electronic Journal 2007年12月号で「(120で前述の)第1回固体照明会議(White LEDs-07)で発表したが、3.6Vの高電圧で発光効率150lm/Wを実現した。日亜は2.8Vで163lm/Wを出しているので、UCSBの方が少し上をいった。極性面でも日亜を抜いた。2000年に設立されたUCSBSSLDC産業パートナーとして基板を担当する三菱化学が開発したGaNバルク基板ブレイクスルーとなった。他に松下電器松下電工ロームスタンレー電気米Cree、韓国Seoul Semiconductorなどが参加している。・・・・・私は日亜を退職して渡米した。LEDの研究を続ける気はなかったが、日亜に訴えられたので頭に来てLEDで日亜打倒を誓った。告訴されたことが私の研究のモチベーションにつながっており、日亜に感謝しているぐらいだ。」と述べておられました。上述の中村修二氏の弁に接した上で、いささか旧聞ではありますが、以下の日亜化学の説明に接すると、人間模様も感じることができそうです。
以下、Electronic Journal 2006年8月号からの抜粋です。以下抜粋[徳島県は地域の産官学がLEDバレイ構想を推進し、白色で約60%、LED全体でも約25%の世界シェアを持つ世界一のLED生産地である。日亜化学副社長の田崎登氏は徳島ビジネスフォーラムで行った講演で、台湾・韓国との競合に関しては「日亜化学はLEDというディスクリートのみの展開にもかかわらず、2005年の国内半導体売上高で12位につけた。高輝度LED4200億円の世界市場でシェア35%でトップだが、台湾勢のシェアが21%に急拡大している。韓国Samsung Electronicsの子会社であるSamsung Electro-Mechanicsが、虎視眈々とLED市場を狙っており、我々にとって大きな戦いが始まろうとしている。」と、また生き延びる術は”Technology and Capacity”として「低価格品ほど量産規模が大きいので、量産規模が大きな低価格品競争力を発揮できない限り、韓国、台湾には負けてしまうと考えている。4C(Challenging/Creating/Current/Cut-Price)に分類した市場のピラミッド上方に位置するヘッドランプやLCD-TVのバックライト用といった高付加価値品だけに取り組んでも、コストが嵩み、決して儲かるわけではない。」]以上抜粋・・・と述べられていたそうです。