青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財営業でイノベーション共創と社会貢献を目指す。

生産財流通

92-1/4 営業プロセスとIT

生産財流通ではIT活用によるSCM(サプライチェーンマネジメント)が普及したことで、一般材(コモディティ)の領域では顧客企業による調達先集約(集中購買化)が進む傾向にあります。 2006.10,7付記事で前述しました鉄鋼製品のコイルセンター(以下コイルセンター)…

非鉄製錬メーカーや無機化学メーカーとは別枠で、日刊産業新聞2007年2月19日付がレアメタル上場6社を一覧化して業績を報道していました。

ジャスダック上場で非鉄金属専門商社のアルコニックスは電子・機能材事業で扱うチタンスポンジ、タングステン、モリブデンなどのレアメタルや希土類(レアアース)などが自動車、携帯電話などの根強い需要に支えられ事業利益も営業利益で1266百万円と大幅増、…

59で前述通り、日立電線は系列の流通商社を日立電線商事と日立電線販売の2社に集約しました。

日立電線商事の山村社長は「親会社の日立電線との分業の役割分担については、すでに軌道に乗っている仕事を引き受けて、日立電線が新規開拓に専念できるようにしたい。その上で日立電線の重点製品を強化する。TABテープ、伸銅品の銅合金条と圧延銅箔、窒化ガ…

電線の営業形態(業態)は顧客関連のプロセスと営業プロセスの属性によって、商社経由であるか否かに関わらず、直需相手の紐付きと市販の店売りに二分できるのは、他の生産財と同様です。

産業用電線とは、ビルや工場、住宅向けで、直需で紐付きの電設ルートと、店売りを行う電線問屋や電設問屋向けの市販ルートがあります。店売りの市販ルートでは与信判断が重視されています。 機器用電線は主に直需の紐付きで、大手電機メーカーとその系列会社…

アルミの2次製品である軽金属製品(アルミ圧延製品)の流通に関し、最近では中国での事業展開が活発化しているようです。

日本アルミニウム協会の発表によると、日本のアルミニウム圧延製品の06年度需要は2360千トンで、板類が57%の1340千トンで3割強がアルミ缶、1割強がアルミ箔、押出類が43%の1019千トンで6割がドア・サッシ向けです。 軽金属製品(アルミ圧延製品)の加工流通で…

生産財流通の機能の高度化や複合化に関し、非鉄製品専門商社大手の山崎金属産業は東芝セミコンダクター社の子会社(姫路東芝電子部品)との技術提携でタイのアユタヤでリードフレームの生産を開始したそうです。

山崎金属産業の場合には非鉄製品「流通」大手と紹介されることが多いようです。商社を流通と表現する場合には問屋系商社のことを指すようで、ペーパーマージンと仲介取引のイメージが強い総合商社系から差異化された表現のようです。 山崎金属のタイ現地法人…

非鉄金属の2次製品の流通に関し、電線業界で言えば電線商社、伸銅品で言えば伸銅品商社、のように各々の生産財の業界には各々に固有の流通と商社が存在します。

日刊産業新聞2007年1月12付けで、伸銅品では日本伸銅品問屋組合連合会の曽束会長が「製品単価の値上がりは売掛金の増加につながるため2006年は取引先の与信不安と与信判断に気を配った1年でもあった。四都(東京・名古屋・京都・大阪)の組合ともに充実してい…

平成15年度の日本政府の製造業統計によると非鉄製造業は就業者数の2%(133千人)で製造付加価値額の2%(1兆5千5百億円)を生み出しています。

前述76の1次製品の地金(金属塊)を加工して製造される2次製品は電線、伸銅品、アルミ圧延製品と、地金を溶解して成型する鋳造・ダイカスト製品などです。非鉄金属業界の製造業が株価欄の非鉄金属欄に記載されていますが、住友金属鉱山や三井金属などの鉱山製…

非鉄金属業界を構成するサブ業界に関し、非鉄5金属(銅・鉛・亜鉛・ニッケル・アルミ)の1次製品(地金)の流通では地金問屋が活躍した時代もありました。

15で前述の通り、ベースメタルとは生産量が多い鉄・アルミ・銅・鉛・亜鉛の5金属です。鉄を除きニッケルを加えた非鉄5金属は、非鉄製錬メーカーが原料から金属元素を抽出する製錬と精錬を経て製造する1次製品の地金(金属塊) が流通しています。 日本の産業構…

鉄と非鉄5金属(銅・鉛・亜鉛・ニッケル・アルミ)を除くレアメタルはデジタル素材として需要拡大が続く反面で供給が逼迫していますが、鉱石や中間原料を扱う商社の役割が高まっています。

川上の原料(鉱石・中間原料)の生産財流通と商社の機能に関し、レアメタル原料は多様な専門性が必要な上に小規模取引の集積なので専門商社が活躍しています。大手の総合商社が活躍するコモディティのベースメタル原料の大規模取引とは対照的な世界のようです…

非鉄金属産業は、川上で鉱山会社が鉱石の採掘や精鉱などの中間原料を生産し、製造業がこれを素材製品に加工します。製造業は更に電線、伸銅、アルミ圧延、などのサブ業界を構成しています。

住友金属鉱山の福島社長は産経新聞2007年1月17日付で「市況高騰は、中国の急速な経済成長が背景にある。銅やニッケルなどは、中国が国内であまり採れないために世界各地から買い集めている。投機資金も流れ込んだ。非鉄は電線、自動車、電子機器などに使われ…

非鉄金属業界は鉱石を生産する鉱山業と製造業(製錬、製品)及び商社などのサービス産業で構成されますが、国内鉱山が枯渇した製錬業にとって海外鉱山での権益獲得と国内におけるリサイクルが課題になっています。

非鉄金属に関し「需給バランスと価格動向」「日本の製錬業界の技術力」「日本国に期待する資源政策」の3点に関し、 日本鉱業協会の会長でDOWAホールディングスの吉川会長が日刊産業新聞2007年1月1日付で触れておられました。以下で引用します。 1.需給バラン…

生産財流通のメーカー商社に関し、大同特殊鋼系の大同興業は「ハイブリッド型商社」を目指すそうです。

流通機能に関し、日刊産業新聞2006年8月22日で根崎健一社長は「全日本特殊鋼流通協会のリポートで示された流通機能である品揃え、加工・熱処理など機能付加(調製加工)、物流、金融、情報、新たなオペレーションを含む業態開発の6大機能を強め、ハイブリッド…

2006.10.1 生産財流通で特殊鋼商社のウメトク

生産財流通で特殊鋼商社に関し、2006.7.10付で記述したウメトクは、商社機能と調製加工のシナジーで成長発展を持続しているモデルといえそうです。 ウメトクが加工流通で行っている調製加工に関し、日立金属のホームページでは「(天津の拠点では」切断機、…

生産財流通で特殊鋼商社に関し、独立系で東証一部の佐藤商事は電子材分野で電子基板向けマテリアル系生産財の販売事業を拡大しています。

佐藤商事は、加工流通で丸棒・鋼板の切断、溶断、機械加工などの調製加工もこなし、主要顧客のいすずや日野などトラック分野で強みを発揮していますが、鉄鋼製品や非鉄金属に次ぐ柱が電子材料とのことです。 日刊産業新聞7月13日付で「佐藤商事はハガネから…

生産財流通の多くは商社が担っていますが、全体を俯瞰すると業界や業態によっておぼろげな特徴が浮かび上がってくるようです。

鉄鋼製品で、普通鋼の鋼板は大ロットで大規模な取引が多いことから生産財流通の段階でも「規模の経済」を追求する再編が進みましたが、特殊鋼業界は小ロットで木目細かな取引が多いので、普通鋼の鋼板とは異なった分業と機能分化の進化が続いているようです。…

生産財流通のメーカー商社に関し、商材の高級化が進む鉄鋼製品の業界では再編統合が進みましたが、同様にハイテク化が進む非鉄・電線系の業界でもメーカー商社の再編統合が進んでいるようです。

日立電線は直系販社を日立電線商事と日立電線販売の2社に集約しました。日立電線との重複業務を減らし、日立電線が重点製品を拡充していくために必要な機能を強化するための再編といえそうです。1.日立電線商事の山村社長は、日刊産業新聞で以下のように述べ…

国際競争力が高い産業は、産業連関の効果で多くの雇用を創出します。雇用は人材が訓練される機会を提供します。農水産分野で高級林檎やお米、サービス分野でアニメなどのように国際競争力が高い品目が増えてきていますが、統計的な塊で鳥瞰する場合には自動車産業の事例がデータも多くて便利です。

自動車産業は部品点数が多くて外部委託の割合も高いので、産業連関の効果が高い産業です。素材や部品の調達プロセスと製造後の販売プロセスの両方で、産業連関で自動車製造業の9倍から10倍もの人々が係わっているようです。人見勝人氏のレポートによると、自…

鉄鋼製品の生産財流通における商社の扱い規模に関し、総合商社が前述の鉄鋼主要7商社と流通を二分していることが、業界紙報道から推察できます。

鉄鋼原料や非鉄金属などを含めての金属部門に関し、総合商社5社の売上高合計は9兆9千億円です。金属部門の売上高から鉄鋼原料や非鉄金属を差し引いた鉄鋼製品の売上高でも、総合商社5社が、前述の鉄鋼7商社に比肩する規模を扱っているものと推定できます。総…

鉄鋼主力7商社に関し、業界紙報道で鉄鋼主力7商社の連結売上高は6兆7千億円、インターネット上の検索で抽出した従業員数合計は15千名です。

鉄鋼主力7商社の連結売上高で06年3月期、日刊産業新聞5月24日付からの抜粋で以下。 鉄鋼主力7商社の連結売上高合計は6兆7千9百億円。内訳は、JFE商事HD(2兆4百億円)、住金物産(1兆1千4百億円)、阪和興業(1兆9百億円)、日鐵商事…

鉄鋼製品の生産財流通に関し、東海地区では、スーパーリージョナルな豊田通商(東証と名証で上場)や岡谷鋼機(名証で上場)、カノークス(名証で上場)等のグローカルな色彩が濃い地場商社のプレゼンスが高いのが特徴的です。

全国平均ではグローバルな三菱商事と双日の合弁であるメタルワンや伊藤忠丸紅鉄鋼・・等の総合商社と、JFE商事HD、日鐵商事、住金物産、神鋼商事、・・等のメーカー商社が二大勢力ですが、東海地区は、前述のグローカルな地場商社の勢力が強いようです。

豊田通商がトーメンを吸収合併しましたが、総合商社の高いマーケティング能力を吸収できることへの期待も大きいようです。

以下、日刊産業新聞06・4・4付。 ○記者質問:トーメンとの統合に関して 清水社長:基本的に総合商社とは一線を画した、規模の拡大は追わず、お客様に機能を提供できる会社・・(中略)・・我々は当社の持つ強みが発揮できることしかやらない。トヨタ生産…

トーメンを合併した豊田通商は「トヨタ生産方式の考え方で、総合商社とは一線を画した商社像を目指す」ようです。

日刊産業新聞06・4・4付の鉄鋼欄で紹介された豊田通商の清水順三社長の以下インタビューは、豊通の得意領域と特徴を理解する上で参考になります。 (トヨタ自動車へのロジスティックス・サポートについて) ○記者質問:金属部門の①鋼板加工、②アルミ溶湯…

生産財流通に関し、東海地区の自動車部品向け流通加工では、専門特化と独自能力でQCDSに励む地場中堅企業と、巨大な地場商社ともいえそうな豊田通商が、さながら複雑系で共存しています。

「作業服をきた商社マン」と比喩される豊田通商は、[36 生産財の加工流通で東海地区 7月8日付]で前述の槌屋、光洋マテリカ、江口巌商店、・・等の地場深堀りの加工流通企業群や37(7月10日付)で前述の大阪方面からの準地場グループとの比較では総合商社的な…

生産財流通に関し、東海地区の自動車部品向けでは摺り合わせ型の加工流通の多様なモデルを見ることができます。

大雑把に俯瞰すると、30千もの単体部品が1千もの機能部品に統合されていく製造プロセスで、マテリアル系生産財や耐久生産財の流通では摺り合わせ型の調整加工やデリバリー(QCDSのD)が行われています。豊田通商で「作業服を着た商社マン」という現場重視を表…

東海地区の生産財流通に関し、自動車部品向けでは、36で前述の地場深堀りグループに加えて、大阪方面からの準地場グループの展開も活発です。

前述の名古屋の槌屋、光洋マテリカ、江口巌商店・・等の地場深堀りの加工流通企業群と比較すると、これら大阪方面からの準地場グループは、部品の扱いが得意なようです。 黒田電気が電材や化成品系で成長軌道を持続しています。東洋物産は自動車向け金属ファ…

生産財流通で、東海地区の自動車部品向けの流通加工は、大雑把には地場中堅企業と豊田通商の地場深堀りグループ、大阪方面からの準地場グループ、全国ネットの鉄鋼製品などの東京本社グループ、に大別できます。

関東や関西の市場と比較すると、地場中堅企業や豊田通商といった地場深堀りグループのウエイトが圧倒的に高い、ということがいえそうです。それだけ自動車部品の調達システムへの顧客適応の障壁が高い、ということなのかもしれません。この点については別の…

生産財の加工流通に関し、東海地区の自動車部品向けでは、ジャスダック上場の明治電機、名証2部の東海物産、非上場で光洋マテリカ、槌屋、江口巌商店・・等々、年商で3−6百億円規模の地場中堅の商社が、流通加工の調製加工や商品開発で独自能力を高めながら様々なものづくり支援プロセスを形成しているようです。

江口巌商店(名古屋市南区明治一丁目) 江口巌商店の扱い品目は、自動車用塗料ですが「独自の製品開発を行うメーカー機能」を標榜。ものづくり支援プロセスの調製加工で「塗装機械に合わせた調製や配合」を行っています。創業は戦前で明治40年に船舶用品の…

生産財取引では、調達側の1次顧客が調達内容を組織決定した後に「販売は2次契約でこの企業に、納入はこの企業に」というのはよくあることです。供給者は、与信判断が適合する限りは1次顧客(契約上の親企業)が指定する2次顧客(親企業の加工委託先)への販売を行います。

供給側のマテリアル系生産財の製造企業や代理店あるいは加工流通企業にとっては初めて取引を行う販売先も出てきますが、多くは信用供与が必要な手形回収や延べ現金回収ですから、与信判断と債権保全が重要な経営事項となります。供給者側は、案件を発掘し推…

生産財取引では、例えば鉄鋼製品の事例であれば、コイルセンターに代表される加工流通企業の流通加工と、プレス外注先に代表される外注加工の両方が、商流と物流に関与することで製造プロセス全体の生産性を高まるとともに、複雑な営業プロセスと顧客関連プロセスが形成されます。

マテリアル系生産財の取引では「1次契約はA社と、販売と代金回収はB社と2次契約で、納入はC社に・・・」はよくあることです。生産財マーケティングの特徴のもう一つが「派生需要の連鎖による顧客の階層性」にあります。 マテリアル系生産財の製造企業と…