青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

92-1/4 営業プロセスとIT

生産財流通ではIT活用によるSCM(サプライチェーンマネジメント)が普及したことで、一般材(コモディティ)の領域では顧客企業による調達先集約(集中購買化)が進む傾向にあります。

2006.10,7付記事で前述しました鉄鋼製品コイルセンター(以下コイルセンター)は市中材とか店売りともいわれる一般材の在庫販売と調製加工(サイズ合わせ)の機能を担っています。コイルセンターが自社販売する主要顧客は鉄鋼製品の薄板加工を請負う自動車や電機の裾野産業ですが、最近は自動車家電の顧客企業が一般材の集中調達を行い裾野産業の加工請負企業に材料支給する割合が高まり、コイルセンターの自社販売比率が低下しています。IT活用SCM(サプライチェーンマネジメント)の普及が商流変更起爆剤となりコイルセンター自社販売比率低下が続いています。
日刊産業新聞2007年7月6日付けは「全国コイルセンター工業組合がまとめた流通調査結果によると、2006年度の自社販売比率は46.1%と最低水準となる一方で、受託加工比率は53.9%と89年以降では最高水準となった。(自動車や電機の)需要家側に安定供給を求める考えが強くなり、メーカーと需要家を結ぶSCM(サプライチェーンマネジメント)の構築と店売価格上昇によるひも付き価格の割安感、という要素で薄板ユーザーによる集中購買化が進んでいるもの。」と報道していました。一般材の分野ではITを活用したSCMの構築が営業プロセスのみならず顧客関連のプロセスまでの変化を促進しています。
また一般材でなくとも、トン商材鉄鋼製品運送コストのウエイトが高いので事業戦略の選択肢も地理的制約を受けます。グラム商材電子材料のような広域のネットワーク型営業は困難です。最近では自動車メーカー向けでテーラーブランク(TBあるいはTWB)に進出する事例がでてきていますから、顧客企業や大手商社からの受託加工が増えていくことになります。7[生産財営業の特徴/関係性コンピタンス]で前述した双極モデルでいえば顧客適応戦略で、これに地理的制約を掛け合わせた選択肢といえます。