青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財営業でイノベーション共創と社会貢献を目指す。

組織能力と競争力

テープ積層板(CCL)の分野では、抜群の国際競争力を発揮できている日本企業の裏の競争力と組織能力を垣間見ることができます。

テープ積層板(CCL)の分野では、 マテリアルを工業材料化した在来型のマテリアル生産財に留まらず、更なる摺り合わせや合わせ技でマテリアル系生産財へと進化させ、継続的改善を持続することで抜群の国際競争力が発揮されています。 泉谷渉氏の表現で「10年や…

電子基板の世界を俯瞰する情報に関し、中原捷雄氏は、日本企業の組織能力の強さは[顧客へのサービス+最先端技術+海外事業の拡大]のパッケージで、広範囲の用途で多品種少量の多頻度納入ができることだ、と説明してくれます。

中国は「貨車一杯」の取引だが、日本企業は木目細かなデリバリーを提供できる。韓国は5割が携帯電話機用途でアプリの偏りが弱点。米国もコンピュータとテレコミニュケーションに偏っている。欧米は少量多種で生き残っていくことになる。世界を歩いて見て聞…

セールスレップに関し、経産省が、創業活性化や中小企業振興の事業としても取り組んでいるようです。

経産省の藤和彦氏が著書「中小企業よ、攻めの経営に徹しなさい」*1で、中小企業が積極的に「独立自営のセールスレップが持つ具体的でピンポイントの知見や人脈」を活用することを提唱しておられます。 *1: 「中小企業よ攻めの経営に徹しなさい」藤和彦著 2…

営業プロセスに関し、日本電産の永守創業者は「事業の基本は販売」であるとして、組織営業力とか全社営業力と表現されることが多い[商い組織能力]の向上に腐心しておられることが著書*1の節々で伝わってきます。営業とはマーケティングとセールスを統合した概念ですが、営業の組織能力のモデルとして興味が尽きません。

事業の基本は販売(情熱・熱意・執念の経営)。 対外的には技術をアピールしても「事業の基本は販売」という認識がなければ、ビジネスを成功させることはできません。成功しているベンチャー企業の共通点は販売力の強さなのです。 ユーザーを意識する組織を…

京都の日本電産は、一つの組織能力モデルを提供しています。大きな特徴は永守創業者の「最大の福利厚生は能力アップ」「歩をと金にする」「二流を一流にする」という言葉に代表される人材育成への飽くなき決意と志に牽引された雁行型リーダーシップの組織能力にあると考えています。

企業の組織能力に関する研究が進んでいますが、同一製品アーキテクチャであってもものづくり組織能力へのとことん進化欲求が起源のトヨタ的な組織能力、創業者への共感と創業者を共有できることへの誇りで育まれてきた松下電器や米国IBMのような組織能力…

京都の日本電産は、リーダーシップと組織能力の研究対象として豊潤な事例を提供してくれています。永守重信創業者が1973年に4名の仲間を集めて、永守創業者の自宅の牛小屋を改造した本社からスタートし、何度か訪れたピンチを乗り切り、米国スリーエム社が創業間もない同社製品の実力を認定して採用してくれたことでその後の急成長が始まっています。

2006-04-16で産業アナリストの林隆一氏の戦略分類「日本電産・京セラ・イビデンが、誰よりも早く当たり前のことを当たり前に行う[シンプルルール戦略]」を引用しましたが、日本電産は、成長エンジンであったHDD(ハードディスクドライブ)用のモーターで…

フォーチュン誌の「米国でもっとも称賛される企業」は、企業のこれからの永続性や成長性と直結する権威ある指標で、先行指標といわれる株価よりもさらにその先の先行指標ともいえます。エレクトロニクス部門06年度版で、モーターを製造するシーメンスが2位、同じくエマソン社が3位に入っています。日本からは、東芝、松下電器のモータ製造2社とソニーもトップ10にランクインしています。

電波新聞3月6日付報道から、 フォーチュン誌「米国で最も称賛される企業(06年度版)」エレクトロニクス部門 1(GE)、2(シーメンス)、3(エマソン・エレクトリック)、4(フィリップス)、5(ソニー)、6(東芝)、7(ワールプール)、8(松下電器)、9…

マテリアル系の製造企業では、〜〜化成、〜〜セラミックス、〜〜金属、というように、社名には創業のマテリアル品目を表記した企業が多いのですが、中間財である電子基板への高機能銅箔の供給で世界トップの三井金属は「マテリアルの知恵を活かす」と社名の真下でテーマ表現をしていました。

マテリアルという用語を使う場合には、そのままマテリアルを使う企業が多いようですが、中には三菱電機メテックスのように工夫した造語を使う企業もみられます。また日鉱マテリアルズのようにズがついている事例もありました。 以下、マテリアル系生産財の製…

マテリアル系企業のCI(Corporate Identity)やDI(Domain Identity)に関し、マテリアルやマテリアル由来の造語を組織名に頂く大学や企業をインターネットでピックアップしてみました。

大学の工学部がマテリアルという用語を使う場合にはストレートに使われているようで、大学や研究機関ではマテリアル系もかなりポピュラーな概念のようです。 以下、大学の工学部の事例。 大阪市立大学マテリアル系研究機構(ナノマテリアル、エネルギー・バ…

東洋経済新報社から5月に出版されたばかりの「電子材料王国ニッポンの逆襲」の中で、半導体産業新聞編集長の泉谷渉氏は、半導体・電子部品・ディスプレー・太陽電池などのエネルギーデバイス、を総称するデジタル素材に関し、2015年の市場規模を30兆円と見積もった上で、この市場で圧倒的な世界シェアを持つ、且つご自身が取材された企業から60社以上ものデジタル素材の企業群を紹介しておられます。

半導体業界歴30年の泉谷渉氏は「いまやマテリアルの時代が到来してきているとの確信を胸に、日本列島を駆け回り、その立てた仮説がやはり正しかった」と著書*1の中で述べておられますが、生産財営業歴30年の筆者もまったくの同感です。以下 「電子材料王…

住商の浜中氏の下で働いておられた江守哲氏と青柳孝直氏の共著「住商事件」*1では、次のように訴えています。

相場とは、宗教に似た、摩訶不思議な「人間が制御できない自然」である。「明日はなぜ雨が降るのか」を論議しても始まらない。−中略− 人間が唯一できるのは、市場を制御することではなく、人間が行う市場取引に対するルールを確立することである。相場に付き…

住商・浜中事件が明るみに出始めてLME銅相場が暴落したのが、10年前の今頃、1996年の5月から6月にかけてでした。結局は3千億円もの巨額損失が発生していました。

日本経済新聞社発刊の「銅マフイアの影」*1をめくり返してみると、業界内で噂が広まり銅相場が下落しだしたのが5月下旬、事件が表面化して「銅相場が暴落」したのが6月6日と記述されています。 *1: 「銅マフイアの影」日本経済新聞社 1997年 isbn:453…

金型製造企業のグローバル展開に関し、伊藤製作所のグローバル化モデルは示唆に富んでいます。比国(フィリピン)に進出し「設計を比国で行い日本で加工する」というモデルで組織能力の継続的改善に取り組んでおられます。「政治と行政の品質の国際競争で見劣りする日本国そのものが駄目になってしまうリスク」に対する予防策は、「日本本社を支えることができるような比国現地法人を育て上げていくこと」で対処するという逆張りの発想です。

google:ものづくり 伊藤澄夫 伊藤製作所http://www.itoseisakusho.co.jp/ 同氏が繰り返しの現実検討とシミュレーションを行った結果で、独立自営の経営者として「進出先は比国と決断」した理由はよく理解できます。既に過当競争の泰国でもなく、中小企業が単…

トヨタ方式について、若い時分にトヨタ関連で取引を経験した際に断片的に学ばせてもらいましたが、故大野耐一氏*3が切り開いた運動が、最近はホワイトカラー部門でも展開されるようになってきたようです。故大野耐一氏の「脱規模の経営を目指して」「日本の風土に根ざしたオリジナルの方法」の経営哲学が企業のホワイトカラーのルーティーン部門にも浸透すると、ホワイトカラー部門の組織能力が更に高まり、少なからぬ日本企業の助けになると思います。

以下「トヨタ生産方式」大野耐一著1978年の抜粋 喜一郎氏がだれよりも熱心にアメリカのGM、フォードに学ぼうとしたのは、自動車工業の基礎を一刻も早く学びとろうとしたからである。アメリカの自動車産業から基礎を学び、日本との比較材料を得、日本式…

日本電産で発揮されたリーダーシップと組織能力醸成

組織能力という点で、これら京都企業の多くは起業当時の「強烈な起業の志」を維持したミッション経営を貫き通しながら大企業に成長してきておられます。日本電産の永守創業者の「働く場所を作ることが最大の社会貢献」は正に日本の文化に基づいたミッション…