青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

半導体デバイス

150-1/2. パワーデバイスでSiC

日本の産業集積で勝利の方程式は“強い素材と部材を使ったデバイス”ですが、今まさにテイクオフしつつあるのがSiC(炭化ケイ素)ウエハーとSiCを使ったSiCパワーデバイスです。 前頁158で新日鉄子会社の新日鉄マテリアルズがパワーデバイス向けのSiC(炭化ケイ素…

116-2/2 省エネで車載LED

自動車へのLED搭載が進行中です。 トヨタ自動車が、世界で初めてのLEDヘッドランプをレクサスに搭載しました。120で前述した第1回固体照明国際会議(White LEDs 2007)では、小糸製作所がトヨタのレクサスに搭載されたLEDヘッドランプを中心にLEDフォグランプ…

115-2/2 紫外LED

紫外線はねずみや鳥には見えても人間には見えませんが、LEDの進化で紫外線の活用領域が広がっています。 ナイトライド・セミコンダクターのUV-LEDの市場開発に関し半導体産業新聞2007年12月5日付は「ナイトライド・セミコンダクターは新たなUV-LEDの用途を開…

114-3/3 省エネでLEDとOLED(有機EL) 

LCDバックライト向けで有機EL(OLED)や新種のLEDが生産を増やしていきます。 OLED(有機EL)照明に関し、東北デバイスの副社長&COOの赤星治氏は半導体産業新聞2007年11月7日付で「2006年4月に白色有機ELパネルの量産工場を竣工し、バックライト光源用で月産200…

114-2/3 省エネ 照明デバイスで

省エネ効果が高いLEDやOLED(有機EL)への事業展開が広がりを見せています。 省エネデバイスということでは電源分野の103[インバータ]、104[パワーデバイス]、113[スイッチング電源]などを前述しましたが、照明分野ではLEDが同様に省エネデバイスといえます。 …

112-2/3 LED照明で日亜化学と韓国サムスン

LED分野の事業戦略と生産財マーケティングに関し、韓国サムスンとの競合が強まる日亜化学が参考になります。 日亜化学の記述に入る前に、日亜化学でLEDを開発しながらも日亜と袂を分かった中村修二氏の近況報道について記述します。中村修二氏は、今は米国加…

化合物半導体ウエハーの供給では、総合1位が住友電工、2位が日立電線、3位が三菱化学、と日本勢が上位を独占しています。

Electronic Journalのレポートによると、2005年度の化合物半導体のエピタキシャルを含めての世界需要は約770億円で、世界シェアは、1位の住友電工が19.9%、2位の日立電線が15.8%、3位の三菱化学12.3%、4位のFreiberger11.7%、5位の昭和電工8.4%、以下、米Kop…

中村修二氏が端緒を切った青色LED以降に動きだした窒化系半導体では、従来のサファイア基板に加えて住友電工がGaN(窒化ガリウム)ウエハーで、DOWAがAlN(窒化アルミ)ウエハーで事業拡大の動きを強めています。

住友電工が独走する上述のGaN(窒化ガリウム)ウエハーに関しては「古河電工が次世代DVDで使われる青色レーザーダイオードで私用される窒化ガリウム基板ウエハーの量産を2007年から月産800千枚の能力で開始、量産後は需要に応じて設備を増設する。」と日経新聞…

化合物半導体ウエハーで世界トップの住友電工(GaAs40%、InP50%、GaN100%)の基本戦略は、業界を俯瞰する上で参考になります。

半導体事業部長の横川正道氏は半導体産業新聞2006年12月13日付で「2006年度中間期は売上高106億円で過去最高を更新した。結晶工程を海外で行う考えはなく、すべて日本で行っている。エピまでがウエハーメーカーの仕事と考えており、新たな事業展開を検討して…

化合物半導体ウエハーで日本企業は世界シェアの過半を獲得できており、日本企業の競争力が高いという点で19と20で前述のシリコンウエハーと同様です。

化合物半導体ウエハーの需要規模はシリコンウエハーの6-7%で、素材別需要では6割がGaAs(ガリウム砒素)、2割がGaP(ガリウム燐)で、残るその他大勢の2割にはInPや次世代の窒化系などが含まれます。 単結晶の供給企業が顧客関連のプロセスを形成しているのは、…

日本企業が圧倒的な強みを発揮しているハイテク素材の一つが化合物半導体です。3G携帯電話の高周波デバイスや半導体レーザーやLEDのような発光デバイスで需要増加に加速がつき始めています。

マテリアル系生産財を象徴する化合物半導体ウエハーは、非鉄製錬や電線製造の周辺で志を持った方々が数十年の雌伏の時期を支えてきた事業ですが、高周波デバイスと発光デバイスへの需要の高まりで事業拡大へとドライブがかかり始めました。17で前述の「100年…

車載用途でハイブリッドICの需要が堅調で、派生需要で電子基板のパッケージ基板(モジュール基板)の需要も堅調です。

半導体産業新聞2006年8月9日付で「ハイブリッドICの全世界の需要規模は2兆円前後、日本では国内生産額に輸入額をあわせた3千2百5十億円。車載向けでは、特にアルミ基板や耐熱特性が要求されるセラミック系基板の需要が好調。銅基板はアルミ基板に比較して熱…

自動車の電子化でパワーデバイスの搭載点数の増加が続いています。ハイブリッド車の登場でIGBTモジュール(パワーモジュール)も使われるようになりました。

モータ、ソレノイドバルブ、ランプ、点火コイル、DC/DC電源、などのパワーマネジメントでパワーデバイスが使われています。例えばMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)は1台あたり約200個使用されているそうです。半導体新聞2006年12月6日付けで、…

自動車生産のコスト比率でエレクトロニクスの割合が高まり続けていますが、ハイブリッド車のコストの凡そ半分がエレクトロニクスだそうです。

自動車生産コストで、半導体と電子部品を含めたエレクトロニクスが占めるコスト比率に関し、トヨタの事例では、コンパクトカーで15%、高級車28%、ハイブリッド車47%と紹介されています。69.で前述の通り、トヨタはハイブリッド車がパワー半導体とロジックLSI…

ゲーム機と半導体の関係に関し、半導体デバイスの進化でマシンの能力が高まり、高まった能力を何に使うか?でソニーと任天堂が両極分化したようです。

半導体産業新聞2006年10月25日付でエンターブレイン社長の浜村弘一氏は「任天堂のWiiは最初から玩具を目指しておりファミリー層に受け入れられ易い。ソニーのPS3は非常にパワフルなCPUであるCELLを搭載した最高性能のCG(コンピュータグラフィックス)マシンな…

ゲーム機に関し、1989年(明治22年)創業の京都企業で花札メーカーだった任天堂がテレビゲームを経由して1983年のニンテンドウでファミコン市場を切り開いた当時の黒子の主要な一部が半導体デバイスでした。

半導体デバイスの進化は、様々な最終製品のスパイラル展開のドライバーとなります。半導体産業新聞2006年11月15日付で「04年当時、32ビット機はPS1、セガサターン、REAL、PC-FXが揃い踏みし、任天堂は次のウルトラ64を投入すべく、16ビットのスーパーファン…

ソニーの次世代ゲーム機PS3に搭載されている半導体「CELL」は、ソニーが米国IBMや東芝との共同開発で実現した「ゲーム機用途に止まらないウインテルを超える家庭用コンピュータのMPU」で、ソニー自身も2003年度以降3年間の半導体投資5000億円の主なる部分を投入したそうです。

投資で耐久生産財やMRO間接生産財などの需要が生まれ、投資後の量産で電子部材などのマテリアル系生産財や、金型などMRO間接生産財の派生需要が生まれます。 半導体産業新聞2006年10月25日付で「11月11日に国内販売が開始されるPS3のメーンCPUはソニー・IBM…