青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

134-2/2. 電子部品の内訳で回路部品のL(インダクタ)

一般的にはコイルともいわれるインダクタは、コイルの性質を利用した電子部品で、性能はインダクタンスで示されます。

筆者/青草新吾は、生産財営業の上ではインダクタンス(L)とは[交流電流を流しにくく作用する性質]とか [磁力線を出す能力値(TDK)]という理解が、実際的と考えています。国内では高性能インダクタの生産が増え続けています。電源回路向けではパソコン(チョークコイル)と携帯機器(パワーインダクタ)の需要増加が著しく、無線通信向けでは携帯電話や無線LANなど向けに高周波チップインダクタの生産量も増加が続いており、ノイズ対策向けではコモンモードチョークコイルの生産が伸びています。国内生産の主力は最新技術を用いたインダクタですが、自動設備の投資規模が大型化していく傾向にあります。電波新聞2008年8月1日付は「汎用コイル海外生産が中心だが、国内では高性能小型最先端インダクタの生産が輸出増もあって拡大が続き、さらに規模を拡大していく。08年の国内生産量3百億個以上に達するとの見方が強まっている。パソコンではCPUを駆動するDC-DCコンバータに用いられるチョークコイル小型大電流化で、フェライトコアベースでは対応が難しく、金属磁性材料であるメタルコンポジット材を使用したチョークコイルの採用が活発化している。さらに精密巻線では平板線を巻線したチョークコイルも出現している。これら技術をベースに自動車のECU向けに環境信頼性を高めた製品の供給が始まっている。パソコン向けは130度C程度までだが自動車仕様150度C対応耐振動性にも優れている。携帯機器用では、端末の多機能化でDC-DCコンバータの複数搭載が進み、パワーインダクタの採用点数も増えていく。パワーインダクタは、巻線インダクタの場合は、DC-DCコンバータスイッチング周波数3百KHzで、4ミリ角6ミリ角サイズが使用される。スイッチング周波数を1.5MHz程度高周波化すると3ミリ角サイズへと小型化でき、この場合には積層パワーインダクタの採用が進展している。積層インダクタは、DC-DCコンバータのスイッチング周波数が1MHz以上の高周波で駆動し、定格電流が1A以下での使用に適する。巻線インダクタに比べ、直流重畳特性が劣る点が改善課題となっている。無線通信向けの高周波インダクタでは、パソコン搭載型を中心に台湾系企業の生産量も大きく伸びている。最も生産規模が大きい積層タイプは、既に0603サイズの採用が本格化。高精度を特徴とする薄膜タイプも0603まで商品化されている。巻線タイプはQ値が高いことを特徴としており、1005サイズまで量産されている。ノイズ対策向けは、積層インダクタは汎用的に使用され、0603サイズなど超小型化、複数ラインのノイズ対策を可能にするアレイ化など、高密度実装化の進展が、市場すそ野の拡大に作用している。最近は薄膜コモンモードチョークが注目されている。複合化の例として、コモンモードフィルターにコイルを内臓した部品は、省スペースに寄与し、伝送特性の低下を防止することができる。」と報道していました。