青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

84-3/5 グローバル化と世界のステンレスメーカー

国際ステンレスフォーラム(ISSF-11)が京都で開催された御蔭をもって、世界のステンレスメーカーのトップ方針を身近で見聞きする機会が増えました。

日新製鋼の提携先でステンレス世界2位のアセリノックスが2008年には世界トップに躍り出る計画を発表しました。これに対し、世界トップの独ティッセンは世界シェアトップを維持するとしています。以下で、日刊産業新聞の報道から抜粋してみます。
2007年5月21日付によるとスペインのアセリノックスのビクトリア・ムニョス会長は競争戦略に関し「年産能力3.5百万トンに拡大する08年には独ティッセンクルップを抜いて世界一になる。主眼は競争力の強化。償却が進んだ低コスト操業が強みのアセリノックス、鋼板でシェア30%超を握る米国のノース・アメリカン・ステンレス(NAS)、電力コストやクロム資源と競争力のある従業員で優位性のある南アのコロンバス・ステンレス。これらの競争力を活かし、需要拡大に応える。3.5百万トン以降の拡大も検討中で、中国ではなく東南アジアからインドにかけた幅広い選択肢から。11%の株主である日新製鋼とは米自動車用鋼管事業の協力に続いて、インドで冷延工場新設に向けた調査を進めており、37年間続いた緊密な提携関係を通じた利点を引き続き追求する。」と述べたそうです。
翌日5月22日付はフィンランドオウトクンプ社で上級副社長のニーロ・スータラ氏は高付加価値化戦略に関し「主力のトルニオ工場では4月にバッチ式焼鈍炉を稼動し、年産60千トン体制でクロム系冷延の本格生産を開始した。スエーデンのニイビー工場では表面研磨機を導入し、ポーランドではサービスセンターを新設するなど、冷延以下の工程を増強することで付加価値を高める。07年の生産量は、ステンレス粗鋼2.3百万トン出荷量1.81百万トンだった06年並の見通し。主力のトルニオ工場は粗鋼1.35百万トン、鋼材1百万トンと過去最高だった06年並になる。」と述べておられました。