青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

133. 電子部品の内訳で回路部品

携帯電話と車載情報通信機器などモバイル分野と家庭用ゲーム機などアミューズメント分野の電子部品では電子基板の高付加価値化と個別部品の小型化とモジュール化が進展しています。

統計上で一般電子部品は、受動部品、接続部品、電子回路基板、変換部品、その他電子部品の6品目に分類されています。パチンコ・パチスロ家庭用ゲーム機アミューズメント分野の電子部品に関し電波新聞2008年9月24日付は「日系の電子部品メーカーにとってアミューズメント機器国内事業の拡大が図れる有望分野。」としまずは回路部品を構成する受動部品のLCR(インダクタ・コンデンサ・抵抗器)でいえば、まずLの「インダクタ(コイル)はハイパワー化対応が活発。電源には高性能なパワーインダクタが必要で、CPUを駆動するDC-DCコンバータに用いられるチョークコイルには小型、大電流対応が求められるようになってきている。精密巻線では、丸線に加えて大きな電流に対応するために平板線を巻線したチョークコイルも出現している。」と、次にCの「コンデンサは、積層セラミック、アルミ電解、タンタル、フィルムなどが回路ごとに使用されている。フィルムコンデンサは電源用途での採用が一般的。」と、最後にRの「抵抗器では、電流検出用途、特に金属板タイプの開発が活発化している。電源用途には長辺電極タイプの高電力チップ抵抗器が登場した。」と報道されていました。同じく回路部品のLCRに関し、電波新聞2008年7月1日(電子部品特集)及び3日(高周波部品)からの抜粋で、以下抜粋「インダクタ/コイル(L)は、パソコンのCPU駆動電源のDC-DCコンバータで用いられるチョークコイルは大電流対応が求められるようになった。コア材はフェライトに加えてメタルコンポジット材の採用が増えている。使用温度パソコン摂氏130度程度だが、車載だと摂氏150度まで。携帯機器の電源向けでも高性能なパワーインダクタの需要が増えている。多機能化で複数のDC-DCコンバータが搭載されるようになったため。携帯機器では厚み2ミリ以下定格電流1A以下、Q値が高い(損失が低い)巻線インダクタとともに、最近は積層タイプの採用が本格化してきた。高周波部品向けの極小チップ化ということでは、積層タイプで0603(0.6x0.3)サイズのハイQ品や0402(0.4x0.2)サイズの超小型品が開発されている。TDK0402サイズのインダクタを開発している。Q値は3以上を確保して安定したインダクタンスを実現。コイルのパターニングは横巻きを採用。村田製作所は、ワンセグチューナーアンテナ入力部向けに巻線タイプ(2.0x1.2)と薄膜タイプ(1.6x0.8)のマイクロトランス(バラントランス)を開発している。・・・Cのコンデンサは、小型・大容量を特徴とするアルミ電解コンデンサは、インバータ平滑回路向け市場が拡大している。フィルムコンデンサは電源向けでの採用が一般的で、液晶パネルのインバータでは中圧コンデンサとしてチップタイプが利用されている。電気二重層キャパシタは、環境・省エネをキーワードに一大市場を形成する可能性を秘めている。高周波部品向けの極小チップ化ということでは、積層セラミックコンデンサは、誘電体材料超微粉化技術誘電体層極薄化技術で1000層にも及ぶ多層化を可能とし大容量を可能にした。タンタルコンデンサも、高CVタンタル粉末の導入とパッケージ端子構造の改善により、タンタル粉末収容率をアップし、小型・薄型・大容量化を可能にしている。また体積効率の向上を図ったフレームレスタンタル電解コンデンサが開発されている。・・・Rの抵抗器は、省スペースのためのアレイ化が進み、厚膜薄膜金属箔などのタイプが揃っている。電流検出用途では、低抵抗チップにおける小型、ハイパワー対応、低抵抗化の動きが活発で、特に金属板タイプの新製品開発が表面化してきている。1W、2W定格クラスで数ミリQという超抵抗値が得られる。ヒューズ抵抗器の開発も活発で、電源回路向けでは電池パック保護回路に採用されている。電源向けで登場した長辺電極の高電力チップ抵抗器では、長辺電極の採用で半田接合の信頼性が大きく向上した。耐サージ対策ではメタルグレーズ系の厚膜材料を用いた耐サージチップ抵抗器が供給されている。高周波部品向けの極小チップ化ということでは、半導体製造で使用するダイシング技術やレーザートリミング技術の導入で極小チップ化が可能となった。」以上抜粋、と報道していました。
小型化、薄型化に加えてモジュール化(複合部品化)も進展しています。電波新聞2008年8月26日付は「携帯端末用では、06年4月からサービス開始されたワンセグ(移動体通信地上デジタル放送)に対応したワンセグ通信モジュールで、小型・薄型化を追求した第2世代の超小型モジュール開発が活発化。外形10ミリ角未満で、より低背化を図った製品の本格投入が始まりつつある。同じく携帯端末用では、超小型GPSモジュールやカメラの手振れ補正モジュール光トランシーバモジュールなどの開発も進んでいる。ブルートゥースモジュールでは、携帯電話用でオンボードが進む動きがみられ、車載用ではアプリケーションソフトを搭載した供給が求められている。車載用でETCモジュールで超小型化が進展し、今後は家庭やオフイスの配線用で電力線通信モジュールの開発も加速する。・・個別部品の小型化に加えてセラミック基板LTCC(低温焼結セラミック)や樹脂基板ビルドアップ工法による基板面積の小型化高機能化による小型化が加速している。」と報道していました。
統計上はその他電子部品の電源部品も進化が続きます。パソコンやゲーム機の高性能化の派生需要でCPUが高性能化し、更にCPUの高性能化が従来と異なる特性の電子部品の需要を生み出しています。ニチコン電波新聞2007年1月9日付で「CPU周辺回路には従来と異なる特性が求められている。頻繁に電力消費量が変動するため、電源からの電圧供給を補完して動作の安定性を図ることが重要になっている。そのためCPU近傍の回路に使用されるコンデンサには、より素早い対応が求められ、高周波特性に優れ、小型で大容量、且つ低ESRである特性が必要。この要求への対応で開発されたのが電解液の代わりに導電性高分子を使用した導電性高分子アルミ固体電解コンデンサである。」と寄稿しておられます。また同じく同日付の電波新聞太陽誘電の中山健氏(マーケティング本部の商品開発推進部)がコンデンサンサとDC-DCコンバータの関係について「機器で使われているスイッチング方式DC-DCコンバータ20A越えのCPU電源から100ミリA以下の携帯機器の電源まで幅広いレンジで存在する。小型化を図るための解決方法の一つは、DC-DCコンバータのスイッチング周波数上げることである。そうすることでインダクタンスを下げインダクタの形状を小型化することができ、コンデンサ容量も少なくて済み、負荷急変による過渡応答特性が良くなる。」と説明しておられました。