青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

170. 真の日中友好と中国漁船摘発問題

中国漁船の領海侵犯問題では、那覇地検が越権行為で外交的判断をして体当たり中国人船長を突然釈放したことで、2010年9月24日は、法治国家の日本が世界に恥を晒した国恥記念日になりました。

正義道理に基づく堂々とした政府であって欲しいものです。でないと、何かと企業も巻き込まれて被害を受け易くなります。・・・・法治国家の日本で「道理を引っ込め」て、場当たりで見通しもなく「無理を通すで走った管・仙石内閣無定見ぶり」を世界に対してさらけ出してしまいました。日本は、三権分立法治国家なので、司法の番人たる法務省検察司法の立場をつらぬき、その上で政治判断として超法規的な措置を決定したのであれば、それはどこの法治国家でもあり得る話です。がしかし、司法当局外交的判断から釈放するのは、法治国家ではあってはならない話です。筆者/青草新吾は、法の下の平等を基本理念とする法治国家を築き上げてきた先人の方々に申し訳ない気持ちが止みません。会社組織の「職制分掌」に例えると、管社長と仙石副社長が経営する民主内閣株式会社は、人事部(法務省)の係長(那覇地検)が、人事規則に則った人事的判断を示しもせずに、越権で管轄外の事業判断(外交的判断)を突然に発表し、事業(外交)で責任と権限を有する事業部(外務省)や社長(管総理)が「人事部の係長が判断したこと」と経営者としての経営責任放棄を恥ずかしげもなく平気で語る異常事態です。法に沿った判断をすべき地検が、本来の役割機能を果たさず、日中関係の考慮という外交判断を釈放の理由にあげ、政治的判断を下すべき政治家が、政治と外交の判断を那覇地検に押し付けるという「法治国家三権分立根幹を歪めた」異常事態です。法務省と検察が司法の立場を貫き、その上で、政治が超法規的な措置を検討したのであれば、それはそれでどの法治国家でもあり得ることですが、司法の番人である検察が、しかも地方の那覇のレベルで国家の外交事案を判断するのは不自然すぎるし、法治国家ではあってはならないことです。「日本も中国共産党政権と同様に、その時々の政治の都合司法判断も猫の目のように変わる」という事例を残したことで、未来に大きな禍根を残しました。法に基づき事件を厳正に処理すべき検察当局に外交上の配慮を語らせるなど、法治国家の異常事態です。仙石由人なるお方は「地検独自の判断だ」と、釈放の責任を那覇地検に押し付けていますが、もしそうならば地検の越権行為を何故問題にしないのか? 三権分立の原則、責任と権限の原則から言えば、地検の越権行為を問題にしないと行政を司る経営者としては筋が通らない。問題視しない、いやできないのは、裏でこそこそと政治的に動いて、表でウソを言っているからではないのか? 東大全共闘上がりの左翼弁護士として名をはせたお方らしいので、革命の大義のためのウソ(プロパガンダ)は正当である、と考えておられるのでしょうか? そもそも韓国で日の丸に×を上書きした反日デモに参加して、日本大使館に向かってコブシを振り上げた岡崎トミ子なる162[2009.7]でも写真付きで前述した反日活動家国家公安委員長にしてしまうような、反日活動家が大手を振って入り込むような内閣だから、日本の領土・領海と国民を守ることなどどうでもいいことなのでしょうか。しかも件の体当たり船長の釈放後中国政府から「謝罪しなさい賠償しなさい」と国際社会にアピールされるような無様な釈放にしないためにも、外交では当たり前の下交渉もしていなかったようですから、不甲斐ないことこの上なしです。
元米海軍将校で、今はヴェンダービルト大学で教授のジェームス・アワー氏は、産経新聞2010年9月24日付で「尖閣諸島は、明らかに日本の統治下にある。1970年代に尖閣諸島に石油資源の可能性が出てきて、中国は領有権の主張を始めた。それまでは、中国側にも尖閣諸島をはっきりと日本領として描いた地図も存在していたと聞いている。・・・・(中国が領有権を主張しだした以上、問題となるのは日本政府の態度である。) 領土を守り抜く決意を示し、そのために戦う覚悟もあることを示してこそ、その領土への主権の正当性が得られる。この点で、日本が竹島に対してとっている態度は悪い見本である。・・・・今回の中国漁船の行動は無謀運転だが、故意の無謀運転なのか、過失の無謀運転なのか、まだわからない。 」と、また同じく同紙で、拓殖大学の大学院教授の森本敏氏は「今回の尖閣での中国漁船の領海侵犯とその後の中国政府の動きを見てはっきりしてきたことは、中国が今回のような海洋行動を常態化させることにより、(実効支配と領有)という目的を実現していく長いプロセス始まったということである。・・・・(対抗していかねばならない)日本の立場としては、尖閣の問題を日中二国間の問題に狭めることは避け、アジア太平洋における航行の自由や、領有権の問題として、多国間の問題広げる努力をせねばならない。南シナ海で領有権問題を抱えるASEAN諸国も注視している。・・・・正義に基づき、正々堂々と振舞うこと。 」と寄稿しておられました。今回の一件で確認できたことは、中国共産党政権は、この事件を使って世界に向かって日本の魚釣島を釣魚台(島)と言い換えて「釣魚台(島)は中国領である」とアピールを繰り返しているのに、日本からアピール無しで何もメッセージを発しなかったことです。これでは、尖閣諸島の歴史や事情を知らない諸外国で「中国が正義だ」と誤解されてしまいます。古くは南京事件、最近でも時々騒がしい靖国問題靖国問題は、中曽根内閣の失策に味をしめた中国に繰り返して使われるようになってしまった作られた問題ですし、慰安婦強制連行問題も、事実は何も確認されなかったのに1993年に河野洋平なる内向きで世界オンチの内閣官房長官が、韓国政府におだてられ頼まれて、目先のお付き合いで気安く謝罪してしまったことで「日本事実を認めた」として利用され、後々まで尾を引き続け、145[2008.11]で前述したように、問題に火をつけた吉田清治なるお方、ご本人が「ウソでした。ニセ証言でした。人権屋に利用された私が悪かった。」と告白しても、大々的に報道を続けた朝日新聞とNHKが訂正もせずに報道を続け、とうとう2007年には同盟国の米国で、下院議会対日非難決議までされてしまいました。過去の歴史捏造事件から学習すべきは、中国韓国のように勝者が歴史を書く「事実よりも自分たちに都合の良い歴史話にしとこう」と考えるのが当たり前の、歴史捏造普通と考える国を相手にしての外交は、宣伝戦に負けたら終わりです。ウソがホントにされてしまいます。今回、フジタの社員が逮捕されたことで報道された遺棄化学兵器の処理事業にしても145[2008.11]で前述通り、長浜浩明氏が著書「文系ウソ社会の研究」*1で述べておられるように、日本軍は、降伏して整然とソ連軍や中国共産党軍に引き継いだのに、ソ連軍や中国共産党軍が、無計画無秩序に遺棄したことが原因であるにもかかわらず、膨大な国家予算を投入することに追い込まれてしまった案件のようです。朝日新聞NHKなども加担してきた「ニセ証言」などで「捏造された事件」で繰り返されてきた平和ボケ・ニッポンの実情ですが、今また繰り返されそうな気配です。
1970年代自民党の主流となった田中型・利益誘導政治が、日銀の資金循環統計で「1千兆円超政府債務を積み上げる財政破壊の暴走エンジンとなったように、政権交代によって、仙石由人官房長官岡崎トミ子国家公安委員長などの反日活動家獅子身中の虫のように政府に潜り込んでしまったことで、自民党経世会(田中派)が暴走エンジンを走らせ続けて積み上げてきた膨大な政府債務に加え、今度は民主党の事務方を押えてしまった社会党グループが、国家解体の暴走エンジンとなって、日本国破壊が進められるようでとても心配です。外部からは、経済力をつけた中国共産党が軍事力を背景にした対日蚕食を更に進めてきそうです。
歴史でまったく同じことが繰り返されることはないようですが、歴史のスパイラル展開似たようなこと繰り返されます。まったく同じではないので、時代の流れで新しい要素を加味しながら、過去の歴史に学ぶことが有効です。今回の中国漁船による領海侵犯と体当たりという中国漁船・衝突事件は、これから延々と続くトラブルの始まりであり、中国共産党政権による予告であったような気がします。政府の外交力がないと、中国に進出した企業の技術中国共産党剥ぎ取られやすくなります。またニュースメディアや政治家の言動で注意すべきは「中国の穏健派が苦労している」という宣伝です。1985年8月に、中曽根総理大臣が「中国共産党内の政争で、胡耀邦総書記を支援するため」と判断し、突然に靖国参拝を止めたことで、中国共産党が「これはネタになる」と、以降は事あるごとに日本を揺さぶる道具で使うようになってしまいました。ここから学習すべきは「中国政府は、国内世論日中友好板ばさみで苦労している」という遁辞(とんじ、言い逃れ)に易々とはまらないように、惺々著晦まされないようにしたいものです。

岡崎トミ子国家公安委員長の韓国反日デモ参加写真。
[ http://www35.atwiki.jp/kolia?cmd=upload&act=open&pageid=159&file=tomiko.jpg ]

*1:「続 文系ウソ社会の研究」長浜浩明著 ISBN:9784886563231