青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

142-2/2. スイッチング電源など「その他電子部品」産業

スイッチング電源の国内生産では産業機器やエコカー向け、製品の受注タイプでは標準電源が増えてきています。

スイッチング電源は、省エネ(地球温暖化)の視点から一段と効率化・小型化が重要視されるようになってきています。待機電力100ミリW以下を達成する機器も登場してきているそうです。
統計上の電子部品には、“その他電子部品”というカテゴリーがあります。その他電子部品の内訳は電源部品高周波部品です。以下、その他電子部品の主要品目である電源部品について記述します。電源の製品タイプは、基板型ユニット型、パワーモジュールなどのオンボードに大別されます。受注形態別には、電源は、国内生産が主力の標準電源と、主に海外生産のカスタム電源に大別できます。グローバル生産2割が国内生産主力の標準電源で、8割が海外生産が殆どのカスタム電源です。カスタム電源の殆どが民生機器向けで、海外生産による海外ユーザーへの直接輸出(OUT-TO-OUT)が急速に拡大しているそうです。
以下、電波新聞2008年9月1日付の要約です。曰く「国内生産が主力の標準電源がここ数年で大きく伸びており、スイッチング電源に占める標準電源の割合がここ数年で1割から2割に拡大したものと推定されている。国内生産は、経済産業省の生産統計によると07年度実績が13.7百億円だった。日本では改正省エネ法が制定され、待機電力で1百ミリワット以下を達成した機器もでてきている。用途分野別には、一としてエコカーの伸び需要拡大が期待される自動車分野では、様々な電源が搭載されるが、ハイブリッド車用は、振動・衝撃・温度・湿度などの対環境性に優れ、小型・軽量のために軽合金の外装ケース電源が搭載されている。二に、産業機器分野では、モータなどの駆動系立ち上がりに対応したピーク電流対応電源の開発も進展著しい。三のコンピュータ・事務機器分野では、LSIの近くにPOL電源を実装し給電する分散電源の増加で、POL用電源及びバスコンバータの開発が活発化している。MPU用電源が、低電圧・大電流化分散化給電の流れから、1.2V80A程度が要求されている。通信用電源が、ブリックコンバータ(DC-DCパワーモジュール)の1/8ブリックサイズでは3.3V/20A2.5V/25Aを実現している。通信用のDC48V給電DC24V給電フロントエンドはIUラックに収める動きから薄型化技術が進展している。サーバー用電源では、大容量AC-DCフロントエンドと高効率オンボードDC-DCコンバータの組合せによる分散給電方式が採用されている。」と近況をレポートしていました。
携帯機器(モバイルデバイス)の需要拡大で電圧変換装置DC-DCコンバータの需要トレンドは拡大が続いてきています。DC-DCコンバータとは、例えばノートパソコンや携帯電話などの電池駆動機器で、直流給電された電力を電子部品と電子回路が求める電圧に変換する電圧変換装置のことです。最初に、直流を交流に変換し、次に交流でトランスによる電圧変換を行い、最後に電圧変換した交流を整流して直流に戻し、直流給電を電子部品や回路が求める電圧で行います。
電源分野の企業では、標準電源国内トップコーセルが元気印です。電波新聞2007年4月20日付は「コーセルは、オンボードDC-DCコンバータ電源で10/25/30W3タイプを開発し発売開始する。MOS-FETを使用した同期整流回路の採用による高効率化、放熱構造の最適化によって自然空冷がプラス85度摂氏の環境下でも使用可能。DC48V給電装置携帯電話基地局光伝送装置光ファイバアクセス装置ハイエンドルーターコンピュータサーバなど情報通信ネットワーク装置の市場を中心に2010年に年商4億円を目指す。」と、またFDKの電源事業に関し同紙2007年4月5日付は「FDKの電源事業はこれまでカスタム電源を主力としてきたが、収益性を考慮して標準型DC-DCコンバータ主力事業に育成することにした。CPULSIなどの駆動をはじめとした多機能化によるPOL電源として需要が伸びていることへの対応でもある。非絶縁型DC-DCコンバータでは、広範囲入力電圧(6-14V)で出力電流5、8、10、16Aを品揃え。同社ではSMDSIP両タイプを用意した絶縁型と非絶縁型との組合せで、信頼性の高い分散化電源システムを自由に構築できることを幅広く提案している。」と報道していました。
世界最大の電源専業メーカーとなったTDKラムダは、TDKのパワーシステムズグループの各組織が統合されて発足した企業です。電波新聞2008年10月1日付は「TDKラムダの中期目標は、2010年3月期売上高1千億円営業利益10%グローバルシェ目標は、産業用電源19億ドル市場で約27%を30%以上へ、電源全体170億ドル市場で4位の4%から5%へ。製品の変換効率で、DC-DCは約92%から約95%へ、AC-DCでは約88%から約93%へ、開発技術者は100人から145人に増員する。1972年に第1世代と呼ぶスイッチング電源を発売以降、現在はRoHS指令などに対応した第5世代の製品を販売している。第6世代電源の事業化とともに、出力電圧をデジタルで制御するデジタル制御電源の開発を進める。」と報道していました。また村田製作所も電源システム事業の拡大を進めており昨年2007年6月米国C&Dパワーエレクトロニクス事業買収しました。当時の2007年6月21日付電波新聞では「村田製作所は、回路モジュールを含めたモジュール製品の06年度5.9百億円を2015年度には32.8百億円に拡大する計画。村田製作所が今回買収する米国のC&Dテクノロジーズ社(C&D ペンシルベニア州)のパワーエレクトロニクス事業部(PED)はマサチューセッツ州マンスフィールドに事業部をおき、従業員13百人、年商1.85億ドル。PEDが得意とする欧米のサーバーや基地局などの産業用DC-DCコンバータAC-DC電源インダクタトランスなどの事業を取り込む。買収金額約85百万ドル村田製作所は、PEDの買収により、自社で持たない標準電源商品を幅広く取り揃えられ、海外の電源市場に本格参入できる。PEDにとっては、村田グループの販売網、生産技術、部材調達などを共有できる。村田製作所05年4月には長野日本無線とスイッチング電源で提携し、村田から長野日本無線にはモデム用などの電源で約500千台を生産委託し、長野日本無線から村田製作所には事務機用電源約100千台の生産を委託している。」と報道していました。