青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財の青草新吾1はリタイア。シニアの青草新吾2は複業で貢献を目指す。

生産財営業

2018-09-15 214.変化に強い会社と働き方とは

大変化が進みます。衰退していく会社もあれば、AIで機械化される仕事も増えていきます。日本が強みとする産業で、より付加価値が高い仕事と働き方を工夫していくことで、危機に強い個人や組織が作られていきます。 大転換の時代を乗り切っていくために、仕事…

2012-08-05 186-2/2 今後の成長モデル

営業とは事業を営むことですが、生産財営業では様々な成長モデルへの知見が役に立ちます。 アップルなどの伸張著しいIT企業、トヨタや日産、フォルクスワーゲン(VW)、現代自動車などの勢いがある自動車メーカーなど、これら伸張著しい消費財メーカー向けのサ…

164-1/2.電子部品と部材・素材 /iPadやスマホ

iPadやスマートフォンの普及は、電子部品と電子デバイス、それらで使われる部材・素材にとって新たな需要を生み出しています。 筆者/青草新吾自身は、IPadには携帯電話端末の普及が始まった頃のような革新性を感じますし、スマートフォンには、ノートパソコ…

146-2/3. サブプライムの危機から見えたトンネル

サブプライム問題に始まる金融危機と実体経済の悪化という危機のトンネルを抜け出した後の世界市場について多くの方々が“低価格品への需要シフト”や“モジュール化への一層の動き”を予想しておられます。 電機関連企業の2009年度入社式で、パナソニックの大坪…

146-1/3. インバータエアコン

エアコン産業は先進国では成熟産業と思われていた時期もありましたが、インバータ技術との新結合(イノベーション)によるスパイラル展開で新たな市場が拡大中です。 モーターの駆動をインバータ制御にすると、大幅な省エネを実現できます。インバータ制御とは…

145-2/2. 台湾企業の次の成長ステージ

中国や台湾で展開する日本企業や、パソコンや半導体で実力をつけてきた台湾企業が次の成長ステージに向けての準備を強化しています。 日本の電子部品産業では、昨年のリーマンショック以降、新工場建設の延期や中止の発表が相次いでいますが、人間の生活に必…

144-2/2. 中国の景況回復動向

中国では、景況改善策の家電下郷の政策やEV/HEVの普及促進を目指す十城千輌プロジェクトが発表され、日系電子部品メーカーも恩恵を受け始めています。 十城千輌プロジェクトとは、半導体産業新聞2009年3月4日付によると「中国政府が2月17日に発表。北京や上…

143-2/3. 今回の世界同時不況

今回の世界同時不況では、自動車業界はバブル崩壊的な要素が大きく、グローバル生産が07年レベルに回復するのは2015年以降になりそうです。電機業界は、品目にもよりますが、2010年頃になりそうです。 米国発金融危機に始まる今回の世界同時不況では、金融業…

141-1/3. 米国リベラルと覇権国家のパラダイム転換

オバマ大統領の登場は、日本にとっては政治的には大きなリスクを伴いながらも、生産財営業の立場からはポジティブな要素が多いと考えられます。 オバマ第44代米国大統領の就任演説のキーワードは、政治面では“新しい責任の時代”、経済面では“グリーンニュデ…

113-3/4 営業力で稼ぐ戦略力と目標実現のチームマネジメント力

本稿は生産財分野の営業力とは、事業要員が持つ稼ぐ戦略力と目標実現のチームマネジメント力の下で垂直分業で多層的に形成されていくものであることを検証していきます。 団体戦型の生産財営業ではチームメンバー各々の個人の努力や能力がその時々の成果に大…

96-2/3 リチウムイオン電池の事故と回収

顧客要求事項への対応と品質保証のバランスに関し、リチウムイオン電池で起きた昨年来の事故と回収は派生需要の生産財営業の難しさが凝縮されています。 ソニーのリチウムイオン電池の回収に関し、東京工業大学大学院の准教授/山田淳夫氏はElctronic Journal…

消費財営業のセールスと生産財営業(セールス&マーケティング)の違いは、ハイテク素材や半導体製品の営業で際立ちます

顧客関連のプロセスと営業プロセスの両方で、本頁で取り上げるターゲット材のビジネスは、営業技術の役割が高いといえます。生産財営業の基本指標であるQCDSの中でもS(サービス)の提案力と提案「実現力」が勝敗を決します。飛びぬけた力量のセールスマンが何…

2007.1.6-2/5 営業とはセールスとマーケティング 事業を営むこと

営業とは「事業を営むこと」ですが、組織の分業では主に「セールスとマーケティング」の機能を指します。日本国の付加価値(GNP)の4割は製造業と製造業由来の派生産業が稼ぎ出していますが、書店では消費財分野を対象とした本ばかりが並んでいます。 生産財と…

2007.1.6 1/5 あけましておめでとうございます。本稿の趣意を確認しながら新年の投稿初めをします。

2006年は3月17日の初稿から年末の71稿で年の瀬を迎えました。投稿を通して想いを強くしたのが、日本のもの造り競争力の源泉の一つは「材料を良く知り、これを組み合わせて使いこなす」点にあるということです。例えば、筆者が生産財営業で駆け出した1980年代…

生産財営業のベストパフォーマーは、徒手空拳で顧客を開拓しキャシュを獲得して経営をやりくりしていた起業当時の創業者又は創業パートナーといえます。

起業家あるいは創業者といわれる方々は、何よりも優秀なセールス実績とやり抜く気力で、起業直後の危機を乗り越えて事業基盤確立に成功された方々です。続く規模の拡大は、優秀なマーケティング実績でもたらされたものです。 セールスとキャシュ獲得が続かな…

個人の努力や才能が個人の成果に直結する消費財営業の分野では阪本亮一氏*3が様々な事例やモデルを提供してくれています。

阪本亮一氏は著書で「最初の営業経験はGEエアコンの訪問販売会社を創立して社長となった時である。・・三年目で西日本トップクラスの販売会社に成長した。・・営業社員の数が急速に増えた。・・人数が増えると精鋭ばかりでなくなる。職欲しさに、何となく営…

生産財営業のセールス&マーケティングでは、トヨタ生産方式の「離れ小島をつくらない、一人だけの仕事をいくつか集めてチームワークが発揮できるようにしろ」*2が参考になります。

日本のものづくりの強さを推進してきた一つが小集団活動ですが、生産財営業でも同様です。消費財営業の場合には、図抜けたセールマンの個人的な才能が発揮される事例が多々みられますが、生産財営業で持続的な成果を生産するのは主に「社内チームワークから…

2006-8-27 1/4 購買センター概念 (組織的購買を構成する主要諸機能)

消費財営業と生産財営業の違いに関し、生産財営業の標的は派生需要ですから展開地域が偏りますし、営業プロセスもQCDSとE(環境)に加えて販売引渡後の関係性のメンテナンスが重要になります。 消費財である薄型テレビの販売は、製造企業はマーケティング活動…

前述JSR小塩理事の説明の中で、セールスレップの機能に関し、工業系と商業系で違いがあること、これはとりもなおさず生産財と消費財の違いであり、また日米の違いは、日本の営業パーソンと米国におけるセールスパーソンとの違いなので、以下に特筆しておきたいと考えます。

工業系のセールスレップは妥当な価値(価格)が判りやすい反面で、技術と品質のフォローがついて回るのでメンテナンスが重要、ここが商業系との違い。 商業系のセールスレップの顧客関連プロセスは、受注活動の繰り返しで済むが、妥当な価値(価格)が判りにく…

日本のセールスレップは消費財分野が先導していますが、生産財分野でも東京大田区の株式会社匠ネットのようなフロントランナーもみられるようです。

大阪産創館*1がセールスレップの振興事業として開催してくれた講演会で、セールスレップ協同組合JSR*2の理事長である小塩稲之氏から幾つかの事例をお聞きする機会を得ました。 上述の匠ネットは機械商社出身者など60代の10名ぐらいが立ち上げたシニア世…

営業プロセスの生産性向上に関し、日本でもセールスレップ(販売代行で[顧客関連のプロセス]を生業とする独立自営の営業プロ)の活躍の場が増える兆しがでてきています。

セールスレップ協同組合*1の定義。 セールスレップとは、「メーカーに代わって、メーカーの商品の販売を代行するセールスパーソン」のことです。メーカーの社員ではなく独立自営のセールスパーソンであり、メーカーとの契約に基づいて商品を販売します。 *1:…

日本電産の永守創業者は、営業マン教育や販売組織で様々な工夫をしてきておられますが、判り易いのが営業担当者の「三職3P」制度です。

三職三Pを経験する(情熱・熱意・執念の経営)。 三職というのは、営業、経理、生産管理といったように三つの違う職種のことで、三Pとは、東京、大阪、海外など三ヶ所の働く場所を指しています。・・中略・・開発や技術のスタッフとやり取りができるように…

営業プロセスに関し、日本電産の永守創業者は「事業の基本は販売」であるとして、組織営業力とか全社営業力と表現されることが多い[商い組織能力]の向上に腐心しておられることが著書*1の節々で伝わってきます。営業とはマーケティングとセールスを統合した概念ですが、営業の組織能力のモデルとして興味が尽きません。

事業の基本は販売(情熱・熱意・執念の経営)。 対外的には技術をアピールしても「事業の基本は販売」という認識がなければ、ビジネスを成功させることはできません。成功しているベンチャー企業の共通点は販売力の強さなのです。 ユーザーを意識する組織を…

耐久生産財やMRO間接生産財である迅速自動検査装置の営業プロセスに関し、営業とはセールスとマーケティングの両方を統合する概念ですが、本記事のように従来は存在しなかった新コンセプトの商品を市場投入する場合、市場創造戦略が主となります。

市場創造戦略では、商品属性の新コンセプトの認知と顧客の両方を獲得していく活動が柱となります。営業化(事業化)まではマーケティングが主であり、営業化(事業化)以降は、顧客獲得のための販売が主で顧客関連プロセスの構築が主となります。営業化(事…

営業プロセスに関し、シリコンウエハーの輸出で大手商社が果たしている役割は、顧客関連のプロセスと営業業務プロセスに大別できます。顧客関連のプロセスでは、主にコミュニケーションと契約実務の機能ですが、供給者であるシリコンウエハーメーカーも含めた営業プロセス全体としては、与信と代金回収や、為替管理、国際搬送、などの営業業務も重要な機能です。

与信と代金回収及び国際搬送について「電子材料王国ニッポンの逆襲」の中にも以下の記述があります。 シリコンウエハーの供給については、三菱商事、住友商事、三井物産といった大手総合商社が徹底的に関与している。(中略)支払いリスクの回避に対する保証…

日本のシリコンウエハーメーカーが世界シェアを高めたのは、米国・台湾・韓国の半導体デバイスメーカーが日本製ウエハーの購入比率を高めたからです。日系メーカーがQCDSに集約できる生産財営業の競争力と顧客満足度を改善できたからですが、このQCDSのSの部分では、大手商社の海外ネットワークが大きな貢献をしているようです。

2006-05-20で触れた半導体30年の泉谷渉氏が5月に出版された著書の中に以下の記述があります。 以下「電子材料王国日本の逆襲」*1 三菱商事にあって、電子材料分野の統括マネージャーの任にある川上秀文氏は、商社を取り巻く事情について次のように語る。…

マーケティングを稼ぎネタにしておられるコンサルタントや学者の中には、生産財と消費財の顧客関連プロセスにおける特徴の違いをよく理解しておられない御仁も案外とおられるようです。生産財企業の研修などで依頼するセミナー講師の中にも混じっておられます。「生産財流通なら何でもミスミ」のような御仁も中にはおられますから笑えません。

ミスミのモデルを稼ぎネタの万能薬にしておられるような方々のことはともかくとして、ミスミのビジネスモデルが果たした貢献は大きなものがあると考えます。金型製造業の支援プロセスとしての生産財流通を考える際に、ミスミモデルは避けて通れません。ミス…

生産財では「主たるマーケティングはセールス活動のチャネルで行う」のが普通だし理に適ってます。反対に消費財の顧客関連プロセスでは、セールスはマーケティング4P概念の下位概念として位置づけられます。消費財大企業のマスマーケティングではこれも理に適っています。マーケティングの概念そのものは大切ですが、企業存続の生命線の一つである顧客関連プロセスにおいては「生産財と消費財では大きな相違」があります。セールスパーソンに求められる能力要件やスキルにも違いが出てきます。

米国から翻訳なしで持ち込まれたマーケティングで、日本語が混乱したり、経営用語が混乱したりしています。マーケティング学者やカタカナコンサルタントの責任は軽くはないと思います。マーケティングは、米国式の販売慣習や手法をベースにマネジメントの概…

営業プロセスに関し、中小の金型製造企業に生産財営業の原風景をみることができるように思います。中小の金型製造企業のトップは「営業も製造も兼任」というのが普通です。組織が大きくなり役割と機能が分化していく前の原風景です。京セラや村田製作所、あるいは日本電産など、京都企業の創業者の方々も起業当時のことをよく伝えてくださってます。2006-03-25で触れましたが、ソフトブレーン社創業者である宋文洲氏がその著書*2で「本来の言葉の意味では『営業とは事業を営むこと』ではありませんか?」と述べていますが、正にその通り

2006-05-06で触れた大野耐一氏の著書*1の中には、トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏*2がトヨタ自動車が独立する前年に発表した「トヨタ自動車が今日に至るまで(昭和11年)」を紹介する次のくだりがでてきます。 以下、豊田喜一郎氏。 日本では製鋼…

間接生産財を代表する金型に関し、日本の産業規模は出荷高1兆円で就業者100千人を超えるそうです。その金型の最終製品である電機と自動車の組み立て工程の海外シフトが進み、更には90年代後半からは金型製造のコンピュータ化も進み、日本の金型各社の多くが、21世紀モデルに向けての変態脱皮を進めているようです。

参考:日本金型工業会 http://www.jdma.net/日本の金型製造企業は、90年代の顧客企業の急速な海外シフトと、どさくさで行われた日本から中国やアジアへの図面持ち出し、耐久生産財でCNCマシンの登場やコンピュータ化による加工の簡易化、中国で多い反則…