青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

123-1/2 取り巻く環境で中国。チベット人権問題と報道品質。

最近のチベット人権問題に関わる報道を通してメディア各社の報道品質の傾向把握ができました。

  中国は日本からの生産財輸出最大仕向国(輸入相手は日系や台湾系も多い)ですから、洞察のための情報収集がかかせません。そのためには政治や軍事なども含めた多角的な情報と考察が必要です。洞察のための情報収集では122[本稿抄録]で前述したメディアリテラシーが求められます。特に日本のマスコミ各社の多くがジャーナリスト精神(chronicler主義)を放棄しているように見受けられます。
  中国共産党政府プロパガンダ情報やヨイショ記事をみかけることは多いのですが、中国政府が隠蔽したがることには殆ど触れないという傾向があります。ビジネスマンの多くは、普段はじっくりと検証する時間はないものですが、筆者/青草新吾は、たまたま5月連休聖火リレーチベット報道が重なったことで、海外報道を含めたメディア各社の報道内容比較検討する機会を得ました。
  結論から言えば、中国共産党プロパガンダ(宣伝工作情報)に近い報道が目立ったのが、NHKTBS(筑紫哲也?)そして朝日新聞などでした。中国共産党からの宣伝工作情報を確認する場合には、NHKとTBSそして朝日新聞にアクセスするのが効率的との結論に至りました。但し、朝日新聞の場合には、チベット報道の前半と後半で報道姿勢が逆転しているような気がしました。自由主義諸国の世論の趨勢をみての後出しジャンケンかもしれませんが、センセーショナル記事で部数を稼ごうという商業主義新聞としては面目躍如といえます。
  知人のジャーナリストの話しでは民主主義諸国では唯一、朝日新聞など日本のマスコミ各社だけが中国政府と、中国政府に不都合なことは報道しないという日中記者交換協定というのがあるとのことで、思想や言論の自由を認めない共産主義国家を相手にかような協定を締結しているようでは、日本のメディアの報道もあまりあてにはなりません。
  中国共産党に関しては、差し障りのない報道に徹してきたのはこのためかもしれません。あるいは、日本の大手新聞各社の幹部と中国共産党の関係が、2007.11.4付記事 (104 )で前述しました組織論でいうところの厄介者とキツネの権力のモデルなのかもしれません。厄介者とキツネの権力については、2007.11.4付記事( 104 ) [組織論]で一橋大学大学院教授/沼上幹氏の「組織戦略の考え方*1の記述内容を紹介しました。厄介者とは、何かというと大騒ぎをして社内外に誹謗中傷をふりまいて歩くとか、大人気ない行動を人前で恥かしげもなく平気でとるなどで、組織の中で正当でない権力を発揮する困った人々のことです。
  日本の大手新聞各社の本音は、対外的には、厄介者相手だとついつい腰が引けてしまいがちなのかもしれません。厄介者に迎合して事なきを得ようと事なかれ主義でサラリーマン化しているのかもしれません。その同じ大手新聞各社が、対内的にはとても内弁慶で、重箱の隅をつつくような小悪の些細なことで揚げ足を取るような報道ばかりがやたらと目に付きます。日中関係では、中国の共産党政権が厄介者の権力を日本の政治家や新聞各社に対して発揮している構図なのかもしれません。
  さらにISO9001でいえば、取材源でしかない中国共産党政府を顧客と置き換えると、顧客関連のプロセス(7.2)の第1項(7.2.1)で示している暗示の要求事項への対応、つまり顧客(中国政府)が明示してはいるわけではないが、明らかに期待している顧客の陰の声*2に対応して過剰なまでの自己規制をしているのかもしれません。その意味では、中国の共産党政府は日本に対しては実に巧みに報道操作できているし、今回のチベット報道でも、オリンピック取材権をめぐっての暗黙の取引(腹芸)が行われているようにも見えます。
  上述通り、海外報道を含めて各社の報道の比較に加えて、今回はインターネット記事にも目を通してみました。時空を超えたインターネットの影響力を実感しました。聖火リレーチベット問題で、日本の国内報道と比較しやすい記事を以下に抜き出してみました。品格を欠いた書き込みなども散見されますものの、現場から直接に目と耳に入ってくる情報はとてもリアルなものだと再確認しました。
  a.チベット巡礼者一行を無差別射殺する中国共産党軍兵士。 ( http://www.youtube.com/watch?v=o1-y6-Rxyvc )
  b.米国デューク大学で平和共存を仲裁した女子学生に対する中国同胞からの脅迫と誹謗中傷 ( http://mascominews.blog56.fc2.com/blog-entry-3685.html )
  d.チベットの現在( http://www.tibethouse.jp/situation/index.html ) 
c.日本では報道されなかったが海外では報道されたチベットの映像と写真:( http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080416_wikileaks_tibet_uprising/ )
  e.聖火リレーinソウル:チベット人をホテルの中まで追いかけて集団暴行する中国人群集(http://www.nicovideo.jp/watch/sm3121288

  中国共産党内部では人民解放軍(共産党)がとても力を持っています。穏健派の胡錦濤(Hu Jintao)主席が、これら共産党軍事委員会や中華思想丸出しみたいな江沢民(Jiang Zemin)の上海閥をどこまで押さえていけるか・・。中国の話は、中国や台湾出身の方々からの話がとても参考になります。次頁では黄文雄氏の著書*3について記述します。

*1:組織戦略の考え方沼上幹著 ISBN:4480059962 ちくま新書

*2:「ISOを活かす」岩波好夫著 ISBN:4817180188

*3:「日本人が知らない中国魔性国家の正体」黄文雄著 ISBN:9784880862262