青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

2012-08-05 186-2/2 今後の成長モデル

営業とは事業を営むことですが、生産財営業では様々な成長モデルへの知見が役に立ちます。

アップルなどの伸張著しいIT企業、トヨタ日産フォルクスワーゲン(VW)、現代自動車などの勢いがある自動車メーカーなど、これら伸張著しい消費財メーカー向けのサプライチェーンに参画する生産財企業には勢いがあります。生産財営業とは“Win-Winを求めての競争”であり、Win-Winの関係を構築するための"競争力があるサプライチェーンバリューチェーン"に参画していく競争でもあります。良質なサプライチェーンに参画していく計画は成長戦略そのものです。グローバル競争現実を直視するとともに、成長していくのはどのような分野のどの製品か、頭の体操を兼ねて見渡してみましょう。
本朝の日経新聞2012.8.5付の社説は“製造業の未来切り開くために”と題し、逆風下でも“国内で増産投資を行う対内投資の実例”として、マツダファナックの事例を紹介していました。曰く「工作機械メーカーファナックは、昨年末に新工場を国内で稼働させた。同社は40%近い驚異の売上高営業利益率を誇る。・・・自動車メーカーのマツダは対ドル円レートが1ドル77円でも輸出で利益を出せる“77円工場”で、中型車のアテンザの米国現地生産を取りやめて、日本からの輸出に切り替える。カギを握るのは“相似形の共通化”と呼ぶ新たな設計・開発手法だ。小型車から大型車までサイズの異なるクルマもほぼ同型の設計レイアウトを採用することで、部品や設備の単価を大幅に引き下げた。企業規模とイノベーション生み出す力は必ずしも比例しない。 」とし、「成功の要因は各社各様だが、敢えて共通点を探せば、従来型のものづくりが、ITやデジタル技術と融合していることだろう。」と締めくくっていましたが、まったく同感です。同じく日経新聞2012.7.29付は「世界シェア50品目」を発表していましたが「高成長が続くスマホ市場では、韓国サムスン電子iPhoneアップルが首位争いを繰り広げ、3位以下もフィンランドノキアBlackBerryを展開する加国RIM(リサーチ・イン・モーション)、台湾HTC(宏達国際電子)が席巻する中、日本勢の存在感は薄い。・・・50品目中、ITに強い米国19品目日本9品目韓国8品目中国6品目。・・・・日本勢が強いのは、生産設備精密機械で、高シェアを維持できている。日本企業が世界シェア首位の日本企業9品目について、産業車両は1位の豊田織機がシェア18.2%、2位が独キオン(同14.8%)、多間接ロボットは1位ファナックが同18.0%、2位スイスABB(12.8%)、制御機器は1位ファナックが同55.0%、2位シーメンス(同22.0%)、ビデオカメラで1位ソニーが同44.0%、2位パナソニック(同18.0%)、デジタルカメラで1位キャノンが同18.8%、2位ソニー(同17.1%)、ゲーム機で1位任天堂が41.3%、2位ソニーコンピュータエンタテイメント(38.9%)、白色LEDで1位日亜化学が同28.8%、サムスンLED(同13.6%)、リチウムイオン電池で1位パナソニックが23.5%、2位サムスンSDI(23.2%)。」と報道していました。
車載機器や電子機器、制御機器などの機器類には“電子部品が組み込まれ”ています。電子部品メーカーが顧客や需要分野で何が成長分野なのか?どうみているかはとても参考になります。パナソニックの社内分社(company)の一つで、電子部品分野では世界最大の事業規模を持つパナソニックバイス(Pnasonic Industrial Device Company、略してPID)で常務CTOの久保氏は電波新聞2012.7.31付で「パナ デバイス社(PID)の“成長エンジン”は重点3市場。一つがモバイル(スマートフォンタブレットPC)、二つが環境対応車(ISS、HEVを含む環境対応車、建機、鉄道車両二輪車)、三つが環境インフラ(太陽光発電用パワーコンディショナー)といった3分野、これにメディカルエレクトロニクス(ME)を加えた“3分野+ME”で研究開発資源を集中する。」と説明しておられます。電波新聞2012.7.2付「研究開発トップに聞く」では、ミツミ電機は1.情報通信、2.車載、3.環境・エネルギー・インフラ、の3分野、アルプス電気は1.車載、2.スマホ、3.エネルギー・ヘルスケア、村田製作所は1.環境・エネルギー、2.ヘルスケア・メディカル、3.自動車、TDKは磁性材料をコアの素材技術とした1.次世代通信、2.エネルギー関連、太陽誘電は1.エネルギー、2.自動車、3.産業機械、4.医療機器、フィルムコンデンサ指月電機製作所は、EV/HEV、鉄道・車両、モータ制御/エレベータなどのインバータ市場をコアとした駆動用コンデンサモジュール、パナソニックバイス社(PID)は上述通りの1.モバイル2.環境対応車3.環境インフラ、の3分野、を挙げています。
サプライチェーンの川上に近い材料分野ではどうなのか? 鉄鋼製品分野では新日鉄住金が合体しますが、新会社の鉄鋼製品の扱い量で最大手となる住友商事で、コイルセンター事業を展開する鉄鋼第二本部の若島浩本部長は日刊産業新聞20012.7.24付けで「第二本部管轄のコイルセンターは、国外13カ国を含め、国内外40社、60工場、年間加工能力7.5-8.0百万トンとなるが、これらを有機的に活用し、仕入先、顧客ともにメリットを提供していきたい。・・・・宝鋼集団とは中国国内4社、CSCグループとは中国・ベトナム・泰で合弁コイルセンターを運営しているが、各地域で拡大する内需対応のためにJVが必要となった。・・・今、目指しているのは総合サービスセンター化。スリット、レベラーだけでなく、ブランキングTWB溶接塗装組立など、付加価値の高いサービスセンターとしたい。鉄鋼第三本部と連携し、工具鋼の販売も始めている。工具鋼とコイルセンターはお客様が一緒、あるいは近い業種が多い。」と述べておられました。
サプライチェーンの川下に近い電機分野では、パナソニック社長津賀一宏氏は、上述のデバイス社PIDを含め、3事業分野・10事業部門(社内分社)を統括するお立場のお方ですが、電波新聞2012.8.2付で「(3分野10事業を横断した全体で) お客様を中心に“4分野”で事業を進めていく。一つが“住宅空間”分野でエアコンやテレビなど、二つが“モビリティ”分野で自動車関連やノートパソコンなど、三つが“パーソナル”分野でカメラやスマートフォン、理美容など、四つが“非住宅”分野で工場やオフィスなど。“様々な領域事業展開していく”ことこそ、“韓国や中国などの企業でできないこと”だとみており、方向性を見誤らずに拡大していきたい。・・・・“テレビ事業の赤字”については、デジタル化の流れの中で、世界は水平分業になっており、結果として市場の流れから遅れてしまったのが実情だ。もう少し早い時期に水平分業に取り組むべきだったかもしれない。圧倒的に優位な技術活かせないこと大いに反省すべきこと。・・・中長期視点でいえば、マネジメントスタイルを変えていくことも必要だ。本社スリム化で150人にするとともに、約90あるビジネスユニット(BU)の定義見直しを図る。BUの将来性採算をみていく。当社グループの売上規模からは90ものBUは多すぎる。」と述べておられました。さらに前社長で今はパナソニック会長大坪文雄氏は日経新聞2012.7.15付で「BtoCの消費者向けビジネス(英語でConsumer)は重要だが、今は“BtoB企業向けビジネス”(英語でBusiness)の方に“より多くのビジネスチャンス”が存在する。新しい企業像を示したい。」と述べておられました。
川上から川下まで、消費財生産財も日本企業の多くがが国外での需要開拓を成長戦略に据えています。一般論としてではありますが、日本企業欧米企業よりも弱いとされているのが国際化です。日経2012.7.15付中外時評でスイスビジネススクールIMDの学長らが出した本「なぜ“日本企業はグローバル化で躓(つまず)く”のか」を紹介していました。曰く「日本企業がグローバル化で躓く理由はまさに“グローバル戦略の欠如”にある。グローバル化とは米国化ではない。“世界を考え、ダイバーシティ(多様性)を取り込むこと”だ。・・・日本は“大企業に資源を集中して成功”したが、次のモデルが描けていない。これからの日本は“中堅・中小企業にもっとお金や人材が回るよう”にして、インターネットなどによる技術革新グローバル戦略が必要だ。」ということだそうです。論説委員の関口氏は「IMDはもともとスイスの食品大手、ネスレの教育施設から独立した。同社が世界市場で成功しているのも“執行役員13人中が国籍11カ国に亘る”ことで、“最高財務責任者フィリピン女性”という“多様性”が背景にある。“多様な人材を呼び込む”ことでグローバル市場での接点としての存在感を高め、今度はそれを教育や国際調査という“ビジネスに置き換え”ている。蘭国の電機大手、フィリップスも、執行役員10人のうち蘭国人は経営トップなどの半数で他の半数は外国籍だ。・・・(翻って日本企業は特に)製造業では、現場の統制が重視され、同質性が重要な武器でもあった。しかしグローバルなマーケティングが求められる今、多様な人材を集めなければ、世界市場では戦えない。まさに日本のグローバル戦略が問われている。」と論説しておられましたが、その通りだとは思います。次に“組織論”の観点から競争力についてレビユーしてみましょう。
そもそも日本企業日本型組織は、125[2008.1.126 組織論で欧米と日本の違い]で前述したように、運用と役割重視安定期に強いゆったりした時間軸で、地道なこつこつ積み上げで強みを発揮します。泰国で、昨年2010年10月に発生した大洪水日系企業数百社被災しましたが、9ヶ月を経た7月現在では、殆どの日系企業が洪水発生前の水準までほぼ回復していますし、中には、この被災を契機思い切って設備更新したことで、洪水前よりも大幅な生産性向上を実現できたとする工場も多々あるようです。上述の如く、運用と役割重視の日本型組織は、このような災害に対しては実に強靭な復元力を示します。一方で日本企業の日本型組織の弱み巨大市場への対応力です。最近の経験からは、数千万台規模までは強みを維持するが、1億台突破の巨大市場になると急激に競争力が弱まりだす傾向が顕著です。米国型組織は、制度とで意思決定重視なので激動期に強い、という傾向があります。韓国台湾も、意思決定マネジメントスタイルでは米国型組織に近い場合が多いので、巨大市場で強みを発揮する場合が多いといえます。そこで日本の電機メーカーがサムスンの前で劣勢に立たされているという議論について考えてみます。筆者/青草新吾には、今の韓国のサムスン電子の勢いは、かってのソニー本田技研今だと日本電産ユニクロの勢いと重なってみえます。現場とマーケットを知悉する仕事の鬼と化した創業者的資質に溢れる経営者指揮をとる会社とても強いのです。後講釈で様々なことが言われますが、今までのサムスンの競争力は、経営者の資質に引っ張られた組織のパワーにあるといえます。だからこそ、このまま、今までのパワー持続できるとは考えにくい面があります。パナソニックと比較すると、筆者/青草新吾の見立てでは「決定的には中村邦夫前会長ほどの稀にみるカリスマ社長をもってしても、韓国サムスン創業家の二代目中興社長である、李健ヒ(イゴンヒ)会長リーダーシップの方が今の時代では勝っていた」ということだと思います。韓国のサムスンは、李健ヒ(イゴンヒ)さんが決めれば組織全体が動き出す開発陣工場と同様24時間体制らしい。・・・・パナソニック中村改革方向性間違っていなかったものの、せっかく打ち出した新基軸の“超製造業”もアップルなど米国IT企業のパワーには及ばず、主力事業の薄型テレビでは従来の土俵そのままで戦おうとした、これに日本の政治の貧困が足を引っ張った・・・ということだったような気がします。しかし、栄枯盛衰(えいこせいすい)と毀誉褒貶(きよほうへん)、スパイラル展開世の定めです。5年後には、またかなり違った様相を呈しているのではないでしょうか。戦略で大きな失敗がなかったとしたらまだまだ復活のチャンスはあります。「保守のための革新」という”保守主義の大原則に則った更なる変身“(戦略の更なる進化発展)に期待したい。
前頁185-2/2で引用させて頂いた神戸大学大学院(経営学研究科)教授の三品和広氏の「どのフェーズの商品で勝負するかによって、求められる得意技経営者のタイプも変わります。ですからフェーズを股にかけて戦うのは難しい。黎明期では米国のベンチャーが強い。一度形が見えたモノをパクッてつくるのは韓国勢が強く、成熟期に入ったモノの生産委託を受けて安くつくるのはチャイナ(支那)が得意です。衰退期に入って愛情が篭った製品づくり欧州の独壇場です。・・・・・・日本は今後、ライフサイクルのどのフェーズで戦うべきか。私は黎明期だと思います。・・・事業立地(ドメイン)を移す場合、
新聞や雑誌があおりたてる政府やマスコミが音頭を取るようなビジネスは避けた方が良い。旬のビジネス危ない、」という意見にはとても共感できます。
成長戦略実現していくのは人材です。産業の強さは、歴史的伝統文化公教育政治の流れによって支えられています。筆者/青草新吾が気に病むのは日本の公教育腐敗と堕落ぶりです。腐臭漂う残虐非道な校内犯罪「いじめ」と言い換えて、問題のすり替えを行う教育委員会教育関係者、それらと教育関係者と癒着したようなメディア報道、には憤りを感じます。学校の「平和と安全」(Peace and Order)を守るのは教育関係者第一義の義務のはずです。犯罪者のさばらせ犯罪被害者が犠牲になるのは異常事態です。「校内の狂暴で悪辣な犯罪者ども」を野放しで、よくも「ここまで放置してきたな」という感じです。学校は治外法権ではない。「犯罪は警察と司法の役割」であって教師の仕事ではない
さっさと犯罪者を警察に引き渡すべきです。一方的なリンチ恐喝言動による執拗な人権侵害、これらはすべて犯罪です。観てみぬふりをする教育関係者は犯罪幇助という犯罪です。
大津市中2暴行恐喝事件では残念ながら、犯罪被害者ご本人が自殺してしまわれたが、大津市nの澤村憲次なる教育委員長の発言には教育者としての使命感が無きに等しい。ゼロです。まったく感じ取れません。このお方が固執しておられるのは「教育利権への執着」ではないのか。「利権世間体」のために「子供を平気で見殺しにする」ような教育者としてはあるまじき程度が低い人物教育委員長のポストに座る教育委員会とはどこまで腐った偏った利権組織なのか・・・。生徒が犯罪者であれば、逮捕し、裁きを受けさせ、償いをさえるべきである。・・・・もともと駄目な政治家、環境変化への対応に無為無策で日本を駄目にしてきた役人、閉鎖的な教育ギルドの利権に安住し、校内犯罪をいじめといいかえて校内犯罪犯罪幇助(ほうじょ)してきた教育関係者、これら税金にたかる既得権益はどこまで日本を壊し続けるつもりなのだろうか。既得権団体中央官庁、利権におもねる政治家たちの「亡国の仕組み」をどうしたら打破できるのだろうか、ふいと考え始めることが多くなりました。
国家が倒産しても「国敗れて企業あり」で、企業も個人も生き残る準備をしていかねばなりません。今から72年前、1940年の太平洋戦争の開戦では、開戦に反対していた連合艦隊司令長官山本五十六ですが、真珠湾攻撃では指揮をとることになりました。当時の「外務省の在米日本大使館の怠慢」で、米国への最終通牒が遅れ、米国からは「真珠湾攻撃は、だまし討ちを行う卑怯な日本」の象徴にされて今日に至っています。その後、日本は焦土の廃墟で敗戦を迎え、国家は破滅しました。国家破滅への流れを食い止めることができなかったという歴史的事実があります。しかしその過酷な現実の中で“生き残った方々”が「先に散った戦友の分も頑張る」と頑張ってくれ、戦後復興を実現できました。この戦後復興を成し遂げてくれた方々に学び、手前どもビジネスマンは、敗戦後に事業を再び立ち上げて戦後復興を実現してくれた方々の顰(ひそみ)に倣って、万が一で国家破滅に至ろうとも「国敗れて企業あり」で復興を成し遂げていけるような実力を蓄えていかねばなりません。そのためにも、フェアな競争国際化を通して個人と組織(企業)に磨きをかけ続けていかねばなりません。併せ、世の中が良い方向に転じるように、一人でも多くの方々の投票行動を覚醒していかねば、と感じ入る次第です。