青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2013-07-31 190-2/2 クルマと電子部品・電池

アベノミクスのお蔭で「異常な円高が終息」し、自動車関連のような強い産業が更に強くなることで、サービス産業などへの波及効果への期待が高まります。第23回参院選で「日本の政治が安定するだろう」との期待が国際社会で高まっています。

朝日新聞の安倍叩き、中韓両国の「安倍は右翼だ、国粋主義で危険だ」とのネガティブキャンペーンにもかかわらず、安倍政権参院選挙で安定多数を得ました。国際社会からは、特に東南アジア諸国からは、日本の安倍政権への期待が高まる一方です。残る懸念材料は「自民党内部の血税にたかるバラマキ守旧派の復活と改革妨害」です。自民党に巣食う守旧派の皆さんも「今はもう日本復活ラストチャンス」であることくらいは、理解はできているのでしょうから、改革妨害よりも前向きな条件闘争に切り替えて欲しいものです。2013.7/第23回参院選比例投票の実績だと、与党両党には、自民党35.39%の13百万人、公明14.32%の5.26百万人、対する改革派野党ともいえる両党には、維新11.71%の4.30百万人、みんな8.84%の3.17百万人、と合計で20.51%の7.47百万人の得票があったわけですから、ニッポン復活のために是々非々で経済活動を活性化する施策を次々に実行していって欲しいと期待します。尚、民主党には13.55%の4.97百万人という維新一党をやや上回る程度の得票しかなかったということは、民主党内部の保守派とリベラル、左翼は袂を分けて再スタートした方が世のためのような気がします。そもそも綱領・大綱なき政党は無責任だし、邪道ではないでしょうか。
日本の就業者数は、産業種別にみると2013.6時点で、製造業の主力で自動車1.21百万人電機0.70百万人、に対し宿泊飲食サービス3.79百万人医療福祉7.33百万人とのことです。本稿では2006.7の40[ものづくりとサービスの産業連関]、41[産業構造のサービス化で日米比較]、42[日本国の付加価値の半分近くが製造業由来]の3頁で前述しましたが、自動車のように生産性が高くて波及効果が大きな産業が元気であればあるほど、サービス産業も潤いが増えます。2000年代の日本経済は自動車産業が引っ張ってくれました。その自動車産業の内訳で「何が有望か?」について、以下にて業界紙の記事を引用しながら書き連ねてみます。
クルマは「電子のまゆ」にくるまれた存在へと進化しています。2006.12の69[クルマの電動化・電子化・情報化]、70[車載デバイスハイブリッド車]、71[クルマの電子化で電子基板]の3頁でも前述しましたが、クルマは油圧から電動へと変わってきています。自動車は電気駆動の流れから電子制御が増え、情報通信機能の充実で高周波デバイスが増えてきています。 「自動車のECU搭載・電子化」は、排ガス対策の「燃料噴射制御」からスタートしたといえます。電子制御は、「センサー(感知)・ECU(判断)・アクチュエータ(駆動)」の三点セットをワイヤーハーネスで繋いで構成さす。ハイブリッド車やEVの生産増で、これらの電子部品やセンサーとともに2次電池も合従連衡の動きが続いています。

まず車載センサーについて。センサーは機械式から始まって半導体センサーへと置き換わってきました。パワートレイン系シャシー制御系ボディエレクトロニクス制御系などで、温度センサー、エアフローセンサー、回転センサー、圧力センサー、加速度センサー、位置・角速度センサー、慣性センサー、レベルゲージセンサー、磁気センサー、光センサー、電流センサーなどが、使われています。 電波新聞2013.7.1付の分類から引用しますと、「走る・曲がる・止まる」では、温度センサーが水温や吸気温、排気温のセンシングで、圧力センサが吸気圧、タンク内圧、大気圧、燃焼圧などを、位置角度センサーでスロットルやステアリング、回転センサーがカムクランク角や車速を、流量センサーが空気流量を、レベルゲージセンサーが燃料量やエンジンオイルを、振動センサーがノックセンサーとして、ガスセンサーとして酸素(O2)センサやA/Fセンサが、また「安全・快適・環境」では、温度センサーとしてAT油量センサ、内気温センサ、外気温センサ、エバ吹き出し温センサなど、圧力センサーとしてブレーキ圧センサ、エアコン冷媒圧センサ、タイヤ空気圧センサ、加速度センサとしてABSやECSの加速度センサー、位置角度センサとして車高センサ、回転センサで車輪速センサー、レベルゲージでブレーキオイル量センサー、ガスセンサーでスモークセンサ、COセンサ、温度センサー、光・電磁波センサで日射量センサ、オートライトセンサ、クリアランスソナー、その他センサでヨーレートセンサー、「情報・通信」で、レーザーレーダ、ミリ波レーダー、衛星通信アンテナ、赤外線センサ、車両認識センサ、周辺認識センサなどの光・電磁波センサと、地磁気センサや時期ネイルセンサなどのその他センサが搭載されています。 自動車に搭載される電子部品の耐熱要求は「125摂氏度」対応から「150摂氏度対応」が増えてきています。
次にエネルギー供給システムとしての2次電池について。車載用リチウムイオン電池については、半導体産業新聞2013.7.10付で「ジーエスユアサと三菱商事は独ボッシュとい車載用リチウムイオン電池の合弁企業を設立する。独ボッシュは、12.9にサムスンSDIとの車載LiB合弁事業を解消。SBリモーティブの株式はサムスンSDIが取得したが、パック開発の独子会社SBLDとパック生産に強みを残す米コバシスはボッシュが取得していた。また12.11にはデンソーの株式46百万株全株をすべて売却し11億ユーロを受領しており、今回の車載電池事業の資金となった可能性が高い。」と報道していました。

自動車部品産業ということでは、欧米の自動車部品企業はメガサプライヤーの寡占化が進んでいます。一方で日本企業には「一芸に秀でた部品企業」が多々存在します。また上述の電子化・電動化が進むことでニッポン電機のパナソニック日立製作所三菱電機あたりの自動車関連事業も拡大が続いています。ちなみに日経新聞業界紙によると、世界の自動車部品大手は、独ボッシュデンソー、独コンチネンタルの三強に続いて、2兆円から3兆円規模のアイシン、加マグナ、Jコントロールズ、2兆円前後から1兆円の規模で、韓国現代モービス、仏フィレシア、米TRW、米デルファイ、仏ヴァレオ矢崎総業、米リア、住友電工、1兆円規模から数千億円規模で、トヨタ紡織ジェイテクト、日立オートモティブ、独シェフラ、カルソニック、、瑞典SKF、日本精工、米ビステオン、NOK、ニッパツ、ケーヒンなどです。
自動社関連は、雇用に対する貢献がとても大きく、付加価値創出の上でも産業連関の波及効果(乗数効果)が大きいので、今後とも日本の基幹産業として日本と世界を支えて欲しいと期待します。