青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

138-2/2. 電子部品で接続部品

一般電子部品の主要品目の接続部品が需要拡大していくことで、特殊鋼製品と伸銅品の需要が伸びていきます。

日刊産業新聞2008年10月28日付で日鉱金属の精密圧延ユニット長/小田正二氏は特殊鋼と伸銅品の両セグメントに関し「特殊鋼高機能ステンレス材は電子部品向け拡販が順調で下期も伸びが続く。特殊鋼全体で目標の月1.6百トンを達成できており、下期は月2.1百トンと大幅増を見込む。下期はコイルセンターの活用で少量短納期販売を強化する。中国の現地法人も含めたグループ内でめっきまで一貫加工できる特徴も活かせば、拡販は可能と判断している。一方、伸銅品の上期実績は月32.1百トンだが下期は横ばいの月32.1百トンを見込む。伸銅品は、主に携帯電話デジタルカメラフラットパネルディスプレー(FPD)の部材に使われるリン青銅、コルソン合金、チタン銅、圧延銅箔など。足元は携帯電話分野の需要が底堅いため生産に大きな落ち込みはない。09年1月以降は不透明だが、グループ会社のコイルセンターを活用し、少量短納期対応を徹底しれ販売の落ち込みを防ぐ。」と述べておられました。
接続部品スイッチは、日系スイッチメーカーの世界シェアが高い精密スイッチ、特に携帯電話向け成長ドライバーとして、携帯音楽プレーヤーなどのモバイルデバイス薄型テレビDSC/DVCDVDプレーヤーなどのデジタル家電など全般の需要増が拡大してきました。高単価の産業用スイッチや自動車向けの車載スイッチも需要が拡大しています。以下、電波新聞2008年7月1日(電子部品特集)/7月3日(高周波部品)からの引用ですが「接続部品でスイッチは、携帯電話、PDA、DVC、DSC、ポータブルオーディオ、ゲーム機などに照準を合わせた小型・薄型SMT対応スイッチの開発が目覚しい。携帯電話用操作スイッチではメールやインターネット使用を背景とした長寿命化ニーズが高まっている。スイッチのキーパーツであるバネ基台を極限まで薄型化することで、従来と同等の特性を維持した小型・薄型スイッチ開発が進む。組み立て自動機技術にも一段と力が注がれ、設計開発生産技術部品加工技術などを加味したトータルでの事業体制強化が進む。携帯電話へのLED搭載点数を削減できる導光体付コンタクトシートも量産化が進んでいる。」と、また電波新聞2007年10月24日付は「スイッチを小型化すれば、強度や寿命、操作感触の良さは損なわれる。これをクリアするためスイッチ各社は長年のノウハウを駆使し、製品開発を進めている。スイッチをどこまで押すとONするという精度維持では、小型化するほど高度な機構技術が必要。内製化面では、ピースパーツのバネや基台を極限まで薄型化するなど真の内製強化への取り組みが加速している。操作感触操作音など人間の五感にかかわる部分デジタル的に定量管理する自動検査機を自前で開発する企業もある。各社の強さの秘密は、外観に表れない部分多くのノウハウが集約されている。」と報道されていました。」
接続部品のコネクタに関しては同じく電波新聞2008年7月1日(電子部品特集)/7月3日(高周波部品)で「コネクタでは、基板対基板コネクタやFPCコネクタなどで狭ピッチ・低背・多極化ニーズに拍車がかかっている。携帯電話内部接続用の基板対基板コネクタは、主流が0.5ミリピッチ品から04ミリピッチ品に移行。FPC接続用コネクタも携帯電話用では主流が0.3ミリピッチに移行している。折り畳み式携帯電話で使用される極細線同軸用コネクタ0.3ミリピッチの量産が本格化している。鉛フリー化に伴う耐熱性向上で、薄肉化に耐えられる高耐熱樹脂の開発も重要なポイントになっている。高周波部品向けということでは、コネクタ各社が力を入れているのが高周波回路を接続する同軸コネクターで、アイペックスは、ノートPCの高速無線通信用として嵌合高さ1.45mm、携帯電話用では同1.2mmの低背同軸コネクタを開発している。SMKは、UWBWiMAXに対応した超小型同軸コネクタを開発している。嵌合高さ1.85mmで使用周波数範囲はDC-12GHzをカバーする。」と報道されていました。また接続部品向け部材の材料としてエンジニアリンプラスチックの需要拡大が続いています。電波新聞2008年7月28日付によると「高い耐熱性と優れた薄肉流動性を有するLCPは、電子部品用途でのグローバル需要が大きく増加。05年/27千トン、06年/30千トン、07年/33千トン、と伸びており、10年/45千トンが見込まれている。LCPは、コネクタやスイッチの接続部品以外でも、液晶バックライトや光ピックアップ用のボビン、レーザープリンタ用ヒーターホルダーなどでも需要拡大が著しく、今後はLED部品や自動車のECUユニット向けなどでの需要増大が見込まれている。PPS(ポリフェニレンサルファイド)やポリアミド(工業用ナイロン、PA46、PA6T、PA9Tなど)、PEEK樹脂などグローバルでのエンプラ需要は、今後数年間は、10%から15%程度の市場拡大が見込まれている。」と報道していました。以下、電子部品用の機能性ポリマーについては次頁で記述します。