青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財営業でイノベーション共創と社会貢献を目指す。

140-2/6. 大量生産・大量消費の経済モデルの終焉と自然の摂理

無分別で強欲なグローバル金融資本主義による惨過は自然の摂理によるパラダイム変換の兆しのようです。大量生産・大量消費の経済モデルの終焉の始まりかもしれません。

米国ウォール街の無分別な金融資本主義グローバリズムは、暴走して多くの通行人を巻き込んだ挙句に、カーブを曲がりきれずに崖から落ちて瀕死の重傷を負ってしまいました。今回の不景気は平時の景気循環とは異なります。第2次世界大戦終結に1944年のブレトンウッズ会議(金融)と1945年のヤルタ協定(米ソの勢力分割)でルーズベルト第32代大統領に代表される米国リベラルが主導した戦後国際社会のパラダイムは、1991年のソ連崩壊ヤルタ体制が消滅し、今回2008年の米国流グローバル金融資本主義の惨過で、ブレトンウッズ体制の崩壊が始まりました。歴史の振り子は振れますが、元には戻りません。歴史は繰り返しているように見えても、スパイラルに進化していきますから変化の方向性が重要です。筆者/青草新吾は、卒論に向けて1975年頃にむさぼり読んでいたガルブレイス新産業国家論ダニエルベルアラントゥレーヌ脱工業化社会論を思い起こしています。
そもそも金融は、電力や鉄道と同様な経済社会のインフラです。しかもすべての経済活動は貨幣と交換可能ですから、インフラとしての影響度は電力や鉄道の比ではありません。その金融業界に一般の産業ルール競争原理濫用することに無理があります。過去数年間、資源価格は需給バランスからかけ離れて暴騰しました。金融を介した投機資金によってもたらされたものです。例えば銅価(LME)は、2008年7月にトン8985ドル史上最高値をつけましたが、10月以降つるべ落としとなり12月には4年ぶりに3000ドルを割り込みました。関連企業はとても困りました。今もなお後遺症のダメージを受け続けています。産業界ではこの経験で省資源・省エネ化の動きが加速しています。製品価値に占める省エネ省資源の割合がたかまっていきます。グローバリズムの価値観がもたらした金融革命とか、IT革命とか、M&Aの時代とか・・・実体経済からかけ離れた幻想部分崩落が始まっています。さらには米国流大量生産・大量消費などという価値観そのものが崩れだしているように感じます。

筆者/青草新吾は、米国発グローバリズムとは米国の“経済ナショナリズム”であり、実態は世界経済のアメリカ化であったと考えます。以下、米国中心できたパラダイムの流れを世界史的にレビユーしてみます。1917年ロシア革命共産主義国家のソ連が建国され、20世紀最大の壮大で悲惨な実験が始まりました。20世紀最大の実験だった共産主義は、粛清や強制収用所などで世界大戦を上回る数千万人の犠牲者を伴いながらも、1991年のソ連崩壊で終焉しました。共産主義米国にも強烈な影響を及ぼし、米国では、1933年に誕生したルーズベルト第32代米国大統領民主党政権以降は、リベラル大きな政府が米国の主流を形成し、上述のブレトンウッズヤルタ会談を主導し、第二次世界大戦後の戦後社会パラダイムの核となりました。多様で多元的な米国社会ですが、建国の基盤には自由主義(最近では古典的自由主義とも)があります。その自由主義の基盤の上にある対立軸として、リベラル(大きな政府個人主義重視)、自由主義(自由放任・市場原理主義)、保守主義(小さな政府・コミュニティ重視)の3極があります。144[2008.10]でも前述しましたが、米国の保守主義運動は、ルーズベルト第32代大統領を対立軸として戦後に伸長を続け、レーガン第40代大統領(1981-1989)の登場で最高潮に達しました。レーガン政権は、保守主義運動を核にして登場し、共産主義と戦う連合として広範な自由主義運動とも同盟していました。
自由主義者たちの中でも金融自由主義グローバリズムを唱える新自由主義が膨張を続けました。ソ連崩壊後1993年に誕生したクリントン第42代大統領民主党政権新自由主義者たちとの連合政権だったともいえ、情報スーパーハイウェイに代表されるIT金融を経済政策の主軸に据えました。クリントン政権1999年に銀行業と証券業の分離を定めたグラススティーガル法を無効化し、証銀分離の垣根がなくたったことでユニバーサルバンクなるものが登場します。以降、市場原理主義グローバリゼーションイデオロギーを錦の御旗とするウオール街のグローバル主義者たちは、世界中で国民国家の国境の垣根を破壊しながら暴走を繰り返すようになりました。新自由主義を巣とした米国流のグローバル主義と金融資本主義は、鳥のカッコーのように、自分よりも小さな他の鳥類の巣の卵に紛れ込み、育ての親となる小鳥がせっせと運んでくれる餌を独り占めして、育ての親よりも大きな鳥であるカッコーに育っていくように、小さな政府の共和党大きな政府民主党を渡り歩きながら、巨大な存在になりましたが、行き詰まってしまいました。