青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

135-1/2.米国人による東京裁判批判

知日英国人のビル・エモット氏が推奨する東京裁判史観の見直しに関し、江崎道朗氏は「東京裁判史観の見直しは、日米同盟強化を願う米国の保守主義者からの支持を獲得できる。我国リーダーは堂々と保守主義の旗を掲げていくべき」と提言しておられます。

日本国民が国税投入を含めて多大なコストを払い続けてきている歴史問題を過去のものとし、次世代に歴史問題を繰り越さないためには、ビルエモット氏が推奨する「[パール判事の意見書](パル判決書)を銘記すること」 が最も有効と思われます。中国共産党反日日本人が歴史問題の拠りどころとする東京裁判史観を143で前述した「事実と論証、学術的判断に基づく知的判断の問題」に引き戻していくことで、国の借金ともども、次世代にまで重荷を繰り越さないようにしたいものです。東京裁判史観を見直していく上では、米国からの支持取り付けが最も有効で、江崎道朗氏の御蔭で米国政治で大きな影響力を持つ米国保守主義運動ならば理解を得やすかろうということまで判ってきました。
上述した米国の保守主義運動とは、家庭地域共同体の機能を強化することで小さな政府を実現し、自由と民主主義を守っていく運動です。日本学校教育メディア報道はリベラル左派に偏った米国ばかりを伝えてきました。日本ではあまり伝えてこられなかったレーガン大統領に代表される米国の保守主義運動が最大の敵とするのがルーズベルト大統領とニューディーラーです。ニューディーラーとは、大きな政府を目指すリベラル左派官僚学者左派マスコミで、1933年から1945年までのルーズベルト民主党長期政権に乗じて権力拡大を進めました。ニューディール連合が支配したルーズベルト政権には多数のコミンテルン(世界共産党運動)のスパイが跋扈していたようです。元ソ連のスパイH・チェンバースが「ルーズヴェルト大統領の側近としてヤルタ会談に参加した国務省高官のアルジャー・ヒスはソ連のスパイだった。」と告発したことを契機として少なからぬ米国人が、ワシントンを牛耳るリベラル派官僚たちが実はソ連共産主義のシンパであることを知るようになったそうです。ソ連崩壊後ロシア公開史料で当時のソ連共産党の様々な対米工作が明らかになってきているそうです。そもそも戦前の米国が反日一辺倒ではなかったという事実から紐解いていかねばなりません。1929年から1933年に米国の第31代大統領に就任したHフーバー共和党政権は「日本はアジアにおける防共の砦」と位置づけ、ソ連国家承認を阻み続け当時の共和党議員の9割が対日開戦に反対していたそうです。しかし1932年政権交代で登場した民主党ルーズベルト政権で米国の対日政策反転しました。ルーズベルト政権はソ連国家承認し、ソ連と組んで日本を追い込む政策を選びました。日本を窮鼠に追い込んだABCD包囲網石油禁輸、日本に開戦させようと策略を巡らせたハルノートと称する無理難題の戦争最後通牒原爆投下東京裁判などはすべてルーズベルト民主党政権下で行われました。ルーズベルトは日本に18発原爆投下を承認していたそうです。共和党系で後に大統領となるアイゼンハワーや米軍の将軍の多くが原爆投下に反対したそうです。原爆投下は先ずソ連に知らされ、反対意見が強かった米国では投下の2日前になって突然に公表されたそうです。アイゼンハワーは大統領就任後の1955年1月に「ルーズベルト対日謀略を重ねて日米開戦へと誘導したこと、日本へ不必要な原爆投下を行ったこと、ヤルタ協定で東欧をソ連に売り飛ばしたこと」などを非難したそうです。最近では2005年5月ブッシュ大統領ラトビアで「ヤルタ協定こそは史上最大の過ちの一つだった」としてFルーズベルト大統領の悲劇的な誤りの一つを指摘し、米国としての謝罪の意を表明したと報じられています。
日本会議専任研究員の江崎道朗氏は正論2008年11月号への寄稿で、米国の保守主義者たちの日本観に関し「戦前において米国の保守主義者たちは強い日本がないと、米国による極東への介入が起こり、戦争に巻き込まれると考えていた。戦争は必然的に政府権力を強大化させ、国民の自由を抑制する全体主義に発展するから保守主義者は戦争に巻き込まれることを嫌った。日米戦争は、ソ連膨張主義の防波堤の役割を果たしてきた日本の軍事力を壊滅することで、アジア太平洋地域におけるソ連膨張主義を助長し、アジアの共産化をもたらした。」と、また東京裁判史観については、東京裁判に対して真っ先に異議を唱えたのは歴史学の泰斗(たいと)チャールズ・ビアード博士などの米国の有識者たちであったのだから、東京裁判を批判することは反米的でもなければ日米同盟にダメージを与えることもないとし「・・・戦前・戦中のルーズベルト外交を正当化する歴史観東京裁判史観と呼ぶのであれば、米国の保守主義者たちは喜んで東京裁判史観を批判する列に加わるに違いない。・・・・・1946年にはタフト上院議員オハイオ州ケニヨン法科大学の講演で、日米戦争極東軍事裁判について”勝者による敗者の裁判は、どれほど司法的な体裁を整えてみても、不公正なものでしかない。ドイツ戦犯12名の処刑は米国の歴史の汚点となるであろう。”と断言し、”同じ過ちが日本において繰り返されないことを切に祈る。なぜならば日本に対してはドイツと異なり、復讐という名目が立ちにくいから”と正面から東京裁判を批判した。・・・・我々が知らされてきたアメリカの戦後史リベラル左派の戦後史に過ぎない。アメリカにはもうひとつの戦後史、つまり(レーガン大統領に代表される)保守主義者たちの戦後史があったのだ。アメリカの保守主義者たちは日本の保守主義者たちと同じ時期にニューディーラーたちの社会解体政策とそれぞれの国において戦っていた同志だったのだ。どうしてこのような事実が語られてこなかったのか、不思議でならない。」と、東京裁判史観を含むルーズベルト史観に反対する米国の保守主義運動が日本で紹介されてこなかったことに首を傾げておられます。そして東京裁判史観の見直しの目的について「東京裁判史観(戦後レジーム)の見直しは、日米同盟にプラスである。・・・・・”戦後レジームからの脱却”とは、”米国のニューディーラーたちによって押し付けられた社会主義的な戦後体制を改革し、パークの哲学を踏まえて”祖先から継承した遺法”に基づいて自由民主主義を実現しようということだ”と説明すれば、米国の保守主義者たちは大いに理解してくれるに違いない。」と提言しておられます。戦後レジームからの脱却を掲げて登場した安倍政権の挫折について「安倍政権の挫折は、対米関係の齟齬も要因だった。朝日新聞反安倍キャンペーンに対しては”日米同盟靖国神社参拝矛盾しないこと”、並びに内外に向けて”戦後レジームからの脱却日米同盟強化にプラスであること”を説得力をもって説明できなかった。しかも海外では外務省無為無策と相俟って、中国共産党反日日本人が行う反日プロパガンダの一つである従軍慰安婦問題が、米国下院の”対日非難決議”に至り、安倍政権もダメージを受けてしまった。」と振り返っておられます。ビル・エモット氏*1は「全体をひっくるめた抽象的な問題では東京裁判パール判事が意見書で述べた反対意見を銘記することだ。特定の出来事や苦情の責任、謝罪、悔恨は切り離すことだ。」と提言していましたが、特定の出来事に関し江崎道朗氏は「残念なことだが、南京事件慰安婦など個別の問題については、日本政府と外務省の無為無策のため、中国共産党反日宣伝行渡っており、人権問題と見なされている。マスコミやアカデミズムが左翼リベラル派に牛耳られている米国の現状からは、日本の立場は支持されまい。」と歴史全体の問題個別の問題とは切り離した議論をすべし、とアドバイスしておられます。第二次世界大戦後、保守主義者たちがいかにして政治の主導権をルーズベルト政権時代にワシントンを支配した左翼リベラル・グループから奪い返していったのかについては「現代アメリ保守主義運動小史」*2で説明されているとのことです。内容を要約したブログhttp://blog.canpan.info/kamada/archive/599 もあります。
江崎道朗氏の御蔭で、日本で報道されることが稀な米国の保守主義は、東京裁判史観を含むルーズベルト史観に反対する立場であり、東京裁判史観の見直し日米同盟にプラスであることが判りました。敗戦後の日本を支配したGHQとはニューディーラーたちの巣窟だったようです。GHQ言論統制自虐史観(=東京裁判史観)の洗脳工作を行いました。GHQは占領期間の7年間でWGIP[戦争贖罪意識宣伝計画(War Guilt Information Program)]を基軸とした情報統制で東京裁判と原爆投下に対する批判を禁じ、反日組織が跋扈する素地を作りました。GHQWGIPに乗じて、日教組官公労、大学の学者朝日新聞などのマスコミ業界が自虐史観を流布しました。例えば朝日新聞の社内では、GHQの進駐とともに地下に隠れていた共産党ゾルゲ事件の関係者が一斉に表に出てきて公然活動を開始したそうです。
次頁では、143で前述した日本の人文学系アカデミズムの問題を記述します。長浜浩明氏は著書*3で「理系では、仮説検証を経て事実となる。仮説がそのまま事実になることはない。思想信条によって物理法則が変えられたり、数学の正誤が逆になることはない。しかるに文系社会では、嘘を事実として繰り返し宣伝し、嘘の事実を捏造する者もいる。・・・例えば2006年に小泉首相靖国神社訪問に反対していた日経新聞は、富田メモを特ダネ報道しておきながら紙やインク、糊、筆跡などによる科学的検証の一切を拒否し、“これは本物だ、黙れ!”とばかりに手帳の公開さえも行わなかった。日経新聞とは富田メモに対する科学的検証を一切行わせないまま“報道は正しい”と吠え続けた怪しい業者だった。」と実例を指摘しています。ニセ証言(ファクタ・ディクタ=語られた事実=検証できない事実)などで自虐史観を広めようとする世間常識を欠いた東大卒や早大卒の歴史学者、これらの学者を紙面で悪用することで意図的な偏向報道を行ってきた朝日新聞毎日新聞NHKなどの偏向メディア・・について記述します。

*1:「アジア三国志」ビルエモット著 ISBN:9784532353131

*2:「現代アメリ保守主義運動小史」渡邉稔訳 ISBN:9784944219735

*3:「文系ウソ社会の研究」長浜浩明著 ISBN:9784886563224