青草新吾の惺々著考 glocaleigyo

エコシステム型の生産財営業でイノベーション共創と好社会を目指す。

96-2/3 リチウムイオン電池の事故と回収

顧客要求事項への対応と品質保証のバランスに関し、リチウムイオン電池で起きた昨年来の事故と回収は派生需要生産財営業の難しさが凝縮されています。

ソニーリチウムイオン電池の回収に関し、東京工業大学大学院の准教授/山田淳夫氏はElctronic Journal 2007年7月号で「特に正極電圧制御は非常にシビアになってきており、(上限4.2Vの制限事項に関し)絶対に4.2V以上に上げないようにする指針もだされている。ところが近年、エネルギー密度が飛躍的に向上してきたことで、これまでの安全確保手法で抑えてきたマージンが狭まってきたために、危険な状況になりやすくなってきた。このことが、これまでに起きた一連の発火事故などの背景にあるのではないかと考えている。」と述べておられますが、筆者/青草新吾も同感です。99[鉛フリー化]では温度差のマージンが圧縮されることでハンダ接続の難易度が高まっていることを記述しましたが、リチウムイオン電池マージン圧縮で製造条件も使用条件も難しくなっているということです。
2006年8月には米デルソニー製電池の回収を発表しました。同12月にはNTTドコモ三洋電機製品を、07年3月と6月にはNECトーキン製品の回収が発表されています。2007年8月14日にはノキアによる松下電池リチウムイオン電池回収が発表されました。ちなみに松下電池が2006年12月に発表した対策品に関して2006年12月18日付電波新聞は「松下の新型電池は、絶縁シート(セパレータ)に独自開発したセラミックス主体の材料を塗る。実験では、実際には混入が考えられない100ミクロン程度の異物を混入した場合でも効果があった。」と報道されていました。