製造業とサービス産業の雇用規模に関し、自動車産業は、統計上はサービス産業に分類される自動車販売業で「製造業の3.7倍を雇用」しています。国際競争力が高い製造業は、製造業の雇用に加えて、より大きな雇用をサービス産業で創出します。
前述の人見勝人氏のレポで製造業従事者が888千人、同様に後述のしごと館で用品や中古車も含めた消費財流通の自動車関連の販売店員が3,361千人であると把握できます。雇用の点で、製造業と消費財流通の雇用吸収力は1(888千人):3.7(3,261千人)であることが判ります。
google:しごと館 自動車販売店員 自動車販売業の店員雇用は3,361千人。
自動車製造業がアウトプットする付加価値は、ノウハウの固まりともいえる設備や生産システムから生み出される割合が高いので資本集約型とも云われます。更に継続的改善やイノベーションによる労働生産性の向上が持続する傾向にありますから単位生産あたりの雇用は減少が続く傾向にあります。
一方、自動車販売業では、サービス産業の特性である消費者の心地よさの充実や充足の訴求により労働集約型とも云われますから、労働生産性の向上は製造業よりも難しい、といえます。