青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2008-3-8 119-2/2 携帯電話の世界需要

携帯電話端末がマルチメディア端末へと進化することで電子部品の高付加価値化が更に進んでいきます。

携帯電話世界需要07年11.4億台にまで達したそうです。寡占化が進み、大手5社合計83%、大手5社のシェアと生産台数は、ノキア38%(4.37億台)、サムスン14%(1.61億台)、モトローラ14%(1.59億台)、ソニーエリクソン9%(1.04億台)、LG7%(0.81億台)、と発表されています。ちなみに需要拡大の推移は、03年5.31億台(内訳で28%の1.47億台が新興国向け)、04年6.77億台(同29%で1.97億台)、05年8.33億台(同33%で2.72億台)、06年9.99億台(同40%で3.98億台)と5年で倍増のペースですが、今は新興国向けの割合が高まっています。
携帯電話の世界需要を金額でみるとJEITA(電子情報技術産業協会)の2007年度見込みでは世界総生産額が15.9兆円です。実績は、2005年度統計によると、世界の携帯電話生産額は11.5兆円で、世界の電子工業(電子機器)140兆円の8.2%に相当します。電子部品・デバイス50.3兆円の規模の22.9%です。携帯電話の端末には、アンテナスピーカーマイクディスプレイバッテリー操作スイッチなどに加えて、筐体内部には制御する電子基板と回路が搭載されています。米粒やゴマ粒のような電子部品まで含めると。1台当り5-7百個も搭載されているそうですが、日系企業6-7割を供給しています。
1979年自動車電話1985年頃の肩から提げるショルダーフォーンから始まった携帯電話ですが、1990年頃に需要増加に加速度がつき始めました。筆者/青草新吾は、1990年前後に携帯電話向け部材供給ビジネスに係りましたが、携帯電話端末の当時の世界シェアは、1位がモトローラ、2位が日本電気、3位から6位の団子状態で、エリクソンノキア松下通信三菱電機でした。シカゴ郊外のモトローラ社に出張した際には、幹部が「マイクロタックは2百グラムよりも軽いが、とてもタフ(頑丈)」と誇らしげに語っておられたのがとても印象的でした。日本の電々公社の関係者からは「将来(の第2世代で)は通信がデジタル化されるが、今はまだデジタル機はとてつも大きなモノしかできない。」と聞きました。その第2世代デジタル化された携帯電話端末も90年代半ばには市場投入が相次ぎ、105で前述したニッケル水素電池の搭載と相俟った小型高性能化で需要が拡大し、更にリチウムイオン電池を搭載した第3世代ではテレビ電話やパソコンとのデータ送信ができるようになってきました。今現在では、カメラの高精細画化(メガピクセル化)、ワンセグ搭載、電子決済機など、高性能マルチメディア端末として進化中です。今や携帯電話は、マルチメディア端末として進化しています。部品点数が増え続けることから、内部に搭載される部品はモジュール化(複合化)が進みます。日本企業が得意とする摺り合せの統合型技術が精密部品のモジュール化を支えています。