青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

組織能力と競争力

221 令和は「会社組織を活かした自営業的働き方」でより幸福に

「会社組織を生かせない日本社会」を象徴する産業が漁業です。同じ漁業大国なのに、ノルウェー漁業者の一人当たり生産量は日本の8倍で、平均年収も日本の3-4倍の9百万円、40歳以下の若者が全体の4割で、人気の職業です。この日諾 ( ノルウェー ) 両国の漁業者格差…

2018-08-24 213.合理的なリーダーがもたらす やる気と生産性

相撲協会、日大アメフト、ボクシング連盟や、"内向き大企業病"が蔓延して沈滞ムードの会社等々・・"戦後日本型組織”のニホンザル的な威圧恫喝型リーダーの旧弊が目につきます。日本を低迷させる主要な原因の一つです。"人材が価値を生み出す時代"に求められ…

2017-12-31 208.会社も相撲協会も「プロの真面目さ高潔さ」で更なる発展を!

相撲協会も東芝も不祥事の根っこは同じです。日本型組織の構造欠陥です。日本型組織は相互協調的自己観*1ですから、内在する衰退惹起サイクルの歯止めの楔(くさび)を打ち込んでいない会社では、集団に溶け込み埋没した個人が組織のためと称して反社会的なこ…

146-2/3. サブプライムの危機から見えたトンネル

サブプライム問題に始まる金融危機と実体経済の悪化という危機のトンネルを抜け出した後の世界市場について多くの方々が“低価格品への需要シフト”や“モジュール化への一層の動き”を予想しておられます。 電機関連企業の2009年度入社式で、パナソニックの大坪…

143-3/3. ニッポン電子部品産業の方向性

世界シェア5割を獲得している日本の電子部品産業ですが、今大きな転換点に立っています。台・韓・中の追い上げに対し電子部品各社は固有の独自能力を核とした製品の高付加価値化に邁進中です。 昨年秋口からの急激な生産減少に関し、電子部品業界の一部では…

140-5/6. パラダイム転換で能力開発の工夫

外部環境として経済活動の価値観(パラダイム)が転換していく流れにあって、生産財営業に携わる経営者と事業幹部、セールスパーソンの能力開発の工夫も本稿のテーマです。 昨年2008年は、生産財営業で最大の輸出先である中国経済の変調が見え始めたことから中…

122-2/3 ISO 9000sと営業プロセス

名古屋NKS社の社長/松尾茂樹氏は、ISO9000sを活用した事業再編に止まらず、営業プロセスの改革にまで踏み込んだ経験を上梓してくれています。 中堅中小企業にとっては、ISO9000sは安上がりな改革ツールとなります。筆者/青草新吾が目を通した十数冊のISO9…

121-1/2 日本型組織とISO9001

ISO9001に代表されるISOのマネジメントシステム(MS)が文明の利器となるか、逆に無用の長物となってしまうか・・は導入企業の組織文化や経営システム次第といえるかもしれません。 お酒(日本酒)の味は素材(水と米)と腕前(杜氏の麹造り)で決まりますが、同様に…

120-1/2 ISO9001とマネジメントシステム

日本型組織には長短紙一重の共同体的要素から派生する短所が内在することも多いのですが、短所への歯止めという点では、ISO9001のようなマネジメントシステムは、とても有効性が高い経営ツールといえます。 TQMやISO9001は、欧米のマネジメント概念(考え方)…

2008-3-8 119-1/2 日本型組織が持つ毒と薬

西洋の企業組織は機能体(ゲゼルシャフト)ですが、日本企業には薬にも毒にもなる共同体的要素が混じっています。薬にして持続する組織もあれば、毒となって衰退する組織もあります。 機能体(ゲゼルシャフト)とは、軍隊や企業あるいは官庁など、外部に働きかけ…

118-1/2 日本型組織と強い機能集団

組織生産性や組織競争力の点で、強い日本型組織とは、強い機能集団を内部に編成できている組織といえそうです。 125で前述通り米国は制度型組織であり日本は運用型組織です。日本の運用型組織は「集団への帰属意識を求心力とした役割構造を重視」しています…

2008-2-8 117-1/2 組織論で外来知識の日本化 /7 Eleven、ミスミ、京セラなど

外来知識の日本化に関し、セブンイレブンやトヨタ生産方式のかんばん方式の事例からは、トップダウンのリーダーシップと和魂洋才が感じ取れます。 セブンイレブンのコンビニ展開やトヨタ自動車のかんばん方式における日本化(Japanization Process) の事例か…

116-1/2 組織論で欧米と日本の違い

組織生産性を左右する組織デザインでは、欧米の手法知識を鵜呑みせずに日本化する能力、加えて自社固有の独自能力を活かす工夫が勝負どころのようです。 組織経営や事業経営及び生産財営業を考える上では、日本人全般が共有する思考メカニズムを理解しておく…

115-1/2 松下電器にみる事業部制の進化

事業部制の利点と弱点並びにスパイラル展開を経ての克服事例を松下電器(パナソニック)が提供してくれています。 組織の大小に関わらず、多角化事業では事業部制が向いています。反面で事業部制とは分権化による弊害も生じやすい組織形態であるともいえます。…

114-1/3 組織生産性で分業

規模の経済が働く機能別分業の組織デザインでは、トヨタ自動車に代表される職能別組織と、松下電器(パナソニック)に代表される事業部制組織がモデルを提供してくれています。 自営業などの一人組織の中には、ISO9001(業務品質)の認証取得にチャレンジされる…

112-1/3 組織生産性で集団規模 生態学的集団から認知的集団 大組織へ

企業など機能集団の組織生産性は、例えば営業部門でも単なる並行分業から機能別分業の編成にすることで生産性が高まる場合が多いようです。 英語のcompanyには、会社という意味の他に陸軍の歩兵中隊という意味があります。陸軍中隊は世界共通に概ね150-200人…

2007-12-22 111-1/2 組織デザインと生産性/ ミスミや松下電器など

企業とは営業(事業を営むこと)を推進する組織ですが、組織の生産性は組織デザインの出来不出来によって向上したり低下したりします。 組織デザインの秀逸事例に関し、例えば生産財商社のミスミは「小さな組織で、創って、作って、売る、のサイクルを回すのが…

110-1/3 健康な組織の正当性パワー・同一化パワー・情報パワー

組織とは組織目的を持続的実現するために編成される責任と権限の体系ですが、意思決定への影響力は必ずしも組織通りとは限りません。 生産財調達の意思決定モデルである購買センター概念を72[本稿抄録]や7[生産財と消費財の違い]で記述しましたが、組織の中…

109-1/4 組織論で自己愛障害とEQ

戦後日本は、学校やマスメディアの多くが人格障害培養器みたいになっていますから、組織論の分野でも自己愛障害とかEQ(情動マネジメント力)に係る課題が拡大していく一方のような気がしています。 GHQと日教組が展開した伝統倫理破壊、欧米が優れていて東洋…

108-1/3 組織論や営業プロセス論と深層心理や心的エネルギー

組織論や営業プロセス論に人間社会のドロドロした深層心理や心的エネルギーの課題を現実課題として加味することは、知識の有効性を高める上でとても価値があるアプローチだと思います。 守屋前防衛省次官が逮捕されたとの報道に接しました。部下には綱紀粛正…

2007-11-25 107-1/3 組織論で自己愛障害リスク

組織論の上で自己愛障害リスクとは、営業(事業を営むこと)、即ち顧客に付加価値を提供して売上と収益を稼ぐという根本業務の能率低下と自分のやるべき仕事をこなすことに重きをおく仕事志向の社員の士気低下にあるようです。 「自己愛パーソナリティのキーワ…

2007-11-18 106-1/3 組織論で自己愛障害リスク

組織論を掘り下げていく上で、自己愛性人格障害に起因する生産性低下と組織崩壊の研究は、実際的で有効です。 複雑な事象に対しては禅語の惺々著(眩まされるな!)の心構えが何かと役に立ちます。自己愛性人格障害から放散される事象は眩まされやすいようなの…

105-1/2 厄介者の権力とパーソナリティ障害

組織論でいうところの厄介者がパーソナリティ障害(認知行動障害)と重なっている事例も多々あるようです。 下述の自己愛的な病的性格者と113で前述の一ツ橋大学大学院教授/沼上幹氏が研究発表された[誹謗中傷をして回る厄介者]や[外部に獰猛なトラを仕立て上…

104-1/3 組織論で厄介者の権力とキツネの権力

健康な組織は、人間の創造的エネルギーを高めます。反対に機能障害と腐敗が進む病的組織は人間の仕事を邪魔します。 厄介者やキツネのような奇妙なパワー(権力)が跋扈する病的組織は人間のエネルギーを低めます。組織論の上で判りやすい醜悪見本は、例えば20…

2007-06-16 86-4/4 日本の強みは機能材料・機能部材

国際競争力が強い日本の製造業の「裏の競争力」の一つが、資源から元素抽出されたマテリアル生産財に更なる機能と価値を付加してマテリアル系生産財に仕立て上げるプロセス技術です。 松下電器の材料開発に関し、2005年9月1日付電波新聞は「パナソニックエレ…

日本国がものづくり競争力を維持していくためには「生産財で基幹となるマテリアル系の材料や部品・デバイスをグローバルに供給し続けること」が必要条件です。

マテリアル系の基幹材料や部品・デバイスのスパイラル展開とイノベーションで世界の最先端を走り続けるためには、国内では先端製品の開発・試作・製品化・量産を維持していかねばなりません。そのためには大企業だけでなく、ものづくり支援プロセスを形成す…

生産財営業のベストパフォーマーは、徒手空拳で顧客を開拓しキャシュを獲得して経営をやりくりしていた起業当時の創業者又は創業パートナーといえます。

起業家あるいは創業者といわれる方々は、何よりも優秀なセールス実績とやり抜く気力で、起業直後の危機を乗り越えて事業基盤確立に成功された方々です。続く規模の拡大は、優秀なマーケティング実績でもたらされたものです。 セールスとキャシュ獲得が続かな…

個人と組織の能力向上に関し「各企業の営業力とは、各企業の組織能力を反映したもの」で、個人の能力の総和ではなくて何らかの化学反応を経た結果といえそうです。

才能や知的能力が高い人材が集まっているはずの大企業でも販売不振で経営危機に陥る企業が数多ある一方で、小さな世界企業、小さな元気印企業も数多あります。前述の藤本篤志氏は野村克也氏の「チームでもっとも大事なのは“機能性”である。『個々の選手の才…

組織の営業能力に関し、藤本篤志氏が著書「御社の営業がダメな理由」*4で「7名以下のチームを編成し、報告書の代わりにマネージャーが毎日のヒアリングと同行営業を行う」ことでチームとしての営業力が強くなる、と提言しておられます。

藤本篤志氏の提言は的を得た内容が多く、特に中堅中小の30-40人規模の営業組織では極めて適合性が高いような気がします。この30-40人規模の営業組織であれば、ハウツーとしてそのままのコピーでも高い効果が期待できるかもしれません。 中堅中小企業で30-40…

生産財営業のセールス&マーケティングでは、トヨタ生産方式の「離れ小島をつくらない、一人だけの仕事をいくつか集めてチームワークが発揮できるようにしろ」*2が参考になります。

日本のものづくりの強さを推進してきた一つが小集団活動ですが、生産財営業でも同様です。消費財営業の場合には、図抜けたセールマンの個人的な才能が発揮される事例が多々みられますが、生産財営業で持続的な成果を生産するのは主に「社内チームワークから…