青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

88-3/3 欧州主導の排出権取引

欧州(EU)が主導する排出権取引は本来の目的であるCO2の削減には寄与しないことも多いのですが、少なからぬ日本企業が知恵を絞って実利を伴う排出権を獲得しています。 せっかくの京都議定書を歪める要素になり易いのが排出権取引のメカニズムです。省エネ先…

88-2/3 エネルギー効率トップのニッポン鉄鋼産業

産業別エネルギー消費に関し、日本の鉄鋼産業のエネルギー効率(製品単位当りエネルギー消費量)は世界トップで、中国や米国の鉄鋼産業よりも2割ほど省エネです。正に産業集積による競争力の典型事例といえます。 日本鉄鋼連盟は2008年夏開催の北海道洞爺湖サ…

88-1/3 エコプロダクツとエコサービス

温暖化対策は民間の企業の営利行為やNPOの収益事業で進化発展します。政府が主な役割である環境整備を進めることでエコプロダクツやエコサービスがビジネスとして盛んになります。 日本のCO2排出量に関し、経産省の発表によると2005年度の総排出量は1,206百…

87-3/3 環境規制の強化。日本企業にとっては追い風

環境保全活動で先行投資してきた日本企業、とりわけエレクトロニクス業界や自動車業界の各社にとっては、環境規制の強化は追い風といえます。 ISO14001認証登録状況に関し、アイソ・ワールドの統計http://www.ecology.or.jp/isoworld/によると2007年1月現在…

87-2/3 環境に関わる要求事項で有害物質規制

グローバル企業に対する社会の要求事項で、温暖化ガス削減では京都議定書、有害物質規制ではELV 、WEEE 、RoHS、REACH・・が[環境に関わる要求事項]です。 温暖化ガス削減は国際法の領域で1997年12月の京都議定書、その後に欧州では2003年7月に自動車分野の…

87-1/3 ローマクラブの成長の限界(宇宙船地球号)から30年。QCDSに加わったE。

ローマクラブが成長の限界(宇宙船地球号)を1972年に発表してから30年を経た今日、地域法の欧州指令などが次々に施行され、生産財営業ではQCDSに加えてE(環境)が主要な取引基準に加わりました。 筆者/青草新吾の学生時代(1975年前後)にはローマクラブ(成長の…

2007-06-16 86-4/4 日本の強みは機能材料・機能部材

国際競争力が強い日本の製造業の「裏の競争力」の一つが、資源から元素抽出されたマテリアル生産財に更なる機能と価値を付加してマテリアル系生産財に仕立て上げるプロセス技術です。 松下電器の材料開発に関し、2005年9月1日付電波新聞は「パナソニックエレ…

2007-06-16 86-3/4 マテリアル系生産財

マテリアル系生産財による部材の競争戦略に関し、東証上場で愛知県尾張旭市のMRUWAや京都市のクリーンベンチャー21の事例が参考になります。 MARUWAは回路部品用のセラミック材料からスタートして今は電子部品の製造までを手がけています。日系ビジネス2007…

2007-06-16 86-2/4 電子部品の内訳で受動部品 村田製作所やTDK

電子部品の内訳で、受動部品については村田製作所やTDKのような素材から部品までを一貫加工する企業の強さが際立っています。 日本生まれの素材に関し、日本で発明されたフェライトを世界で初めて工業化したのがTDKで、チタン酸バリウムを使った積層セラミッ…

86-1/4 営業日報

営業日報に関し、IT日報(SFA)の有用性を説くNIコンサルティングの長尾一洋氏は、「御社の営業がダメな理由」*1の著者の藤本篤志氏のような日報無用論には困ったものだ、と述べておられます。 WEDGEの広告頁「長尾一洋の営業改革ノート15」でNIコンサルティン…

85-4/4 非鉄金属業界から電子基板へ

統計上はフレキシブル基板(FPC)に含まれることが多いテープ積層板(FCCL)に関し、非鉄製錬系では三井金属が総合トップですが、内訳の2層基板ではめっき方式でトップの住友金属鉱山に加えて日鉱金属が参入しています。 47と57で前述した電子基板材料のテープ積…

85-3/4 非鉄精錬7社のスパイラル進化

非鉄精錬7社の歴史から産業構造がスパイラルに進化していく様々な事例をみることができます。 非鉄製錬企業の多くが40年前に一度ピークアウトして、30年前に構造不況業種といわれるようになり、長い忍耐の時代からのスパイラル展開で、今はグローバル市場で…

85-2/4 非鉄金属と電線

三井金属の中間素材や住友金属鉱山の電子・機能材などの非鉄製錬7社から電子材を担当する部門の業績を抜き出して合計すると、2008年3月期予想で年商8千5百億円、営業利益667億円です。 非鉄製錬系企業による電子材料事業は、業界横断的に見渡すと一大産業の…

2007-06-09 85-1/4 営業プロセスと販売プロセス

営業プロセスを語るIT系企業の多くで営業プロセスと販売プロセスの混同がみられます。営業生産性の改善を企画(ISO9001では7.3設計開発)し実行していく上では、営業プロセスと販売プロセスの違いを区別しておいた方が何かとベターです。 組織営業で求められる…

84-5/5 特殊鋼とステンレス製品

ステンレスも鉄鋼製品と同様に汎用材のグローバル寡占化が進み、日本メーカーの各社は生産量でこそ小粒な存在になりましたが、技術面での競争優位を活かした高付加価値な高級製品へのシフトを加速しています。 鉄鋼新聞2007年1月10日付けでステンレス各社の…

84-4//5 ステンレスでクロム系

クロム系ステンレスでは、旧川崎製鉄の流れを汲むJFEスチールと新日鐵の流れを汲むNSSC(新日鐵住金ステンレス)が他を圧倒してきましたが、生産量で世界最大手の独ティッセンとミッタルに傘下入りしたアルセロール・ミッタルの両社がクロム系の生産拡大を発表…

84-3/5 グローバル化と世界のステンレスメーカー

国際ステンレスフォーラム(ISSF-11)が京都で開催された御蔭をもって、世界のステンレスメーカーのトップ方針を身近で見聞きする機会が増えました。 日新製鋼の提携先でステンレス世界2位のアセリノックスが2008年には世界トップに躍り出る計画を発表しました…

84-2/5 世界のステンレス生産と中国の伸び

世界のステンレス生産は、2001年の19百万トンから06年に28百万トンへと5年間で47%も増加し、年率に換算すると8%成長となります。 国際ステンレスフォーラム(ISSF)が発表した統計によると、世界のステンレ生産は粗鋼ベースで、05年実績/24.28百万トン、06年実…

84-1/5 日本の貿易相手国で米中逆転

日本国の貿易額統計の相手国別で、2006年度は戦後初めて中国が米国を上回りました。日中経済の相互補完関係の強まりを示す象徴的な統計となりました。 電産新報2007年5月21日付で財務省の貿易統計速報を紹介していましたが「これまで中国に香港を加えると04…