エネルギーデバイス
リチウムイオン電池(LIB)は「平成元年(1989)にソニーが世界初の上市」を行い、上市から31年を経て「発明者の一人である旭化成/吉野彰さん」のノーベル賞受賞が決定しました。・・平成元年とは、中国の八九六四(天安門事件1989.6.4)の年でもありました。民主…
エネルギー問題は、生産財営業の視点からは創エネ、省エネ、蓄エネという三つのセグメンテーションで把握できます。 エネルギーの安定供給は、産業を維持し発展させていくための必須の必要条件です。エネルギーについての科学的で論理的な知見が必要です。特…
太陽光発電システムに関するニュースが日常的に報道される今日この頃ですが、当産業分野での日本勢の強みは何と言っても“材料・部材の全般”と“一部の製造装置”です。 太陽光発電システムとは、太陽電池(PV)を使った発電システムのことですが、太陽電池を製造…
21世紀初頭の2001年から2009年にかけて太陽電池(PV)は一大産業分野に変貌しました。今一度、生産財営業の視点からデバイスと主要部材とを俯瞰してみます。 資源総合システム・社長の一木修氏はElectric Jpurnal[2010年3月号]で「過去10年間で、太陽光発電市…
今の太陽電池でも、全世界の砂漠の4%程度の面積で、全世界の1次エネルギー消費量を賄えるそうです。 日本政府は太陽電池の導入促進政策で“2020年に太陽光発電産業で雇用110千人を創出”し“日本の太陽電池の世界シェアを現在の20%弱から33%へ高める”ことを目標…
蓄電デバイスではリチウムイオン2次電池や電気二重層キャパシタ(EDLC)など、発電デバイスでは燃料電池や太陽電池など、これらエネルギーデバイスは日本文明の伝統に育まれたマテリアル系の素材・部材技術に支えられています。 パナソニックがリチウムイオン…
ハイブリッド車(HEV)は瞬間的に大電流を流しやすいニッケル水素電池が主流ですが、電気自動車(EV)では電力貯蔵の容量が大きなリチウムイオン電池へのニーズが高まります。 陸上の輸送手段の動力源が“分散発電と電力貯蔵を組み合わせた電動モーター”へとパラ…
日本の製造業で、国内生産と雇用創出の最後の砦は“素材と部材”のマテリアル系生産財です。リチウムイオン電池の部材は日本企業が世界シェア8−9割を占めています。 最近のリチウムイオン電池の開発動向について、オートモティブエナジーサプライ社は電波新…
リチウムイオン電池は、パソコンや携帯電話などのポータブル用途の小型電池で立ち上がって進化してきましたが、今は車載や産業といった分散電源用途の大型電池が本格的立ち上げのステージに入りつつあります。 リチウムイオン電池について、105/106[2007.9]…
温暖化ガスの排出削減と脱石油社会(低炭素社会)の実現を進めていく上では、日本国内に集積するパワーエレクトロニクスの“デバイス・制御技術”が、国益と世界益の両方を実現できる主要なドライバーの一つとなります。 157でインバータを記述しましたが、大出…
省エネ・低炭素社会へと向う追い風が吹く中で、日系企業が世界シェアの凡そ半分を獲得できているインバータは、日本経済を下支えしてくれる産業分野の一つです。 155でインバータエアコンについて記述しましたが、例えばビル空調でインバータを使用すると電…
エアコン産業は先進国では成熟産業と思われていた時期もありましたが、インバータ技術との新結合(イノベーション)によるスパイラル展開で新たな市場が拡大中です。 モーターの駆動をインバータ制御にすると、大幅な省エネを実現できます。インバータ制御とは…
グローバル化の中で、水平分業モデルと垂直分業モデルの両方が進化を続けていますが、太陽電池やHDDの世界では垂直統合モデルがしのぎを削っています。 太陽電池の垂直統合モデルとシャープの太陽電池コンビナート計画(堺市)を109で前述しましたが、半導体産…
エネルギー変換に係る機能部材(マテリアル系生産財)の機能を高めることで省エネが推進されています。 エネルギー変換の自動車エンジンと燃費改善に関し、日刊産業新聞2007年10月25日付は「神戸製鋼所は、次世代型として開発した超高強度弁ばね用鋼(KHV12N)が…
スイッチング電源はエネルギーの変換効率100%に向けて進化が進みます。 パソコンMPUの低電圧大電流化に関し電波新聞2007年10月1日は「MPU電源に代表されるように、出力の低電圧、大電流化と分散化給電への対応が注目されるが、MPU電源では、1.2Vで80…
スイッチング電源に関し、JEITAは、2010年世界販売高1.72兆円、2006年から2010年まで年平均6.2%の成長を予測しています。 スイッチング電源は、携帯電話のアダプターから基地局電源、あるいはFA機器や半導体製造装置などの産業機器向けまで多岐に亘ります。…
太陽電池(PV)用の製造装置では、1)ターンキーソリューションでポストFPDを狙う企業群と、2)単体装置で受注を狙う企業群、3)他企業との協業でライン一括受注を目指す企業群が三つ巴で商戦を展開しています。 太陽電池製造装置の営業展開に関し半導体産業新聞2…
太陽電池向け部材では、電線業界、化学業界、鉄鋼業界・・等々、旧来の産業分類で様々な業界からの参入が続きます。 業種分類で非鉄からは、東証・大証に上場のオーナンバの太陽光発電配線ユニット(PVU)に関し日刊産業新聞2007年10月22日付は「19日、2008年…
急成長が続く太陽電池の分野では太陽光からのエネルギー移転と同様に、様々な方々の志が発するエネルギーも移転されて進化が続きます。 多くの創業者の方々が起業してから生き残りのために発揮した図向けた営業力(営業能力)を55で前述しましたが、日経ビジネ…
有機太陽電池の色素増感型(DSSC)は、実用化に向けて研究段階ですが、結晶シリコンや薄膜系の光電変換と異なり、光合成の原理の応用です。 有機太陽電池に関し、上述の半導体産業新聞2007年10月10日付で「太陽電池の劇的なコストダウンでは、有機系太陽電池が…
シリコンを使わない非シリコン太陽電池では薄膜化合物(CIS)太陽電池も立ち上がり始めました。 CIS太陽電池とは、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)を基本元素とした薄膜多結晶の化合物半導体を用いた太陽電池です。多くの場合はガリウム(Ga)を添加するので…
自然の摂理の中の人類の営みによる資源価格高騰で、再生可能エネルギー、とりわけ太陽電池の発電コストが経済性に見合うものへと近づきつつあります。 太陽光発電システムの総合効率と原価低減の両方で急激な改善が進んでいます。半導体産業新聞2007年10月10…
球状シリコンの太陽電池では、京都のクリーンベンチャー21(CV21)が次月2007年10月に国内初の量産立ち上げに踏み切るそうです。 球状シリコンが優れているのは1)省資源でバルクシリコンのような切り代(カーフロス)が発生しない、2)省エネで製造に要するエネル…
太陽電池向け需要の急増によるシリコンウエハーの供給逼迫から、省シリコンを実現する薄膜シリコンや球状シリコンの太陽電池、及びCIS太陽電池への期待が高まります。 シリコン消費量に関し、薄膜シリコンは多結晶の1/100の、球状シリコンで多結晶の1/5ぐら…
太陽電池では上述の独Q-Cellや中国のサンテックなど、成長分野では、グローバルな資金調達と一気呵成の急峻な生産拡大で世界企業になる若い企業がよく出てきます。 太陽電池の供給では、シャープ以下の日本勢が上位を独占してきましたが、海外の新興企業の伸…
太陽電池の発電容量(設備容量)では、ドイツが2005年に日本を抜いて世界最大の太陽光発電国となりました。太陽電池の供給では、首位のシャープが世界最大の工場建設を発表し、世界2位の独Q-Cellsが日本に進出しました。 自然エネルギーの太陽光への夢が膨らみ…
太陽電池(PV)は2000年以降は需要急増が続いていますが、更に多様化でシリコンを使わない薄膜化合物の生産も立ち上がり、有機系太陽電池の量産も足音が聞こえ始めています。 生産財営業の標的は派生需要であり、太陽電池の派生需要は部材や設備です。生産財マ…
燃料電池(FC)の大型では、コージェネ用の実用化・製品開発が加速しています。 コージェネに関し、102で産業用あるいは家庭用で東京ガスや松下電器の商品開発を前述しましたが、コージェネ用燃料電池では京セラの新規参入について電波新聞2007年2月7日付が「…
携帯電話などのモバイル機器の電源に関し、燃料電池の足音が聞こえ始めています。 携帯機器の小型電池に関し105でニカド電池からニッケル水素電池を経てリチウムイオン電池へとより高いエネルギー密度を求めての電源シフトを記述しましたが、今はリチウムイ…
発電デバイスに関し、太陽電池は2000年以降に年率140-150%の勢いで需要急増が続いており、燃料電池も徐々に商業生産が拡大する段階に入りつつあります。 燃料電池は小型よりも大型の実用化が先行し、SOFC(固体酸化物型)が産業用コージェネで、PEFC(固体高分…