青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

生産財営業でイノベーション共創と社会貢献を目指す。

144-2/2. 中国の景況回復動向

中国では、景況改善策の家電下郷の政策やEV/HEVの普及促進を目指す十城千輌プロジェクトが発表され、日系電子部品メーカーも恩恵を受け始めています。

十城千輌プロジェクトとは、半導体産業新聞2009年3月4日付によると「中国政府が2月17日に発表。北京上海など13都市を対象に電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の普及促進を目的に、これらの車両を購入する時に助成金交付するというもの。EVで最大60千人民元(約800千円)の補助金が支給される。」とのことです。前頁152で華東地区で展開する日系電子部品メーカーからの取材記事(電波新聞)として「中国の華東地区では2月3月での景況底打ち生産復調の兆しあり」を紹介しました。東洋インキの佐久間社長も日経新聞2009年3月4日付で「中国では二月から液晶テレビ向けなどの素材需要戻り始めているようだ。自社の液晶向けカラーフィルター材料の台湾工場稼働率も一時の五割以下から現在は七割まで回復している。」と中国・台湾在庫調整一巡需要回復について述べ、同時に日本国内の景況については「に(日本市場中心の)印刷インキ事業は国内需要低迷が続き、打開の糸口は見えない。」と対照的な日本の国内需要不振を嘆いておられました。
先豊論で豊かになった中国沿海部は、国際金融システムとの関係が密接なだけに、サブプライムに始まる今回の金融危機の影響が色濃く出ていますが、同じ中国でも国際金融システムとの関係が薄かった内陸部では経済活動が再び活発になり始めているようです。内陸部ではインフラ建設などで内需が大きいので、不況対策の財政投資の効果が高いようです。インフラ投資で需要が大きいのは鉄鋼製品ですが、鉄鋼分野における中国の需要回復についても、自動車や電機の業界向け高級鋼が主力でインフラ整備もほぼ一巡し、素材企業が極端な低操業で喘ぐ日本を尻目に「中国では底打ち回復の兆し」と各方面で伝えられています。日刊産業新聞2009年3月2日付は「中国の粗鋼生産が12、1月と連続して伸びており、1月は底だった11月レベルを18%上回った。内需主導で生産が上向いている状況がうかがえる。・・・・鉄鋼生産の回復は鉄鉱石の輸入増にも表れており、伯国(ブラジル)ヴァーレの1-3月の中国向け出荷量は10-12月比2.6倍に拡大する見込み。」と報じていました。