青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

2008-2-8 117-1/2 組織論で外来知識の日本化 /7 Eleven、ミスミ、京セラなど

外来知識の日本化に関し、セブンイレブントヨタ生産方式かんばん方式の事例からは、トップダウンのリーダーシップと和魂洋才が感じ取れます。

セブンイレブンのコンビニ展開やトヨタ自動車かんばん方式における日本化(Japanization Process) の事例からは、外来知識からヒントを得る着眼力、外来知識を日本化する思考力、思考を実行しPDCAを回しながら事業や経営システムを育て上げて、フォローアップして、体制を整備していく、リーダーの能力が成功の必須条件であることを示唆しています。セブンイレブンをイトーヨーカ堂社内ベンチャーとして起業した現セブン&アイHLDGSのCEO/鈴木敏文氏は著書*1で「米国流ではここまで成長しなかったろう。米国と日本の事情がまったく違うことを考えねばならない。」とまた私の履歴書では「伊藤忠の仲介で米国サウスランド社とセブンイレブンジャパン設立の提携交渉がまとまり、米国の研修に参加した私はぼうぜんとした。これは日本では使えない。失敗した。仲間に言えず、悶々とした日々が始まる。マーケティングや物流についてのノウハウがあるはず。それを日本に持ってくればすぐに通用する、と思い込んだのは、私の勝手な想像にすぎなかった。使えるのは本部と加盟店の間で粗利益を分配する会計システムぐらいだった。・・・83年に日本初のPOSシステムの全店導入を完了する。米国ではPOSは主にレジの打ち方間違いや不正防止が目的で、マーケティングへの活用世界初だったと後に知った。・・・1990年に本家のサウスランド社から救済をもとめてきた。元凶はディスカウント製作による本業の弱体化にあった。既存の経営を否定し変化に対応できる仕組みをつくれば経営は成り立つ。本家本元の支援を決意した。三年目に黒字転換し2000年にはニューヨーク証券取引所に再上場を果たす。」と述べておられました。また大野耐一氏は著書*2で「じつはかんばん方式米国のスーパーマーケットからヒントを得たのである。昭和二十年代の後半から、トヨタ自工内で私が担当していた機械工場では、米国のスーパーマーケットの研究をし、実地に応用を始めていた・・この方式でおこる前工程の混乱を解決するために多くの試行錯誤の末に平準化生産にたどりつく・・・」と回顧しておられます。教科書の知識はヒントに過ぎません。現実は教科書の知識よりもはるかに複雑です。実行のPDCAを推進するためには、武道でいう感官統御の能力に近いものが必要です。経営や組織営業で求められている能力とは、職人芸スポーツと同様に体得(意欲)で進む陶冶(相互作用)を通して会得するものです。
日本化(Japanization Process)とは「外来知識の有用な部分をいいとこどりして日本文化日本的思考メカニズムへの適合度を高めて様々な応用のプロセスを形成していくこと」であり、和魂漢才和魂洋才という言葉に象徴されるものであると筆者/青草新吾は考えています。125で前述した小笠原泰氏の顰(ひそみ)に倣って、西欧の思考原理ともいえるデカルト三原則[全体性の把握分析(分類三原則)・再統合]に照らせば、実に日本的な特徴が際立ちます。外来知識の日本化では、第一原則については、多くの場合はすっ飛ばされて、選択的に有用そうな部分のみ把握されます。第二原則の分析では、部分の分析を繰り返しながら日本的思考メカニズムへの適合性を高めていきます。第三原則の再統合では、切り取った知識固有の知識融合されて利用されていくというイメージでしょうか。日本文明は、外来知識を日本化する能力で創造性を発揮してきました。100[スパイラル進化]で漢字伝来*3からの引用を交えて記述しました。固有の知識に外来の知識が選択的に融合されて日本化でスパイラルアップします。筆者/青草新吾は、京セラの小集団によるアメーバ経営ミスミ事業チームなど、あるいはカンパニー制を廃止した会社の多くが採用する事業本部制の多くは外来知識が日本化することで有効性を高めた経営システムだろうと考えてます。次頁では、このあたりを記述してみます。