青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

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156-2/3. 京都議定書で1兆円流出したのに世界の排出量は4割も増加した

京都議定書の誤謬とは“1兆円レベルもの富が排出権購入費用として海外に流出した一方で、世界のCO2排出量は40%も増加したという事実のみである。”という基幹労連のアピールに集約できます。

日刊産業新聞2009年9月7日付は基幹労連の“ポスト京都議定書枠組みづくりに関して”を紹介していますが、曰く「現行京都議定書の目標達成のために、我国は日本国民の汗と努力が生み出した1兆円レベルもの排出権他国から購入してきたにもかかわらず、世界のCO2排出量40%も増加したという現実。・・・・・目標達成のために日本だけが拠出している多額の費用が、真に世界の排出削減に寄与しているのかという点も含め、現行議定書の枠組みが抱える問題点課題について国民に明示することが必要であり、その上での国際交渉を展開すべきである。・・・・・現行の京都議定書のように日本だけが実質的に高い削減目標を背負わされ、国益が一方的に流出するようなことは断じてあってはならない。・・・これまで懸命な省エネ努力を続けてきた結果、日本はGDP当たりで最もエネルギー効率の高い国に位置している。こうした実情を無視して、我国だけ過大な削減目標を設定することになれば、そこで働く従業員の雇用が失われることになる。目標が緩やかで、エネルギー効率が日本ほど高くない国への生産移転(炭素リーケージ)が進展し、世界の排出量かえって増加する、という矛盾を生じさせる。・・・日本としての目標を決定する際には、国や国民の負担貢献度合いが、他国と比較して公平かどうかが考慮されなければならない。・・・・・“日本がリーダーシップを発揮するためにも”とはよく引用される言辞であるが、我国が世界的にみて突出した高い目標を掲げれば、世界のすべての国が(ポスト京都の)次期議定書にこぞって参加し、排出削減に結びつくという保証はどこにもない。」と訴えています。
ちなみに国・地域別中期削減目標(2020年)は、三菱総合研究所の寄稿(日経新聞2009年8月13日付)によると「1995年比でみると、排出総量では、日本85.9%EU88.3%米国94.7%一人当たりでは、日本87.8%EU83.6%米国83.7%EUが打ち出した1990年比20%減はとても厳しいようにみえるが、EUの提案95年比でみると12%減にすぎない。・・・・日本では民主党が政府の提示した目標とは別に90年比25%減の目標を打ち出しているが、これは95年比一人当たり27%減に相当し、EU米国案上回る厳しい目標といえる。・・・大事なのは、排出目標とは“基準年の取り方などで大きく変わりえる”という点である。 」と整理してくれていました。言うだけなら誰でもいえます。難しいのは実行と実現です。政権の座についた鳩山政権が国際社会を相手に“実現できなかった場合数兆円ものペナルティ支払い”のことも考えずに“無茶な中期目標を自慢げにぶち上げる”ことだけは避けて欲しいものです。
条約とは契約です。契約とは“できることを約束し、約束したことを確実に実現すること”です。民主党の鳩山・新政権には“国際社会の契約違反とはペナルティを伴うもの”だという現実を前に、裏づけを欠いたままの気分や空気に引きずられただけの“願望目標”や“ありたい目標”の話は国内だけに止めることを期待します。