青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2015-04-10 197-1/2 結婚子育てを支援する政治へ

日本の国力と企業力を高めていくこと、そのためにも都市圏・基礎的自治体の資金を食い物にする既得権益をそぎ落として結婚と子育て教育への支援強化が望まれます。個人も家族も、所属する企業と国家の競争力で豊かにもなり、貧しくもなります。

地方議会の“悪貨が良貨を駆逐”している状況」について、地方自治ジャーナリストの相川俊英氏は産経新聞2015.4.10付で「全国1788の地方自治体には34,879人もの地方議員がいて、報酬や手当の支払い総額は年間約27百億円に達する。・・今の地方議会新たな取り組みをストップさせる(制度の欠陥に起因する)絶大な力は持っている。新たなものを創りだす力はないくせにだ。・・・地方議員は兼業が認められ、会期日数も年間90日程度なので、会社勤めの勤労者には無理な反面、会社勤めでない者には兼業しやすい。その結果、議員の質が落ちている。・・・東京都千代田区から始まった“地方議会を変える国民会議”は“地方議会をすべて(米欧諸国のように)土日・夜間開催に変え、多様な住民が議会に参加できるようにすべき”と提言し活動を行っている。」と述べておられました。筆者/青草新吾が知る限りでは、欧米の地方議会は地元の名士によるボランティアによる夜間・土曜日開催議会に支えられています。人口がほぼ同じ規模の議員数について「ロサンゼルス市議会の15人に対し、横浜市議会は86人横浜市議員報酬は月額953千円だが、一方では長野県売木村は月額100千円。」と週刊東洋経済2014.8.23で紹介されていました。4年に一度の統一地方選(2015.4.12)では、結婚をして子育てをする方々が、自分たちと子供たち未来のために投票権を行使してくれればと期待します。
反面教師で、民主党左翼政権(2009.7-2012.11)の「失われた3年間」を銘記しましょう。「支出の大幅カットを明言して選挙で圧勝」して登場しておきながら、バラマキで「小泉政権で正常化されていた歳出を再び急膨張させ」たり、労働規制を改悪(官公労と大企業労組には改善)したり、異常円高放置で企業を国外に追い出したりと酷(ひど)かった。・・・そしてもう一つ、ギリシャのような公務員天国と「自民党から共産党までのオール与党・お手盛り行政」の巣窟だった大阪市お手盛り行政”も銘記しておきましょう。“大阪維新/橋下市長当選(2011年)までの旧大阪市の税金へのタカリは本当にひどかった。阪急運転手よりも給与が倍近い市バス運転手がごろごろいたなんぞ税食いタックスイーター以外の何物でもありませんでした。大阪市お手盛り行政までは酷(ひど)くないのかもしれませんが「ミニ旧大阪市(オール与党お手盛り)」なのが下術の高槻市の事例です。
世の中を豊かにする組織もあれば、税金へのタカリや規制を使った消費者価格へのタカリをもっぱらとする世の中を貧しくする組織もあります。これらのタカリ組織の多く地方行政の中に潜り込んで巣穴を作っています。例えばJA農協の事例でも、 “独自の創意工夫で国民経済に貢献している” 福井県JA越前のような豊かにする組織もあれば、 “政治活動で利益誘導を図る” 上部組織の“JA全中”のような“税金食いで国民経済を貧しくする組織”もあります。納税者目線監視投票行動が必要です。・・・地方選挙制度の「一票の格差」も「国民経済を貧しくする組織(守旧派既得権益集団)」を跋扈させる要因(しくみの欠陥)です。例えば住民の支持を集めて上位当選する改革派1名同じ票数で守旧派数名がすれすれ当選して「地方議会ではなぜか利権守旧派議員が多い」という「一票の格差に起因する地方議会のアンバランス」もあります。他国事例では「上位当選者に得票が集中」した場合には「票数を分け同類者を当選させ住民の意思を反映させる」仕組みもあるようですから、是正改善して欲しい。・・・未来世代へのツケ回しタカリ防止では「子育て世代の親により多くの投票権を与えるドメイン投票法」も「未来世代からの収奪への歯止め」になりそうです。・・・企業国家強くしていくためにも、結婚子育て教育への支援政策がきわめて重要です。先進各国が力を入れてきた結婚子育てへの支援が日本はまだ貧弱です。結婚子育は国民経済の基本であり、国造りそのものです。
まず税制の見直しが必要です。まず地方行政の財源ともなる消費税。「生活必需品には軽減税率導入」を行うべきです。賃貸アパートには消費税がかかりませんから助けられている方々も多いと思います。生活必需品住と食は非課税、欧米並みに非課税軽減税率とすべきです。・・・税額控除では「夫婦の働き方を問わない夫婦控除配偶者控除は時代遅れ)」、低所得者支援には「勤労税額控除での給付付き税額控除(控除できない部分への給付)」を急ぐべきです。消費税増税の口実になっている「社会保障の膨張」についても「既得権益集団によるピンハネ中抜き」を排除すること、「国民が求めていないサービスへの税投入(既得権益集団へのバラマキ)」を止めることが必要です。これら既得権益集団の税金や消費者価格へのタカリの多くが地方自治体で行われています。「地方行政に紛れ込んだ既得権益集団のタカリ」を止めて地方財政をスリム化する必要があります。
JR九州ななつ星のデザイナー/水戸岡鋭治氏(67才)が「役所で作ると、だいたい僕たちが設計している値段の倍かかるんですよ。本当は1億円でできるものが2億になってしまう。日本はそこでものすごく無駄なことをしているんです。・・・一度、介護施設をやったことがあるんですけど、どこも役所と絡んだ団体がいっぱいあって、それを仕切っている人たちがいろいろと命令してくるんです。そこを通さないとできないことあまりにも多い。もういろんなしがらみで、不思議な人たちがたくさんいて・・・。それであれほどお金が落ちているのに、こんなひどい施設ができてしまうのか、ということが日本中で起きてしまうんです。」とSAPIO2月号で述べておられました。・・・筆者/青草新吾も似たような経験があります。福岡県糸島市の不思議な事例ですが、要は地方行政農業委員会との癒着とタカリです。父が残した土地の売却を行う際に、糸島市からは「農地売却だから農業委員会の認印がないと受理できない」といわれ、農業委員会からは「2百万円くらいかな」と言われました。父親からは「県知事から農地転用許可済み」と聞いた記憶があったので、実家をしらみつぶしに探して「農地転用許可証」を探し出し、農業委員会に見せたら「だったら7万円でいいや」でした。そもそも住宅に囲まれた住宅地の中の空地農業委員会しゃしゃり出てきてお金を吸い上げる行政が不思議でなりません。・・・官公労地方自治体への寄生ぶりも目に余るものがあります。自民党を割って自民党改革派が立ち上げた大阪維新が登場する前まで大阪市はまるで「官公労天国ギリシャ」のようでした。
地方行政へのタカリでは「自民党守旧派から共産党までオール与党・お手盛り地方議会」も顕著です。筆者/青草新吾が居住する大阪府高槻市の事例ですが“北岡たかひろ”なる改革派市議が次の事例を訴えています。「官公労や連合の地方自治へのタカリ寄生」の事例1は「官公労高槻による市有公用施設の占拠と不正使用」です。長年、官公労が活動拠点として庁舎を不正使用し「民主党社会民主党活動拠点で当選御礼が掲示」されていたそうです。今は「住民訴訟高裁の違法認定を得て退去させた」そうです。・・・事例2は「市から左翼組織への手当バラマキ」です。違法に有給労組部落解放活動を認めていた不正です。今は地裁の勝訴で「高槻市が設置した特別顧問や委員会に公金を支出するのは違法だとの地裁認定」で「支出差し止め処分」が行われたそうです。事例3は創価学会へのゴマスリです。創価学会池田大作氏に高槻市長が国際文化交流貢献賞を密かに授与していたそうです。事例4は「市バス労組職員」の問題。市長選挙では、選挙カーの運転手を務めるなど、選挙運動員として活動していた、等々。詳しくは「高槻市役所の闇~与野党相乗りの弊害〜」*1にあれこれ記述してありました。・・・「自民党守旧派から共産党までオール与党・お手盛り」が蔓延する地方自治の行政は多分に左翼進歩派へのバラマキが放置されている傾向にあります。とりわけ「国から地方への財政移転額が大きな自治」の中でも「北海道沖縄」では「行政機関そのもの官公労の活動拠点」との色彩が強そうです。首都圏や東海地区、京阪神などの「税収規模が大きな大都市圏から地方への財政移転」では「財政移転北海道や沖縄の反日左翼活動資金面で応援してしまっている実情」もあるといえそうです。本来は住民サービスのための基礎自治体イデオロギー活動の現場になっているというのも不思議といえば不思議です。
結婚子育てを支援していく上では「官公労大企業労組既得権益のために中小企業社員や派遣社員に犠牲強いる労働規制」の是正改善も必要です。「多様な働き方と、同一労働・同一賃金」を推進すべきです。そのための労働規制改革が必要です。・・・日本の労働法は「敗戦後のGHQ言論統制」で勢いずいた“左翼勢力の影響が強く残したまま”です。欧州では“社会民主主義の左派政権でさえも企業と国家が生き残っていくために労働規制を改革してきた”のですが、日本は旧態依然で残っています。・・・日本では「官公労・大企業労組中小企業社員・派遣社員などとの“労・労対立”の方が、労使対立よりも深刻な問題」です。・・・また「世代が異なる勤労者間の利害調整」も必要です。労働規制職種を軸に制度を再編していかねばありません。ホワイトカラーまでもが労組を結成し、赤旗を振るのは米国では奇妙な現象です。官公労を支持基盤とする民主党左翼政権は「官公労と大企業労組の利権拡大のための派遣法改悪」で、派遣社員や中小企業社員との格差を大きくしました。・・・「同一労働・同一賃金、公平な解雇ルール」は中小や非正規の勤労者にプラスです。昭和女子大学の特命教授/八代尚宏氏は「例えば解雇規制だと、欧州補償金の水準を月収の12-24カ月分などと法律で明記しているので、不透明な日本のように“企業の支払能力次第”ということがない。また日本では非正社員の雇用機会減少失業のリスクが大きくなるという現実が無視されている。世界に類例が皆無の“異様な正社員保護規定(正社員が派遣社員に代替されることの防止)が派遣社員を苦しめて”いる。・・一律に解雇される定年退職制も、米国などでは“年齢差別”として禁止されている。定年制とは正社員に対する“定年までの能力以上の雇用保障(賃金)”の裏返しだ。個々の社員の“職務内容と賃金バランス”が正常化されれば、定年退職制は不要となる。“年齢にかかわらないエイジフリー社会”を実現することで、高年齢勤労者と若年勤労者との“労・労対立”を防ぐことができる。」と日経新聞2015.3.20に寄稿しておられましたが、まったく同感です。官公労・大企業労組民主党、“厚生労働省規制太り”の利害一致労働各法を歪めるは止めて欲しいものです。マスコミ労連偏向報道を止めるべきです。日本社会では“労使対立よりも労・労対立の問題”の方が深刻な気がします。
世界を見渡せば「米合衆国独連邦に代表される多極型分権国家」に対し、何から何まで国が地方に口出しする「日本や日本ほどではないが仏など中央集権・一極集中型国家」の低迷が際立っています。成熟社会では「合衆国や連邦の分権国家」が一極集中型国家よりも復元力が高いといえます。国・中央政府の機能は「外交・防衛・通貨・金融・年金など」に絞り込むべきです。・・・情けないのは国会の低次元の論争内容です。・・・「議論が成立」するのは「論争当事者が知的判断の問題として論戦に参加」する場合のみです。143[ 2008.10.11 ]で前述した「知的議論の作法」(“事実と論証”の学術的作法、議論で新たな事実に基づいて変化修正を加えていく“知のスパイラル展開”)*2 こそが民主主義の原則です。国会議員が、国会議員の仕事を放棄して「揚げ足取り言葉狩り」ばかりやっているようでは亡国の売国奴のようです。・・・NHK籾井会長への“言いがかりのような論戦”に持ち込もうとする民主党には「大ばか者!国会議員の仕事をしなさい!」と言いたい。まして予算審議を人質にとって国会審議をマヒさせて政局をしかけるなど言語道断です。予算委員会とは無関係のしかも民主党議員の階猛(しなたけし)など「多勢で一人を吊し上げる人民裁判スタイル」です。“民主主義に対する言論テロそのもの”だし、左翼活動家の暴力闘争そのものです。こんな“知的議論ができない反日左翼活動家”の面々は民主主義を育てていくべき国会議員には不向きです。“イデオロギーとは信じるか信じないか事実なんてどうでもよい考え方”なので“相手が改宗するまで攻撃を続ける”のだから、事実と論証で修正を加えていく知のスパイラル展開など無理です。
地方自治体の首長が地元でのバラマキのための補助金交付金目当てに中央政府詣でを仕事と考えているようでは、地方創生は進みません。「自治体首長が率先すべき企業誘致産業振興など」です。何よりも稼ぐことが大切であって乞食乞いのような「中央政府詣で」ではありません。身近なお金ほど丁寧に使われますし、見えやすいので地方分権がベターです。
グローバル競争の現実を前に、企業も国家も生き残らなければなりません。数十年単位で未来を見渡していくと結婚子育てへの支援強化が必要と考えます。そのためには、既得権益集団(税食いタックスイーター規制による消費者価格へのタカリ)が牛耳る都市部地方議会の「オール与党・お手盛り政治」を改革していく地方政治家に期待したいところです。

*1: 北岡隆浩著 ISBN:9784907628208

*2: 山本七平著「日本人と組織」 ISBN:9784047100916