青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

114-3/3 省エネでLEDとOLED(有機EL) 

LCDバックライト向けで有機EL(OLED)や新種のLEDが生産を増やしていきます。

OLED(有機EL)照明に関し、東北デバイスの副社長&COOの赤星治氏は半導体産業新聞2007年11月7日付で「2006年4月に白色有機ELパネルの量産工場を竣工し、バックライト光源用月産200千枚でスタートした。携帯電話用バックライト光源から、収益性の高い新しい電気機器向け用途が出現している。引き合いレベルでは当社3工場に匹敵するレベルの需要量があり、次期新工場で対応していくことになる。色再現性三波長化では、青と橙の低分子材料を二層に積層した二波長タイプから緑の発光層を増やした三波長製品を出荷している。売上高は07年度が3億円、08年度が20億円を目指す。」と、また電子材料2007年7月号で「OLED(有機EL)は、バックライトなどの白色に特化することで事業継続性を判断した。現在の材料の主流である低分子蛍光材料を利用すると、有効なプロセスが蒸着に限定されてしまうし、蒸着ではフルカラー化を行うための3色(RGB)の微細な塗り分け限界があることから、単色に特化して市場展望を見出せた。一方、LEDバックライトとの比較では、現状ではOLEDは輝度寿命が問題点。まだまだアプリケーションが限定されるのも事実だが、OLEDを使うと光学系フィルムの削減で省スペース化ができるし、部品点数削減でコストダウンが可能となる。またワンセグなどの動画対応端末の出現で高演色性への要求が出てきており、多波長化(=多原色化)が必要だが、LEDで多波長バックライトを低コストで実現するにはハードルが高いが、OLEDバックライトであれば比較的に容易である。」と寄稿しておられました。
昭和電工は、従来型LEDでは紫外から赤外まで全ての波長領域で製品を取り揃えていますが、今後は2005年に製造開始した高輝度タイプを増やして2010年には高輝度タイプを8割に高める計画とのことでElectronic Journal 2007年8月号は「昭和電工は、携帯電話向けや大型TV向けバックライトで需要が伸びるとみている。InGaN系青色LED素子の生産能力を2008年6月までに月産2億個まで引き上げると発表した。サフイア基板を50mmから100mmへと大型化し生産性を向上させる。LEDとしてはハイグレードのクラス1000対応クリーンルームを使い、従来のMOCVD法と同社独自のPPD(Plasma assisted Physical Deposition)法を融合させたハイブリッドPPD技術と斜めに結晶をペーパー加工するRTE(Reverse Taper Etching)加工、現在主流のITO電極よりも光を取り出すウインドゥの幅が広いIZO電極、を採用して生産を行う。赤色AlGaNInP系についても高輝度タイプの開発を進めている。」と紹介されていました。上述の高輝度LEDの生産拡大は(117で前述した)ハードディスクの生産を手がける千葉事業所(市原市)で行うとのことで、ハードディスク事業のユーティリティを活用したPPD(Plasma assisted Pysical Deposition)技術で高品質のエピタキシャル成長が可能になることからシナジーが高まるものと期待しているとのことです。