青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

液晶パネルの製造で使われる偏光板は「限りなく機能部品に近い部材(マテリアル系生産財)」といえます。

液晶パネル1枚当りで2枚の偏光板と4枚のTACフィルムが使われます。偏光板とは特定方向に直線偏光することで「一定方向の光だけを通す」機能を素材に付加した機能性フィルムです。PVA(ポリビニルアルコール)のフィルムにヨウ素や染料、テレビ向けではヨウ素の色素を吸着させ、一軸延伸して配向させることで光の吸収異方性を持たせ、表面を凸凹にした反射像ぼかしのための防眩(AG)処理低反射(Low Reflection)の機能を追加して、最後に上述のTACフィルムで挟んで出荷されます。
電波新聞2007年1月26日付によると世界トップの日東電工は、中国の蘇州に大型画面用光学フィルム後工程工場を持ち、華南では生産委託していたが自社生産に切り替えるために中国深圳液晶テレビ用光学フィルムの後工程専門工場を建設し新工場では「偏光板フィルムと、位相差フィルムを貼り合せて切断し、検査する工程を専門に行う」そうです。
偏光板の新製品開発に関し「日東電工はVA方式パネルを搭載した液晶TV向けに、世界初の『精密塗工で補償層を形成した塗布型補償板付き偏光板』を開発した。従来の貼り合せ積層よりも、同社従来品との比較で正面コントラストを約50%向上できる。表面硬度も従来品の2-3Hを4-5Hに向上でき、液晶画面へのキズ防止も可能」と半導体産業新聞2006年9月27日付が報道していました。
http://www.nitto.co.jp/product/datasheet/optical/003/index.html 日東電工/偏光板NPFの構造

偏光フィルムの調製加工では、半導体産業新聞2006年5月17日付が「神戸市の共和産業が第八世代サイズなどの液晶用偏光フィルムめっきを施すめっき工場を増設する」との報道していました。
また偏光板製造装置では、半導体産業新聞2007年2月7日付が「(装置メーカーのタツモ)が新製品として偏光板製造装置を開発。PVAフィルムを延伸し、TACフィルムを貼りあわせ、乾燥させる装置である。06年度は1台を無事出荷できた。」との鳥越社長へのインタビュー記事を掲載していました。