生産財流通
生産財流通ではIT活用によるSCM(サプライチェーンマネジメント)が普及したことで、一般材(コモディティ)の領域では顧客企業による調達先集約(集中購買化)が進む傾向にあります。 2006.10,7付記事で前述しました鉄鋼製品のコイルセンター(以下コイルセンター)…
ジャスダック上場で非鉄金属専門商社のアルコニックスは電子・機能材事業で扱うチタンスポンジ、タングステン、モリブデンなどのレアメタルや希土類(レアアース)などが自動車、携帯電話などの根強い需要に支えられ事業利益も営業利益で1266百万円と大幅増、…
日立電線商事の山村社長は「親会社の日立電線との分業の役割分担については、すでに軌道に乗っている仕事を引き受けて、日立電線が新規開拓に専念できるようにしたい。その上で日立電線の重点製品を強化する。TABテープ、伸銅品の銅合金条と圧延銅箔、窒化ガ…
産業用電線とは、ビルや工場、住宅向けで、直需で紐付きの電設ルートと、店売りを行う電線問屋や電設問屋向けの市販ルートがあります。店売りの市販ルートでは与信判断が重視されています。 機器用電線は主に直需の紐付きで、大手電機メーカーとその系列会社…
日本アルミニウム協会の発表によると、日本のアルミニウム圧延製品の06年度需要は2360千トンで、板類が57%の1340千トンで3割強がアルミ缶、1割強がアルミ箔、押出類が43%の1019千トンで6割がドア・サッシ向けです。 軽金属製品(アルミ圧延製品)の加工流通で…
山崎金属産業の場合には非鉄製品「流通」大手と紹介されることが多いようです。商社を流通と表現する場合には問屋系商社のことを指すようで、ペーパーマージンと仲介取引のイメージが強い総合商社系から差異化された表現のようです。 山崎金属のタイ現地法人…
日刊産業新聞2007年1月12付けで、伸銅品では日本伸銅品問屋組合連合会の曽束会長が「製品単価の値上がりは売掛金の増加につながるため2006年は取引先の与信不安と与信判断に気を配った1年でもあった。四都(東京・名古屋・京都・大阪)の組合ともに充実してい…
前述76の1次製品の地金(金属塊)を加工して製造される2次製品は電線、伸銅品、アルミ圧延製品と、地金を溶解して成型する鋳造・ダイカスト製品などです。非鉄金属業界の製造業が株価欄の非鉄金属欄に記載されていますが、住友金属鉱山や三井金属などの鉱山製…
15で前述の通り、ベースメタルとは生産量が多い鉄・アルミ・銅・鉛・亜鉛の5金属です。鉄を除きニッケルを加えた非鉄5金属は、非鉄製錬メーカーが原料から金属元素を抽出する製錬と精錬を経て製造する1次製品の地金(金属塊) が流通しています。 日本の産業構…
川上の原料(鉱石・中間原料)の生産財流通と商社の機能に関し、レアメタル原料は多様な専門性が必要な上に小規模取引の集積なので専門商社が活躍しています。大手の総合商社が活躍するコモディティのベースメタル原料の大規模取引とは対照的な世界のようです…
住友金属鉱山の福島社長は産経新聞2007年1月17日付で「市況高騰は、中国の急速な経済成長が背景にある。銅やニッケルなどは、中国が国内であまり採れないために世界各地から買い集めている。投機資金も流れ込んだ。非鉄は電線、自動車、電子機器などに使われ…
非鉄金属に関し「需給バランスと価格動向」「日本の製錬業界の技術力」「日本国に期待する資源政策」の3点に関し、 日本鉱業協会の会長でDOWAホールディングスの吉川会長が日刊産業新聞2007年1月1日付で触れておられました。以下で引用します。 1.需給バラン…
流通機能に関し、日刊産業新聞2006年8月22日で根崎健一社長は「全日本特殊鋼流通協会のリポートで示された流通機能である品揃え、加工・熱処理など機能付加(調製加工)、物流、金融、情報、新たなオペレーションを含む業態開発の6大機能を強め、ハイブリッド…
生産財流通で特殊鋼商社に関し、2006.7.10付で記述したウメトクは、商社機能と調製加工のシナジーで成長発展を持続しているモデルといえそうです。 ウメトクが加工流通で行っている調製加工に関し、日立金属のホームページでは「(天津の拠点では」切断機、…
佐藤商事は、加工流通で丸棒・鋼板の切断、溶断、機械加工などの調製加工もこなし、主要顧客のいすずや日野などトラック分野で強みを発揮していますが、鉄鋼製品や非鉄金属に次ぐ柱が電子材料とのことです。 日刊産業新聞7月13日付で「佐藤商事はハガネから…
鉄鋼製品で、普通鋼の鋼板は大ロットで大規模な取引が多いことから生産財流通の段階でも「規模の経済」を追求する再編が進みましたが、特殊鋼業界は小ロットで木目細かな取引が多いので、普通鋼の鋼板とは異なった分業と機能分化の進化が続いているようです。…
日立電線は直系販社を日立電線商事と日立電線販売の2社に集約しました。日立電線との重複業務を減らし、日立電線が重点製品を拡充していくために必要な機能を強化するための再編といえそうです。1.日立電線商事の山村社長は、日刊産業新聞で以下のように述べ…
自動車産業は部品点数が多くて外部委託の割合も高いので、産業連関の効果が高い産業です。素材や部品の調達プロセスと製造後の販売プロセスの両方で、産業連関で自動車製造業の9倍から10倍もの人々が係わっているようです。人見勝人氏のレポートによると、自…
鉄鋼原料や非鉄金属などを含めての金属部門に関し、総合商社5社の売上高合計は9兆9千億円です。金属部門の売上高から鉄鋼原料や非鉄金属を差し引いた鉄鋼製品の売上高でも、総合商社5社が、前述の鉄鋼7商社に比肩する規模を扱っているものと推定できます。総…
鉄鋼主力7商社の連結売上高で06年3月期、日刊産業新聞5月24日付からの抜粋で以下。 鉄鋼主力7商社の連結売上高合計は6兆7千9百億円。内訳は、JFE商事HD(2兆4百億円)、住金物産(1兆1千4百億円)、阪和興業(1兆9百億円)、日鐵商事…
全国平均ではグローバルな三菱商事と双日の合弁であるメタルワンや伊藤忠丸紅鉄鋼・・等の総合商社と、JFE商事HD、日鐵商事、住金物産、神鋼商事、・・等のメーカー商社が二大勢力ですが、東海地区は、前述のグローカルな地場商社の勢力が強いようです。
以下、日刊産業新聞06・4・4付。 ○記者質問:トーメンとの統合に関して 清水社長:基本的に総合商社とは一線を画した、規模の拡大は追わず、お客様に機能を提供できる会社・・(中略)・・我々は当社の持つ強みが発揮できることしかやらない。トヨタ生産…
日刊産業新聞06・4・4付の鉄鋼欄で紹介された豊田通商の清水順三社長の以下インタビューは、豊通の得意領域と特徴を理解する上で参考になります。 (トヨタ自動車へのロジスティックス・サポートについて) ○記者質問:金属部門の①鋼板加工、②アルミ溶湯…
「作業服をきた商社マン」と比喩される豊田通商は、[36 生産財の加工流通で東海地区 7月8日付]で前述の槌屋、光洋マテリカ、江口巌商店、・・等の地場深堀りの加工流通企業群や37(7月10日付)で前述の大阪方面からの準地場グループとの比較では総合商社的な…
大雑把に俯瞰すると、30千もの単体部品が1千もの機能部品に統合されていく製造プロセスで、マテリアル系生産財や耐久生産財の流通では摺り合わせ型の調整加工やデリバリー(QCDSのD)が行われています。豊田通商で「作業服を着た商社マン」という現場重視を表…
前述の名古屋の槌屋、光洋マテリカ、江口巌商店・・等の地場深堀りの加工流通企業群と比較すると、これら大阪方面からの準地場グループは、部品の扱いが得意なようです。 黒田電気が電材や化成品系で成長軌道を持続しています。東洋物産は自動車向け金属ファ…
関東や関西の市場と比較すると、地場中堅企業や豊田通商といった地場深堀りグループのウエイトが圧倒的に高い、ということがいえそうです。それだけ自動車部品の調達システムへの顧客適応の障壁が高い、ということなのかもしれません。この点については別の…
江口巌商店(名古屋市南区明治一丁目) 江口巌商店の扱い品目は、自動車用塗料ですが「独自の製品開発を行うメーカー機能」を標榜。ものづくり支援プロセスの調製加工で「塗装機械に合わせた調製や配合」を行っています。創業は戦前で明治40年に船舶用品の…
供給側のマテリアル系生産財の製造企業や代理店あるいは加工流通企業にとっては初めて取引を行う販売先も出てきますが、多くは信用供与が必要な手形回収や延べ現金回収ですから、与信判断と債権保全が重要な経営事項となります。供給者側は、案件を発掘し推…
マテリアル系生産財の取引では「1次契約はA社と、販売と代金回収はB社と2次契約で、納入はC社に・・・」はよくあることです。生産財マーケティングの特徴のもう一つが「派生需要の連鎖による顧客の階層性」にあります。 マテリアル系生産財の製造企業と…