加工流通と調製加工
電子部品の精密スイッチで世界シェア7割を獲得している日系メーカー各社は、高品質のステンレスやスーパーエンプラなどの部材を調達しています。 携帯電話の操作スイッチの殆どがメタルドームバネを使用したスイッチです。精密スイッチメーカーからは、シー…
規模の経済が働く機能別分業の組織デザインでは、トヨタ自動車に代表される職能別組織と、松下電器(パナソニック)に代表される事業部制組織がモデルを提供してくれています。 自営業などの一人組織の中には、ISO9001(業務品質)の認証取得にチャレンジされる…
パワーデバイスの基板材料では炭化シリコン(SiC)のウエハーへの期待が高まっています。 SiC単結晶基板を用いた製品開発に関し、米クリー社が日本インターに基板を供給し、日本インターがSiCを用いたSBD(ショットキー・バリア・ダイオード)の製造販売を開始す…
エコキュートは自然冷媒のヒートポンプで大気の熱を回収し活用するオール電化の目玉の一つですが、高圧の自然冷媒を使うことから新規の派生需要が生まれています。 日本国の二酸化炭素排出量に関し、97で前述通り家庭部門が14.5%の175百万トンを排出している…
生産財流通ではIT活用によるSCM(サプライチェーンマネジメント)が普及したことで、一般材(コモディティ)の領域では顧客企業による調達先集約(集中購買化)が進む傾向にあります。 2006.10,7付記事で前述しました鉄鋼製品のコイルセンター(以下コイルセンター)…
FPDパネルの生産数量では台湾や韓国が日本を凌いでいますが、FPDパネルを製造するためのマテリアル系生産財と耐久生産財では日系企業群が競争優位を維持しながら次世代事業群の柱を育成中です。 装置各社はFPD分野で獲得した収益で次世代の柱を育成中ですが…
大型液晶向けガラス基板のエッチング装置」に関し、日経新聞2006年6月2日付で「ワイエイシイが第八世代対応のガラス基板を加工できる縦横2メートル超で世界最大のエッチング装置を開発した。エッチング装置は、ガラス基板の表面に形成した薄膜を削り、回路を…
旭硝子は反射防止フィルム(商品名:アークトップ)とガラス板を自社製造し、電磁波シールドについては81と82で前述のスパッタリングでフィルム原反への透明導電膜の成膜を行い、これらをラミネートしています。旭硝子の最終出荷工場として精密貼り合わせを旭…
液晶パネル1枚当りで2枚の偏光板と4枚のTACフィルムが使われます。偏光板とは特定方向に直線偏光することで「一定方向の光だけを通す」機能を素材に付加した機能性フィルムです。PVA(ポリビニルアルコール)のフィルムにヨウ素や染料、テレビ向けではヨウ素の…
生産財営業のD(デリバリー)とS(サービス)では、競争が激しくなってくると顧客と自社サービス拠点との近接性と可触性の重要性が高まります。DとSの定石は現地代理店や自社出荷拠点の設置などで、ハイテク素材で言えば最終組立と出荷検査、自動車部品材料でい…
日本アルミニウム協会の発表によると、日本のアルミニウム圧延製品の06年度需要は2360千トンで、板類が57%の1340千トンで3割強がアルミ缶、1割強がアルミ箔、押出類が43%の1019千トンで6割がドア・サッシ向けです。 軽金属製品(アルミ圧延製品)の加工流通で…
山崎金属産業の場合には非鉄製品「流通」大手と紹介されることが多いようです。商社を流通と表現する場合には問屋系商社のことを指すようで、ペーパーマージンと仲介取引のイメージが強い総合商社系から差異化された表現のようです。 山崎金属のタイ現地法人…
日刊産業新聞2006年9月26日付で「関包スチールは福岡で大型スリーターを新設した新工場を稼動させた。建材向けに加えて、コイルセンター機能を強化し自動車向けの対応も考えている」と報道していました。 日刊産業新聞2006年6月23日付では、自動車産業の拡大…
日刊産業新聞2006年6月29日付で、山田邦夫理事長は「ステンレス協会などの協力を得て、品質検査技士研修制度を導入することや、梱包資材に関する取り組み、資材の共同購入など案件はいくつも出ている。コストダウンについては普通鋼のコイルセンター並みのコ…
ピークの平成2年度には国内全鋼材需要量7千6百万トンの30.6%、2千3百万トンをメンバー117社で加工したということですから、鉄鋼製品の流通における存在の大きさが判ります。 全国コイルセンター工業組合 事業の概要:鉄鋼メーカーの製造する広…
鉄鋼製品のコイルセンターは、サイズ合わせの調製加工と商社機能を併せ持つことで利便性を提供してきましたが、今現在では、調製加工に機能集中が進み、販売の商社機能が低下しつつあるようです。
生産財流通で特殊鋼商社に関し、2006.7.10付で記述したウメトクは、商社機能と調製加工のシナジーで成長発展を持続しているモデルといえそうです。 ウメトクが加工流通で行っている調製加工に関し、日立金属のホームページでは「(天津の拠点では」切断機、…
佐藤商事は、加工流通で丸棒・鋼板の切断、溶断、機械加工などの調製加工もこなし、主要顧客のいすずや日野などトラック分野で強みを発揮していますが、鉄鋼製品や非鉄金属に次ぐ柱が電子材料とのことです。 日刊産業新聞7月13日付で「佐藤商事はハガネから…
ドライバーICアセンブリー事業に関し、半導体産業新聞の2006年8月9日付で、ジェネシス・テクノロジーの三浦雄三社長は「需要動向によっては、06年内に月間組立能力を1-2百万個増やし、11-12百万個にすることも検討したい。・・中略・・PDPドライバーのTCPア…
日刊産業新聞06・4・4付の鉄鋼欄で紹介された豊田通商の清水順三社長の以下インタビューは、豊通の得意領域と特徴を理解する上で参考になります。 (トヨタ自動車へのロジスティックス・サポートについて) ○記者質問:金属部門の①鋼板加工、②アルミ溶湯…
大雑把に俯瞰すると、30千もの単体部品が1千もの機能部品に統合されていく製造プロセスで、マテリアル系生産財や耐久生産財の流通では摺り合わせ型の調整加工やデリバリー(QCDSのD)が行われています。豊田通商で「作業服を着た商社マン」という現場重視を表…
前述の名古屋の槌屋、光洋マテリカ、江口巌商店・・等の地場深堀りの加工流通企業群と比較すると、これら大阪方面からの準地場グループは、部品の扱いが得意なようです。 黒田電気が電材や化成品系で成長軌道を持続しています。東洋物産は自動車向け金属ファ…
江口巌商店(名古屋市南区明治一丁目) 江口巌商店の扱い品目は、自動車用塗料ですが「独自の製品開発を行うメーカー機能」を標榜。ものづくり支援プロセスの調製加工で「塗装機械に合わせた調製や配合」を行っています。創業は戦前で明治40年に船舶用品の…
マテリアル系生産財の調製加工で、キロ商材の樹脂製品ではコンパウンドや着色加工、アルミ製品や伸銅品などの非鉄金属製品及びステンレスなどの特殊鋼製品ではスリット加工や熱処理、トン商材の鉄鋼製品ではコイルセンターやシャーリングの調製加工が一大産…
供給側のマテリアル系生産財の製造の上工程は資本集約型の設備産業である場合が多く、種々雑多な下工程を外部化することで生産性を高めることができます。また相対する顧客側の中間生産財(中間財)の製造は、多品種少量、あるいは多頻度納入である場合が殆…
マテリアル系生産財であるシリコンウエハーの生産財取引に関し、シリコン製造企業と中間財の太陽電池製造企業が取引を決定した後は、シリコン製造企業は、上工程で製造したインゴットを加工母材としてスライス事業者に供給し、前述の加工流通を事業化した各…
川上の細流に相当する幾つものマテリアル生産財(原料に近い素材)が合流してマテリアルからマテリアル系に高級化されたマテリアル系生産財(パフォーマンスを高めた素材)となり、これらマテリアル系生産財が合流して本流が形成され、本流には更に支流から…
上記事例では、製造業者自らが調製加工を行っているようですが、標準化による[規模の経済]とカスタマイズによる[コストパフォーマンス]の両方を追及するために、旧くは鉄鋼製品でいうところのコイルセンター、新しきは太陽電池向けシリコン材でいうところの…
シリコンに関し、経営者やビジネスパーソン向けには以下の懇切丁寧ブログがお薦めです。 http://blogs.yahoo.co.jp/camonohasi555/33244681.html 東邦チタニウム『応援ブログ』」 シリコンものづくりの担い手は、川下から遡ると、単結晶製品で信越化学(信越…
以下、マテリアル系生産財の工業材料を扱う貿易商社や加工流通商社。 アルコニックス(06年4月にジャスダック上場したばかり。非鉄金属製品の貿易商社、社名はアルミの「AL」銅の「Co」ニッケルの「Ni」輝ける未来への夢の「X」を組み合わせた造語…