青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2017-10-15 206 主要政策と国防安全保障を 国民が選べる政界再編を

グローバル化の弊害である「中間層の所得減少」を改善し、「国防安全保障」の安心を高め、次世代に引き継ぐニッポンの未来を明るくする政策が望まれます。国民が政策で選択できるような政界再編が期待されます。

 安倍政権が分りにくいのは「政治主張は右派で保守なのに、実際にやってる経済政策は左派でリベラル」だからです。基盤とする自民党は反共で自由党民主党が合同した55年体制のままです。右派から左派まで幅広く同じ党内に揃ったことで、国民の選択狭くなったままです。国民は「反共」だけで投票するのではありませんから・・・。
日本の政党を右派から左派へとまとめてみると、国民の過半が保守なのに、政党の過半がリベラル寄り、つまり政界が国民よりも左寄りに編成されていることが分ります。・・・・維新は、自民党大阪府連から分裂して出来た政党ですが、「地方分権改革保守小さな政府」を代表する政党、安倍政権の自民党は「政治主張は保守だが、経済政策はリベラルの大きな政府」を代表する政党、希望は自称で改革派保守ですが、今現在ではよく分りません。立憲民主党は自称リベラルですが「国際的には左翼政党」です。これはこれで選択肢として大切な存在です。・・・世界に類を見ない難解なガラパゴス的存在が、社会民主党共産党です。ソ連崩壊後西側の共産党すべて解散したようなのですが、日本だけが残っていますが共産主義との関係がよくわかりません。社会民主党も何を目指しているのかよく分りません。・・・民進党立憲民主党と希望に分かれてくれて分りやすくなりました。自民党保守とリベラルに分かれて党内ではなく国民の前で政策論争をしてくれればと思います。以下、依って立つ政策原理について整理してみます。
 今の西側社会では「新保守主義リバタリアン/ネオリベラリズム)」とリベラル国際主義、欧州の社会民主主義が主要な選択肢ですが、いずれもグローバリズムを標榜してきました。歴史を振リ返ると、世界大恐慌民主党/ローズヴェルト大統領ケインズ主義ニューディール政策リベラル国際主義大きな政府に舵をとり、以降、第二次世界大戦後まで世界の趨勢となりました。1981年に登場した共和党/レーガン大統領ケインズではないハイエクフリードマン新自由主義で米ソ冷戦で勝利を収め、英国でもサッチャー政権新保守主義で英国病を脱して英国景気が上向きだして、以降、西側社会ではグローバリズムが主流になりましたが、リーマンショック以降反グローバリズムの動きも活発になっています。
 グローバル化一番恩恵を受けたのは中国共産党です。グローバル化を引き寄せて自国の経済発展に成功することで、国民の多くが豊かになり、中国共産党も延命できています。東南アジアなど多くの途上国もグローバル化の恩恵をうけました。がしかし、先進国では中間層の所得が減少するなどで、先進国内部の格差が激しく拡大しています。国境なきコスモポリタン的なリベラル国際主義や、新自由主義自由貿易弊害が大きくなってきています。そこで米国ではトランプ大統領が登場して「アメリカファースト」を主張し、英連合王国も国境コントロールの力を回復する声が高まりEU離脱を決定してしまいました。・・・九州大学准教授の施光恒(せてるひさ)氏はVOICE(2017.11)で「近年リベラル・ナショナリズム、つまり自由や平等、民主主義は安定したネイション(Nation)の下で最も実現する、グローバル化ナショナルな言語や文化が廃れ外国出身者が溢れれば、大多数の普通の人々は”我々の社会という意識”を抱かなくなり、公の問題への関心を持たなくなる。・・・日本の戦後リベラルは、ナショナルなもの軽視もしくは敵視してきた。広範な支持を得られずにきた大きな原因であろう。日本で今求められているのは、庶民のための経済政策を実施する政党である。愛国・経済左派の政党の出現が日本の民主主義の活性化のために求められている。民進党は主に愛国の点で駄目だった。」と寄稿していますが、中間層を分厚くしていくためにも、大きな政府小さな政府の両方から庶民のための政策連立政権なりで影響力を発揮して実行していく政党が発展して欲しいと期待します。
 1985年のプラザ合意以降、過去30年間の急激な円高、特にバブル崩壊以降の1994年以降の異常な円高に追い立てられたグローバル化の反面で、多くの企業が追い立てられるように外国に進出していきました。ポジティブな側面としては、地方企業のレベルまでの国際化が進み多くの日本企業が一回りも二回りも大きく成長できたことです。アベノミクスポジティブな側面は、異常な円高起こりにくくなったことです。安倍首相ポジティブな側面は「日本は中韓とは異質な国」だという理解を世界に広めてくれたことです。これからは有能な外国人を引き寄せて付加価値を生み出していくようなニッポンの一層の魅力づくりと、若者世代の子育て支援貧困層支援など、大きな政府、小さな政府、政策論争をしながら中間層をできるだけ分厚くしていけるような可能性に一票を投じ、仕事を通してそのような社会の実現に励みましょう。