青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

220. 平成の大変化を象徴する関西企業 時価総額で新旧交代

産業政策や民主主義にとって最適の規模といわれる「道州制」の規模にすると「起こっている変化がよく見える」ようになります。全国レベルでは埋もれて見えなかったことも、関西の単位くらいにすると「大きな変化」が見えてきます。時価総額でみると、平成元年(1989)に時価総額が4兆円に達していたのは、パナソニック関西電力の2社のみでした。ところが30年後の今、平成31.3(2019.3)現在では、トップのキーエンスがダントツ1位の8兆円で、これに日本電産任天堂の2社が4兆円超で続きます。

       日本一給与が高い会社キーエンスは、1974に尼崎で創業し、吹田市を経て高槻市で大きく飛躍し、今は新大阪駅の横に本社ビルが1百m越高層でそびえたっています。織田信長が、成長段階に合わせて居城を那古野から清洲を経て小牧へ、岐阜で飛躍し、最後は安土へと移転した発展の歴史と重なります。キーエンス時価総額8.4兆円関西企業としてはダントツ1位です。

         2位に1973創業の日本電産が4.2兆円、3位が花札からゲーム機の市場を開拓した任天堂で4.2兆円。4位がダイキン工業の3.8兆円、同社は業務エアコンから家庭用エアコンを拡大し、グローバル展開で飛躍しました。5位が1944創業の村田製作所で3.7兆円、同社は清水焼から電子部品用セラミックスを市場開拓して発展、6位が京セラの2.5兆円、7位が大和ハウス工業の2.3兆円。

         30年前に首位企業だったパナソニックは8位で2.3兆円。この30年間で3倍増の塩野義製薬が2.2兆円で9位、クボタが11位で2.0兆円、11位に自転車のインテルと称されるシマノが1.7兆円と続きます。

         土から姿を見せたつくしんぼタケノコのように、戦後生まれの小企業世界を相手成長を続けてきてここまできたという明るい変化です。これらの明るい変化も日本全体ではかき消されてしまってます。日本全体は「失われた30年」と「先進国最悪の経済不振」です。しかし独連邦米合衆国のように分権化された州の規模、維新が政策提言する道州制の規模だと、これらの変化がくっきりと見えるようになります。これらの明るい変化を時代の本流に押し上げて行かねばなりません。会社も行政も発展していくための適正規模がありますが、201[2016.7.31]や200[2015.12.31]で前述してますのでこれでとどめておきます。

         日本は、明治・大正・昭和一桁戦後復興世代が残してくれた蓄積を、平成の30年間で、団塊を核とする全共闘ノンポリ世代で食いつぶしてきました。国民の豊かさを示す一人当たりGDP最低賃金給与の伸び、これら全てで先進国最低にまでダウンしてしまいました。戦後の「一括採用・年功序列・ローテーション」に象徴される個人差を無視した一律で画一雇用システムが、価値を生まない「内向き権威主義政治的サラリーマン」の大量輩出を続けたからです。

         LIXILのように持株3%でしかない創業二世が会社まるごとで越権私物化できてしまうような株主不在未熟な株式会社と資本主義が温存されているからです。アトキンソン氏が指摘されておられるように「日本には資質を欠いた経営者が多い。世界4位の勤労者を雇って、先進国最低の世界28位のパフォーマンスしか生み出せていないのはその帰結だ。」はその通りといえます。競争や選抜を経ずに政治的にポストを得る政治的サラリーマンや創業二世が、日本経済の獅子身中の虫といえます。

        人々を豊かにしていくシステムとしては資本主義と株式会社や会社の制度に勝るものはそう見当たりません。新しい価値を生み出せるブルーオーシャン型のリーダー経営者に必要な資質です。日本電産永守創業者は「日本には管理職そのままの経営者みたいな人が多い」とコメントされたことがありますが、筆者/青草新吾は同感です。新しい価値を生み出すのではなくて、他人の労働の成果を吸い上げるだけのような方々は経営者とはいえません。

         米合衆国は資本主義の行き過ぎの弊害もありますが、日本は逆です。未熟なままの資本主義と株式会社の制度、マネジメントの根幹である勤労者の動機づけにまで頭が回らない資質を欠いた経営者や政治家、役人が低迷の主要因だと感じます。価値を生み出す力が弱い日本では「格差よりも貧困化」が問題の本質です。全体を豊かにしていくためには価値を生み出せるリーダーもっと応援し、経営者の本流になってもらう必要があります。

            全体を豊かにしていくには、株主的思考ができる社員、会社に使われるのでなく会社を使う社員・・・が本流になるようなビジネス社会に変えていく必要があると感じます。